下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

北村明子新作映像作品「Echoes of Calling -Encounter-」@Youtube

北村明子新作映像作品「Echoes of Calling -Encounter-」@Youtube

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=q5bhw638z4o

コンテンポラリーダンス振付家北村明子によるアイルランド・日本の国際共同プロジェクト「Echoes of Calling」。欧州文化首都「Galway2020」の企画として、アイルランドのダンサーに2月から3月にかけてオンラインで振付、現地クルーが撮影した映像と今年1月に東京で収録した映像をミックスさせたのが映像作品「Echoes of Calling -Encounter」である。
マルチメディアパフォーマンスグループであるレニ・バッソを率いて2000年代の日本のコンテンポラリーダンスの分野を牽引したひとりが北村明子である。レニ・バッソ解散後はプロジェクトごとにコラボレーターを求めて共同製作する体制に移行しているが、北村の率いるプロジェクトはいつもダンサーの技術的なクオリティーでは日本でも屈指のメンバーを集めている印象もあり、コロナ禍の現状もあってアイルランドとの共同制作でも日本にダンサーを招いて一緒に作品制作することができなくなったが、リモートで現地のダンサーに振付指導をし、現地の映像制作スタッフが収録した映像をすでに1月に日本で収録、配信もしていた舞台映像と組み合わせて編集、映像作品として作り上げた。映像を見てもらえば一目瞭然で了解されるのはダンス作品としてのクオリティーの高さ。レニ・バッソ時代よりは東京でのプレゼンスは減った感はあるものの、今でも日本トップクラスの実力者であることは分かるだろう。レニ・バッソ時代からの僚友である映像作家、兼子昭彦の映像編集もさすがの出来栄えである。
simokitazawa.hatenablog.com
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Echoes of Calling東京公演
5/16まで有料(3000円)で視聴可
https://vimeo.com/538946887 https://vimeo.com/538946887

A Collaboration Project between Ireland and Japan “Echoes of Calling”について
日本とアイルランド中央アジアへと発展していく長期国際共同制作の舞台プロジェクトです。ケルトの伝統文化や日本に古代から伝わる、形に残らない身体表現や音が、いかに私たちの記憶に働きかけるのか。
表現形式や文化、国籍、言語などの違いを超えた伝統と現在との関わりがいかに可能か。グローバル化する社会の中で不透明になりがちな「土地の文化」を、歴史的・空間的に横断し、伝統文化の脈と未来へと切り開かれるダンスを創出していきます。変動する自然環境の中で、人間と自然の共生に深い関わりを持ってきた共同体の”祈り” を現代的なテーマとして捉え、言語を超えた自然のリズム・呼吸・声のエコーをダンスへと、そして人間の力をはるかに超えた存在と共にあることの希望へと導いていきます。