東京で開催されているガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルの関西(神戸)への引っ越し公演として開催されているのが、神戸アートビレッジセンターの「スプリンクルシアター」で今年が4回めである。GGフェス開催のリクルートとの間になにか契約上の問題があってガーディアンガーデンの名前が使えないということがあるのかもしれないけれど、ガーディアン・ガーデン演劇フェスin神戸じゃなぜだめなんだろうか。この「スプリンクルシアター」という名称はどうもなじみがなくて、いまだ定着もしてない感じだしどうにかならないものかとも思う。実は東京のガーディアンガーデン演劇フェスティバルは公演を開催する場所の確保の問題でしばらく中断していて、これがひさびさの再開となった。関西ではヨーロッパ企画、東京ではチェルフィッチュ、ニブロール、ロリータ男爵、珍しいキノコ舞踊団、イデビアン・クルー、ポかリン記憶舎などこの演劇祭をきっかけにブレークしていったり、活動の幅を広げていった劇団やダンスカンパニーは数多い。公募された10劇団のうち3劇団を公開の場でのプレゼンテーションで審査員が選ぶ、公開最終選考会がこのフェスティバルの売り物なのだが、残念ながら今回の最終選考会には行くことができなかった。そのため、公開審査会を実際に見ていた東京の何人かの知人に今回選考の劇団(カンパニー)はどうだろうと聞いてみた。実はその時の反響では「今回はあまり期待できないのではないか」というのが多くて、少し心配したのだけれど、3集団の舞台を実際に続けて見てみた感想としてはいずれも自らのスタイルについて確信犯としての拘りを持っており、コンセプトの部分ではっきりとした戦略性を感じさせるという意味で共通しており、実際のパフォーマンスの完成度や演技の巧拙には差があっても、いずれも過去の受賞集団と比較してもいかにもGGフェスらしい劇団がそろったという意味で満足度は意外と高いものであった。