振付:岡登志子
音楽:高瀬アキ
出演:垣尾優、中村恩恵、Kamil Warchulski、Ensemble Sonne【公演日時】
2011年3月26日(土)14:30/19:30、27日(日)14:30
※開場は開演の30分前。【会場】
神戸アートビレッジセンター・KAVCホール【料金】
一般/前売3,000円 当日3,500円
ユース(25歳以下)/前売当日共に2,000円【チケット取扱】
アンサンブル・ゾネ TEL.078-411-2837、web予約有
神戸アートビレッジセンター TEL.078-512-5500
電子チケットぴあ【Pコード:409―418】TEL.0570-02-9999 t.pia.jp【スタッフ】
舞台監督:大田和司
照明:(デザイン)岩村原太、魚森理恵、村瀬満佐夫、呂師
舞台美術:岩村原太、桑野聖子
音響:苫谷典子
録音:網中秀雄
衣装:荻田良子
宣伝美術:黒沼善裕【お問い合わせ】
神戸アートビレッジセンター TEL.078-512-5500
http://kavc.or.jp
http://www.eonet.ne.jp/~ensemblesonne/Ensemble_Sonne.html
アンサンブル・ゾネ「Still Moving2 穏やかな不協和音」はドイツ在住で欧州を中心に活動し高い評価を受けているジャズピアノ奏者、高瀬アキが音楽監督を担当。加えて元ネザーランドダンスシアターの中村恩恵が前回公演に続き2度目の参加。ともに国際的なキャリアを持つ2人のアーティストとのコラボレーションにより制作された。高瀬と岡登志子は即興演奏・ダンスでの交流を通じて何度も共演してきたが、作品の共同制作は今回が2009年の「Still Moving」に続く第2弾。前回は手探り状態の部分もあったが、その後交流を重ねたことで高瀬の方にもカンパニーの個々のダンサーそれぞれの特徴への理解も深まり、作品としての成熟感は増した。
神戸アートビレッジセンターでの初演は3・11の震災直後であり、生演奏で参加予定だった高瀬が来日できず不参加になり、その時点では余震の危険などもまだ大きかったために東京公演も中止せざるをえなかった。震災直後に来日できなかった高瀬のピアノ生演奏をフィーチャリングしての本来あるべき姿での舞台が11月に東京のシアターX(かい)での再演として実現した。
ダンサーではカンパニーのメンバーである伊藤愛、岡本早未、山岡美穂らがアンサンブルだけでなく、それぞれソロの場面でも個々の個性を発揮するなどそれぞれの顔がより見えるように成長しており、contact Gonzoの創始者でもある垣尾優も常連組の客演者として絶妙のアクセントとなり彩りを添えた。
だが、なんといっても抜きんでた光彩をはなったのは中村、岡の存在であった。中村は自分で自ら振付も行い、首藤康之と大劇場での公演もこなすが、一方でアンサンブル・ゾネとは普段は関東、関西と活動拠点を別にしているにもかかわらず単なる客演以上の深い関係になっていて、この作品では岡の振り付けたソロダンスをいくつか踊っているのだが、激しくは動かない静謐なダンスでありながら、内に秘めた激しさのような静かな気迫を感じさせ、震災の年だということもあってか祈りのようなものも感じさせられた。
東京公演では初演では振付に徹し出演しなかった岡もダンサーとして参加し、岡、中村というベテランダンサーの競演には道は違いながらもこの世界で数十年も一線を走り続けてきた歴史の重みというか、若いダンサーにはない深みを感じた。