下北沢通信

中西理の下北沢通信

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リモージュ国立演劇センター付属演劇学校『カガクするココロ』(3回目)@こまばアゴラ劇場

リモージュ国立演劇センター付属演劇学校『カガクするココロ』(3回目)@こまばアゴラ劇場

作・演出:平田オリザ フランス語翻訳:マチュー・カペル
(1990年初演)*科学シリーズ第1作
フランスの某国立大学の生物学研究室。
類人猿の成長過程を操作し、猿を人間に進化させるという壮大なプロジェクト「ネアンデルタール作戦」が準備されている。この研究室に集められた様々な分野の研究者、学部学生などによって遺伝子操作や分子化学の話題が繰り広げられる中、恋愛、就職、失恋による自殺未遂、結婚など様々な人間関係が展開していく。生命倫理という壮大な問題を抱えつつ、実生活のだらしなさが渾然一体となって、漂流していく物語。今回は、初演から三十年、国内外で上演され続けてきた『カガクするココロ』を、フランスを舞台に翻案し上演する。そこには現代フランス社会を生きる若者の群像が鮮やかに描かれる。
[フランス語上演/日本語字幕付き]

 平田オリザ作品には半公的な領域での多人数の集団を描き出した群像会話劇があるが、「カガクするココロ(1990年初演)」はそのプロトタイプ(原型)となった作品といってもいいかもしれない。