下北沢通信

中西理の下北沢通信

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ビデオ電話で交流する人々を描く連作短編通話劇シリーズ ロロ 窓辺第3話『ポートレート』 @Youtube

ビデオ電話で交流する人々を描く連作短編通話劇シリーズ ロロ 窓辺第3話『ポートレート』 @Youtube

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ビデオ電話(ZOOM)で交流する人々を描くロロの連作短編通話劇シリーズ(作演出三浦直之)の第3弾。今回は板橋駿谷 望月綾乃の2人がキャスティングされた。ZOOM演劇も珍しくなくなってきたが、最近では笑の内閣によるZOOM時代劇「信長のリモート」*1岡田利規×内橋和久の「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊*2などかなり凝った独自性の高い仕掛けを入れた作品が出ている中で、ロロの「窓辺」シリーズは2人でZOOM会話をする人たちを描いたという意味できわめてシンプルな作品だ。
 1本は20分という短編だが、それぞれが独立した物語でありながら、実はZOOM画面の外側では緩やかにつながっており、続けて上演することで外側に広がる世界を描き出すことがひとつの目的なのではないかと思う。
こうした試みは ある作品で登場人物の台詞の中や視界の先にだけ登場する人物が別の作品で実際に登場するというような形で「いつ高」シリーズで知られる高校を舞台にした連作*3でも試してきたことだが、今回の連作通話劇では登場人物はビデオ電話の中にいるためにそのフレームの外に広がる外の世界がどのようなものかを想像する自由度は一層多様性を含むものとなっている。
 まだ、試みとしては端緒といったところだが、3本目にして1本目で登場人物が口ずさんだヒーローものアニメのエンディングテーマがレコード盤からの音源として聞かされたり、登場人物の隣の部屋の住人が同じ歌を口ずさんでいたり、今回の舞台ではやはり隣の人宛の郵便物であった消しゴムの箱が間違って肖像をスケッチする女の元に送られてきた。隣の部屋と間違ったと分かり返しに行った。これも2本目に話題に出てきた消しゴムのエピソードとつながり、3つの話がいずれも同じ世界線の中で重なり合っているということが浮かび上がってくる。
 そうした意味合いを踏まえて、今回は第1話、第2話も再演され、連続して見るチャンスが与えられたのにも関わらず、それが終わってから第3話を見ることになったのだが、見終わってはじめて、今回の話とこれまでの話がつながるエピソードが盛り込まれていることが分かり、あれとあれを確認しておきたいという気持ちが湧き上がってきて、今度は全部を続けて見ておけばよかったとおおいに後悔しているからだ。

ビデオ電話で交流する人々を描く連作短編通話劇シリーズ
『窓辺』



『窓辺』とは

本作は、離れた土地で暮らす人たちの、ある一晩のビデオ電話を切り取った連作短編通話劇。上演方法はYoutubeLiveでの生配信。色々と試行錯誤しつつ、定期的に生配信していく予定です。この3話で一旦一区切りとなりますが、今後も継続予定ですので気長にお付き合いいただければ嬉しいです。ぜひお家でリラックスしながら"ささやかな演劇"をお楽しみください。

ロロ 窓辺
第3話『ポートレート

脚本・演出:三浦直之
出演:板橋駿谷 望月綾乃

劇中曲「テレポな夜」
作詞:三浦直之
作曲:亀島一徳
編曲:夏目知幸

小道具イラスト:石原朋香
宣伝イラスト:矢野恵司
デザイン:佐々木俊
企画・制作:ロロ

上演時間:約20分

  • あらすじ-

ある日、青太郎はSNS上で「ビデオ電話しながら肖像画を描かせてくれる人がいたらDMください」というメッセージをみつける。青太郎が興味本位でDMを送ってみたら、実際ビデオ電話をすることになり……

生配信スケジュール:
2020/6/24[水]23:00 ※第1話再演
2020/6/25[木]23:00 ※第2話再演
2020/6/26[金]22:00 ※第3話
2020/6/27[土]13:00/22:00 ※第3話
2020/6/28[日]23:00 ※第3話

*1:ZOOM時代劇 笑の内閣「信長のリモート」simokitazawa.hatenablog.com

*2:simokitazawa.hatenablog.com

*3:simokitazawa.hatenablog.com