下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。

コロナ禍における小劇場演劇メモ

コロナ禍における小劇場演劇メモ

緊急事態宣言の概要
緊急事態宣言は2020年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく措置です。全国的かつ急速なまん延により、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある場合などに、総理大臣が宣言を行い、緊急的な措置を取る期間や区域を指定します。
安倍総理大臣は2020年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を行い、4月16日に対象を全国に拡大しました。

このうち当初から宣言の対象とした7都府県に、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の6道府県を加えた13の都道府県を、特に重点的に感染拡大防止の取り組みを進めていく必要があるとして、「特定警戒都道府県」と位置づけました。

そして、5月14日に北海道・東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫の8つの都道府県を除く、39県で緊急事態宣言を解除することを決定しました。

5月21日には、大阪・京都・兵庫の3府県について、緊急事態宣言を解除することを決定しました。緊急事態宣言は、東京・神奈川・埼玉・千葉・北海道の5都道県で継続。

5月25日には首都圏1都3県と北海道の緊急事態宣言を解除。およそ1か月半ぶりに全国で解除されることになりました。


コロナ自粛前最後の観劇
2020-03-25
フィスコットーネ レパートリーシアター「山の声 ―ある登山者の追想―」@Space早稲田
(復活公演)2020-10-07
フィスコットーネトライアル公演「ブカブカジョーシブカジョーシ」@下北沢シアターB1
020-03-26
田上パル「Q学」@こまばアゴラ劇場
2020-04-12
うさぎストライプ「いないかもしれない」@こまばアゴラ劇場(公演中止) この後、こまばアゴラ劇場において予定されていた全演目が中止になった。

ZOOM演劇のスタート
20200419 ビデオ電話で交流する人々を描く連作短編通話劇シリーズ ロロ『窓辺』@Youtube
いつ高シリーズでは上演時間1時間1場劇というルールの縛りのもとにサーガ的な連作演劇を試みたロロの三浦直之がコロナ禍で通常の劇場公演ばかりか、演劇の稽古もできないという逆境を逆手にとったようにビデオ電話で交流する人々を描く連作短編通話劇シリーズ ロロ『窓辺』を開始した。
 ビデオ電話システムのZOOMを通して、交流する人々を描く演劇シリーズをYoutubeで生配信するという仕掛け。とりあえず1回目の配信を見た。見るには見たが、これがどういう仕組みのものなのかは判然としかねる部分が実はある。終了後にアーカイブが残るのかどうなのかなどよく分からない部分があるが、とりあえず1日3回生配信という形でしている。通話劇シリーズ、つまり演劇と標榜しているから収録したものを3回配信するということではなくて、生で演じているものをリアルタイムで配信しているのかもしれない。
2020-05-22
ビデオ電話で交流する人々を描く連作短編通話劇シリーズ ロロ 窓辺 第2話『ホームシアター』@Youtube
2020-06-26
ビデオ電話で交流する人々を描く連作短編通話劇シリーズ ロロ 窓辺第3話『ポートレート』 @Youtube
2020-06-28
ロロ×アリオス『#家で劇場を考える』『オンステージ』#おうちでアリオス
20200911 ロロが高校生に捧げるシリーズ いつ高シリーズvol.8『心置きなく屋上で』@横浜KAAT
2020-10-22
驚異のシンクロ率 響き合う二人の作家 新海誠×三浦直之(ロロ) 恋を読むvol.3『秒速5センチメートル』@ヒューリックホール東京

過去公演の映像の期間限定公開
20200418 「劇団4ドル50セント」(秋元康氏プロデュース)×「柿喰う客」 2020年1月〜2月に開催されたコラボ舞台公演作品
2020-05-31
西田シャトナー×保村大和超一人芝居『Believe』(2001年作品)@Youtube
2020-06-06
うさぎストライプ『いないかもしれない』@観劇三昧無料配信(6月6日まで)
2020-06-07
平田オリザ×本広克行 PARCOプロデュース2019『転校生』オンライン同窓会~卒業生にまた会える~<女子校版>@Youtube
2020-06-07
青年団ヤルタ会談」“オンライン”版@Youtube(6月7日まで)
2020-06-13
西田シャトナー×保村大和 超一人芝居『マクベス』(2001年上演の記録映像)@Youtube
2020-06-13
平田オリザ×本広克行 PARCOプロデュース2019『転校生』2019年男子校版(上演時間:約75分)@Youtube
2020-10-17
惑星ピスタチオ『破壊ランナー』(1995年)@Youtubeプレミア公開

無観客配信が再開
20200601 下北沢・本多劇場が再スタート 有料無観客生配信日替わりひとり芝居『DISTANCE』@本多劇場

本多劇場のコロナ禍による休業後、再開第一弾は無観客生配信によるひとり芝居。さっそうチケットセンター(イープラス)で初日(6月1日19時~)のチケットを申し込んでみた。手元のパソコンで映像が見られるかどうかには若干の危惧があるのだが、少なくともスマホでは見ることができそうだというので、見切り発車である。


客数を減らして有観客で配信
2020-06-28
『いいむろなおき マイム小品集』|KAVC 新しい劇場のための work:01
2020-07-10
PARCO劇場オープニング・シリーズ 三谷幸喜氏が書き下ろす新作『大地(Social Distancing Version)』WOWOWStreaming

リモート演劇における新たな挑戦
笑の内閣 高間響の挑戦
2020-06-20
笑の内閣 オンライン演劇 「信長のリモート 武将通信録」シナリオ1「本能寺のzoom」
20200621
笑の内閣 オンライン演劇 「信長のリモート 武将通信録」シナリオ2「麒麟がこぬ」

 「信長のリモート 武将通信録」シナリオ1「本能寺のzoom」は織田信長明智光秀によって本能寺に討たれた天正10年(1582年)において、もしネットがあり信長傘下の武将たちがZOOMで軍議をしていたらというSF的設定を取り入れたZOOM時代劇である。信長側を描いたシナリオ1「本能寺のzoom」と明智側を描くシナリオ2「麒麟がこぬ」 を2夜連続で上演。この日は前編の「本能寺のzoom」が上演生配信された。
 笑の内閣は東京都の健全青少年育成条例案に触発された「非実在少女 のるてちゃん」、ヘイト問題などを取り上げた「ツレがウヨになりまして」などその時々の社会的な問題をコメディーという切り口で作品にしていくきわめてユニークな集団である。
 今回のコロナ禍下で現状に即座に反応、病気療養で実家のある北海道に長期滞在中の作演出高間響が京都の俳優とZOOMで連絡をとり、それぞれの俳優が自宅から一人芝居を上演し好評を得たが、今回は第二弾の企画。とはいえ、京都市が設立した新型コロナウィルス感染症の影響に伴う京都市文化芸術活動緊急奨励金に応募しての出演者多数のおそらくそれまでになかったであろうほど大規模なZOOM演劇となった。

◆シナリオ1・2両方に出演

淺越岳人(アガリスクエンターテイメント)、岡本昇也、神田真直(劇団なかゆび)、三遊亭はらしょう、杉田一起、谷屋俊輔(ステージタイガー/焼酎亭)、寺地ユイ(きまぐれポニーテール) 、中路輝(ゲキゲキ/劇団「劇団」)、髭だるマン(笑の内閣)、福地教光(バンタムクラスステージ)、山下ダニエル弘之

◆シナリオ1のみ出演

和泉聡一郎(劇団道草)、伊藤今人(ゲキバカ/梅棒)、大町浩之(拳士プロジェクト)、河合厚志(押ボタン制作)、熊谷みずほ、近藤珠理、高瀬川すてら(劇団ZTON/Sword Works)、田宮ヨシノリ、土肥嬌也、松田裕一郎、三鬼春奈(gallop)、横山清正(気持ちのいいチョップ)、ラサール石井

◆シナリオ2のみ出演

アパ太郎(トイネスト・パーク)、阿部潤(こと馬鹿ら)、伊藤えん魔、ガトータケヒロ(シイナナ)、黒川猛(THE GO AND MO’S)、椎木樹人(万能グローブガラパゴスダイナモス)、じゅういち、篠原涼、杉森功明、高間響(笑の内閣)、土肥希理子、月亭太遊長岡天神サンダーライガー(不眠クラブ)、HIROFUMI、前田友里子(アガリスクエンターテイメント)、由良真介(笑の内閣)、若旦那家康(コトリ会議)  ほか

2020-09-20
笑の内閣「東京ご臨終〜インパール2020+1〜」@THEATRE E9 KYOTO
小劇場ボードゲーム
www.facebook.com


20200928 ポかリン記憶舎 朗読劇『戀文 koibumi 』~明恵鷹島の石~@世界遺産・栂尾山 高山寺 書院@Youtube(新型コロナウィルス感染症の影響に伴う京都市文化芸術活動緊急奨励金対象公演)


岡田利規とKAATの試み
2020-06-27
岡田利規×内橋和久 KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」@Youtube

Youtubeでの配信を見た。一種のリモート演劇ではあるが、箱庭のような舞台空間を机の上に作り、そこに置いた写真立てのような小さな紙製のホワイトボードに役者の映像を投影(プロジェクション)していくという演出。これが複式夢幻能を模したテキストの構造と合致していて非常に面白かった。
 今回の上演では『挫波(ザハ)』『敦賀もんじゅ)』の一部分(能で言うと後ジテの登場する最後のクライマックス部分を除いた前半部分)を上演。『挫波(ザハ)』は日本の新国立競技場の国際コンペを勝ち取りながら、理不尽な理由で白紙撤回の憂き目にあい、その後に亡くなってしまった建築家、ザハ・ハディドについての物語。次の『敦賀もんじゅ)』では高速増殖炉もんじゅのことが描かれた。
 一見突飛な主題にも思われるが、不遇な運命により死んだ人間(あるいは人間以上の存在)の物語が旅の僧(前ジテ)によって語られ、最後にその幽霊として我々の眼前に示現するという複式夢幻能の様式がザハ・ハディドもんじゅが遭遇した運命とうまく合致していて、こういう形式を現代演劇に導入した岡田利規の狙いがよく理解できるようなものとなっていたのではないかと思う。
 岡田利規×内橋和久による音楽劇でもある。音楽劇としての素晴らしさを際立たせていたのは内橋和久の音楽で、彼の代表的な仕事である維新派*1とは全く違うタッチだがやはり内橋節そのものであり、二人が組んだ意味は大きい。

吉祥寺からっぽの演劇祭
吉祥寺からっぽの劇場祭

吉祥寺シアター レジデンスプログラム「吉祥寺からっぽの劇場祭」 2020年7月23日(木)~8月9日(日) 綾門優季(青年団リンク キュイ)/渡辺瑞帆(青年団)・渡邊織音(グループ・野原)/額田大志(ヌトミック/東京塩麹)・福井裕孝・山下恵実(ひとごと。)他。

20200805 [吉祥寺からっぽの劇場祭] 吉祥寺シアターオンラインシンポジウム@Youtube
2020-08-09
吉祥寺からっぽの劇場祭 コンサート【Play from someone(nice sound!)】額田大志 企画@吉祥寺シアター

吉祥寺からっぽの劇場祭は、何も上演していないとしても、誰もいないとしても、からっぽでもなお魅力的な空間である吉祥寺シアターを、どれだけ思う存分使い倒すことが出来るかという一風変わった祭です。
上は屋上から下は奈落まで、劇場空間のほぼすべてをアクティングエリアとして開放します。
映像配信も予定しておりますので、これを契機として、吉祥寺シアターの新しい魅力を知っていただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
チーフ・キュレーター 綾門優季 

simokitazawa.hatenablog.com

その後の展開
2020-10-20
演劇と映像 二人の女性アーティストによる共同配信ライブ 宮﨑企画「新作短編『回る顔』」@ライブ配信
2020-11-05
月刊根本宗子第18号「もっとも大いなる愛へ」@本多劇場(無観客生配信)
2020-10-17
東京芸術祭2020 芸劇オータムセレクション「ダークマスター VR」@東京芸術劇場