下北沢通信

中西理の下北沢通信

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伝説のアイドルイベント「アイドルユニットサマーフェスティバル2010」の裏側 ライブナタリー オンライントーク 「その時、アイドルシーンの歴史が動いた」 “仕掛けた側”と“仕掛けられた側”が語る“アイドル戦国時代”幕開けの瞬間

ライブナタリー オンライントーク 「その時、アイドルシーンの歴史が動いた」 “仕掛けた側”と“仕掛けられた側”が語る“アイドル戦国時代”幕開けの瞬間

ライブナタリー オンライントーク 「その時、アイドルシーンの歴史が動いた」 “仕掛けた側”と“仕掛けられた側”が語る“アイドル戦国時代”幕開けの瞬間ticket-live.natalie.mu

ライブナタリー オンライントーク 「その時、アイドルシーンの歴史が動いた」

出演者:川上アキラ、増田佳子、山田昌治、湯浅洋吉田豪

 「アイドル戦国時代」の幕を開けたとされている伝説のアイドルイベントがSKE48スマイレージももいろクローバー*1bump.yが出演した2010年のイベント「アイドルユニットサマーフェスティバル2010」(渋谷公会堂)である。
 このトークショーは当時のこのイベントの関係者であった主催者、ニッポン放送の担当者増田佳子、ももいろクローバーZマネージャーの川上アキラ、スマイレージのマネージャー(当時)だった山田昌治、SKEの支配人だった湯浅洋、インタビュアーの吉田豪が集結、当時の状況が実際にはどうだったのかを話し合った。
 このイベントではスマイレージが他グループを圧倒するような完成度の高いパフォーマンスを見せつけ、初めての他グループとの他流試合において老舗ハロプロの意地を見せつけ、ももクロも当時の勢いを見せつけ爪痕を残したのに対し、イベントの趣旨を読み違えたSKE48が実力を出し切れず敗北して、ファンは悔し涙を流したという話をこれまで幾度となくアイドルファンの古老から耳にしてきた。ところが、今回面白かったのは運営側の認識は当時全然違っていたということをこの日SKE側の湯浅洋が明らかにした*2ことだ。
 そこに当時このイベントをさかんに報じて、今のような認識を浸透させたブブカの並木愼一郎 氏が後半、パネリストとして乱入。口角泡を飛ばして論争するような展開になったのがクライマックスだろうか*3
 モノノフ的には一番興味深かった情報は川上アキラ氏が最後に年末のももいろ歌合戦の企画について並木愼一郎 氏にも協力してもらって新たな面白いことを準備していると語ったこと。ももいろ歌合戦については今年も開催することをすでに明らかにしているが、並木氏が関係してなにかやるということであれば昨年は別途行った佐々木彩夏主催のアイドルイベント「AYAKARNIVAL」的なことを今年はももいろ歌合戦のなかに組み込んで行うのかもしれないという可能性が出てきたのではないか。単にタイミングが合わなかっただけかもしれないが、湯浅洋氏がこの日参加してカミングフレーバーのことに触れながら「AYAKARNIVAL」に触れなかったこと、山田昌治氏もライブスタイルダンジョンのことに触れながらもももいろ歌合戦のことには触れなかったことには逆に不自然さを感じて、その辺りと組んでの新企画がなにか水面下で進んでいるのかとの深読みもしてしまうのだが、やはり気のせいかもしれない(笑い)。
 面白かったのは松井珠理奈早見あかり脱退後に落ち込んだ百田夏菜子を助けたいとももクロ入りを望んだという話。これまで話半分に聞き逃していたが、そういう話が実際にあったこと、当時のスターダストとSKEの運営の関係ではその前に元ももクロの高井つき奈のスタダからSKEへの期限付きレンタル移籍もあり、松井珠理奈が期限付きでももクロ入りするということはSKE運営側から見てもまったくの絵空事ではなかったらしいというのを吉田豪氏の憶測などではなく、当時SKE運営だった湯浅洋氏の口から直接聞けたというのは非常に重要だったのではないか。次回はぜひ百田夏菜子和田彩花松井珠理奈のアイドル当事者3人が顔を揃えてのトークを聴いてみたいと思う。

「アイドルユニットサマーフェスティバル2010」ラジオ放送音源

www.nicovideo.jp
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*1:「アイドル戦国時代」という言葉に合わせて、モノノフという呼称が生まれたのでこの時にコールしているももクロファンはまだモノノフではなかった。

*2:確かにラジオ音源=リンクあり=を聞いてみると、観客の盛り上がりもあってパフォーマンス自体は悪くなかったという主張にはうなずける部分もある。

*3:もっとも、よく考えればイベント自体、無観客配信で聴衆はいないため、どう考えてもこの乱入もプロレス的に用意されたハプニングだと思う。