平田オリザ・演劇展vol.6 青年団『銀河鉄道の夜』Aチーム(1回目)@こまばアゴラ劇場
『銀河鉄道の夜』※A・Bの2通りのチームで上演します。
【A】井上みなみ 藤松祥子 山本裕子 鄭 亜美 中村真生
【B】菊池佳南 折舘早紀 小林亮子 髙橋智子 中村真生
舞台監督:河村竜也
舞台監督補佐:陳 彦君 鐘築 隼
舞台美術:杉山 至
照明:西本 彩
音響・映像:櫻内憧海
衣裳:正金 彩
フライヤーデザイン:京 (kyo.designworks)
制作:太田久美子 赤刎千久子 有上麻衣
映画・舞台の「幕が上がる」で劇中でももいろクローバーZのメンバーらの演劇部が演じた平田オリザ版の「銀河鉄道の夜」が映画公開後4年の時をへて平田オリザ・演劇展vol.6の演目としてこまばアゴラ劇場で上演された。
実は昨年3月にさいたま市の劇場で1ステージだけ上演された
*1のだが、その時とはキャスト的には共通点はあるものの、今回はホームグラウンドであるこまばアゴラ劇場での上演であったせいか、それともこの日見たAチームの舞台に加えて別キャストのBチームの上演もあるせいか、舞台の印象はかなり異なるもので、それぞれの俳優の魅力がより際立ったものとなった。
Aチームの配役はジョバンニ(井上みなみ)、カンパネルラ(藤松祥子)と青年団若手女優の2枚看板である2人に加えて芸達者な山本裕子、鄭 亜美、中村真生の3人を配置。ジョバンニ、カンパネルラ以外の登場人物をその3人が次々と演じ分けていくのが特徴で、これにより映画や舞台では倍近くいた出演者を5人に絞り込んでいる。
映画、舞台版の劇中劇ではジョバンニとカンパネルラはダブル主役のイメージがあるけれどこの舞台は明らかに井上みなみ演じるジョバンニの方が主役に見える。井上の存在感がなせる業か最後の最後に正面を向いての長台詞がある戯曲の構造がそう思わせるものなのかはよく分からないが、そういう印象なのだ。
ただ、少しだけ脇に引いていてもカンパネルラの存在のあり方も印象的なもので、それを演じた藤松祥子も実に魅力的であった。