岡田利規×内橋和久 KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」@Youtube
Youtubeでの配信を見た。一種のリモート演劇ではあるが、箱庭のような舞台空間を机の上に作り、そこに置いた写真立てのような小さな紙製のホワイトボードに役者の映像を投影(プロジェクション)していくという演出。これが複式夢幻能を模したテキストの構造と合致していて非常に面白かった。
今回の上演では『挫波(ザハ)』『敦賀(もんじゅ)』の一部分(能で言うと後ジテの登場する最後のクライマックス部分を除いた前半部分)を上演。『挫波(ザハ)』は日本の新国立競技場の国際コンペを勝ち取りながら、理不尽な理由で白紙撤回の憂き目にあい、その後に亡くなってしまった建築家、ザハ・ハディドについての物語。次の『敦賀(もんじゅ)』では高速増殖炉もんじゅのことが描かれた。
一見突飛な主題にも思われるが、不遇な運命により死んだ人間(あるいは人間以上の存在)の物語が旅の僧(前ジテ)によって語られ、最後にその幽霊として我々の眼前に示現するという複式夢幻能の様式がザハ・ハディド、もんじゅが遭遇した運命とうまく合致していて、こういう形式を現代演劇に導入した岡田利規の狙いがよく理解できるようなものとなっていたのではないかと思う。
岡田利規×内橋和久による音楽劇でもある。音楽劇としての素晴らしさを際立たせていたのは内橋和久の音楽で、彼の代表的な仕事である維新派*1とは全く違うタッチだがやはり内橋節そのものであり、二人が組んだ意味は大きい。
能様式の作品群を今後も継続するならば内橋とコンビを組むのは非常に刺激的なマッチングとなりそうだ。
明日ももう一度4時から配信あるが、必見だと思う。
作・演出:岡田利規
音楽監督・演奏:内橋和久
出演:森山未來、片桐はいり、栗原類、石橋静河、太田信吾/七尾旅人(謡手)================
【演目】
◆『挫波(ザハ)』『敦賀(もんじゅ)』(の一部)◆アフタートーク
岡田利規(作・演出/演劇作家・小説家・チェルフィッチュ主宰) 白井晃(KAAT神奈川芸術劇場 芸術監督/演出家・俳優)
進行:鈴木理映子(編集者、ライター)アーカイブの配信はありません。
途中から視聴をはじめた場合はその時点からのライブ配信となり、巻き戻して視聴することはできません。
本作の録音・録画は固くお断りします。
配信は15:55より開始します。本編は16:00より始ります。スタッフ 映像:山田晋平、音響:稲住祐平、美術協力:中山英之、演出助手:石内詠子、制作:小沼知子
宣伝美術:松本弦人 宣伝写真:間部百合 宣伝衣装:藤谷香子企画製作・主催 KAAT神奈川芸術劇場
作・演出:岡田利規
音楽監督・演奏:内橋和久
出演:森山未來、片桐はいり、栗原類、石橋静河、太田信吾/七尾旅人(謡手)
【日程】
6月27日(土)上演開始16:00
6月28日(日)上演開始16:00
※両日程とも同じ演目・同じトークを上演します。【会場】
KAAT Youtubeチャンネル*配信URLはこの頁にて追ってお知らせいたします。
*上演時間になるとこの頁のyoutubeリンクより視聴いただけます。【料金】
無料・アーカイブの配信はありません。
・途中から視聴をはじめた場合はその時点からのライブ配信となり、巻き戻して視聴することはできません。
・本作の録音・録画は固くお断りします。
スタッフ 映像:山田晋平、音響:稲住祐平、美術協力:中山英之、演出助手:石内詠子、制作:小沼知子
宣伝美術:松本弦人 宣伝写真:間部百合 宣伝衣装:藤谷香子企画製作・主催 KAAT神奈川芸術劇場