「第5回 ももいろ歌合戦~届け!希望の彼方へ~50組超え出場!年越し8時間無料生放送」@日本武道館
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昨年はオンライン中継のみとなった「ももいろ歌合戦」だが、2年ぶりに観客を入れて開催され、2階席サイドの見切れ席ではあったが、私も現地で楽しむことができた。今年の演出の鍵を握ったのは日本武道館という会場だったかもしれない。一昨年は横浜アリーナで開催したから、規模だけでいうのなら過去最大というわけではないけれど、この舞台に立つ演者の高ぶりというのが伝わってきて、それが反映しての好パフォーマンスとなった演目が特にここを目指す(あるいは目指した)若いアイドルやアーティストには特別にあったのではないか。
歌合戦の毎年の恒例となっているのが「アイドルメドレー」「アニメメドレー」「今年の顔」という3つの企画だが、実はこの歌合戦では豪華な出演者以上にここに力が入っていて、手のかけ方から言っても「目玉」と言ってもいいものになっている。なかでも今回よかったのが「最強アイドルメドレー2021」だ。
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出演者(特にアイドル)にとっては日本武道館という特別な舞台に立てることでの喜びがパフォーマンスに満ち溢れていたけれども特に感動的だったのがこのコーナーのフィナーレに全出演者をバックにセンターステージで歌ったいぎなり東北産の「天下一品」。今年(2021年)横浜アリーナで開催されたスタプラフェスで行われたシンデレラ決定戦でリーダーの橘花怜がシンデレラを獲得した後、横浜アリーナでソロ歌唱したグループの勝負曲といってもよく、グループが目標と公言している武道館のセンターステージでこの歌を歌えたということは今度は自分たちだけでこの舞台に立ちたいというメンバーの気迫も感じさせるパフォーマンスで見ている人の心を揺さぶるものがあったと思う。
いぎなり東北産と比べれば分かりやすくはなかったけれど、私なりに心に刺さった出来事が他にもあった。ファースト・サマー・ウイカはこの「アイドルメドレー」だけではなく、「アニメメドレー」、自分のソロ曲「カメレオン」と3回も武道館のセンターステージに立ち、今回の歌合戦の殊勲賞といってもいい活躍ぶりだったのだが、実は彼女はBiSHの先輩で「日本武道館に立つ」という目標を掲げながら様々な事情で立つことが出来なかった旧BiSの元メンバーだった。結局のところBiS解散後も彼女のように個人としての活動を続けているメンバーはいるけれど、武道館に立った人はいないはずだ。その舞台に立ちソロとして思い切り歌うことができたことはそれを表に出してあえて口に出して言うかどうかは分からないけれど、それなりの感慨は絶対にあったはずだ。
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とはいえ、この日のアイドルメドレー(だけでなく、この日のすべてのパフォーマンスでも)最高だと思ったのはBTSの「Butter」を大勢の男性(SUPER★DRAGONとBOYS AND MEN)と一緒にセンター的ポジションを担ったアメフラっシ・浪江女子発組合の小島はなである。最近、テレビ番組のフォーク村や浪江女子発組合ライブでの「鋼の意志」のソロ歌唱などで爪痕を残して、男性顔負けの力強いボーカルで存在感をアピールしつつあったが、大勢の男性を従えての「Butter」でのダンスとボーカルにはさしずめ「スター誕生」を思わせるものがあった。
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このコーナーの総合演出は佐々木敦規のはずだが、そこまでももクロ妹グループの実情には詳しくないと思われるので、ボーイズグループのパフォーマンスに紅一点を入れてセンタ―ポジション的な役割を担わせるという演出はどういう経緯で生まれてきたのかが、知りたいところだ*1。
アイドルメドレーでは佐々木彩夏がダンスが得意なアイドルを選抜(スタプラだけでなくアプガや東京女子流も参加)し、AKB48の最新ダンスナンバー「根も葉もRumor」に挑戦したのも話題となった。
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ももクロメンバーはAKB48の大ファン*2で無名時代にはAKB48の楽曲をカバーして歌っていたほどだが、今回の「根も葉もRumor」はAKB48へのエールの意味が大きいと思っている*3。佐々木彩夏が主催するアイドルフェス「AYAKARNIVAL」にこれまで48グループからSKE(カミングフレーバー)、HKT、STUが出演、あーりんが参加してのコラボも行われた。ももいろ歌合戦やAYAKARNIVALにも昔からファンであるAKBにも出てもらって、一緒にアイドル界を盛り上げてほしいというアピールではないか。
ももいろ歌合戦は紅白歌合戦の対抗軸というよりは「氣志團万博」「イナズマROCKフェス」「白黒歌合戦」など今回も参加してくれた歌謡界の先輩が主催するフェスを模範としたももクロ版のフェスという色彩が強い。そのため楽曲においても16曲にももクロも参加し招いたアーティストとコラボし、それがももクロ自身のライブ以上の見せ場となっている。そして、これらの交流において単なる企画以上に参加者が楽しそうなのが最大の魅力となっている。若者にはあまりなじみがない大物アーティストのパフォーマンスに若いファンもある程度入り込むことができるのはこうした空気感があってこそなのだ*4。
逆に年配のファンにはなじみがあまりないかもしれないウマ娘 プリティーダービー「うまぴょい伝説」も feat.高城れにということで大ファンであると広言しているメンバー高城れにがコラボ参加することで、「どんなものなのだろうか」と関心を呼び込むことに成功している。さらに言えばフル尺で歌えるというのも大きなメリットで「うまぴょい伝説」も普通のテレビサイズでたっぷりとメンバーでけで歌う部分が終わった後に初めて高城れにが加わりコラボするような構成となり、コアなファンの反感を買いにくいような演出がちゃんとなされている。
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ファーストサマーウイカの武道館降臨もそうだったが、昔からの夢を実現するというのも仕掛けのひとつ。そういう意味で注目されたのがゴリエ feat.あーりん「Pecori♡Night」だった。というのもあーりんは10歳の時にすでに「おはスタ」でガレッジセールのゴリと共演しており、「Pecori♡Night」はソロコンでもすでにカバーしていたが、その際にも「いつか本人とコラボしたい」と語っていたからだ。唯一、残念であったのはこの曲は収録で当日のトークがなかったこと。舞台裏を収録した映像は残ってないのだろうか。
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この日の最大の見どころと言ってよいのが、ダンスグループ「s**t kingz」とのコラボで行った「ももクロ / 華麗なる復讐 feat 玉井詩織&佐々木彩夏」(Abemaにアーカイブ)だと思う。だいぶ以前からももクロのダンスを論じてダンスの巧拙はそろうそろわないではないと論じてきたが、彼女らが並みではないスキルを持っているのはこのパフォーマンスを見た人は一目瞭然で分かったと思う。
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そして、さらに凄いのはs**t kingzの振付を踊ってもそれはももクロのパフォーマンスにちゃんとなっていることだ。この日のパフォーマンスは二人だけだがぜひ今度は今回の振付をベースにしたももクロ全員でもパフォーマンスも見てみたいとも思ったのである。それにしても「華麗なる復讐」はめったにライブでやることはないのだけれど、いい曲(変態的ではある)だと改めて再認識させられた。(ロックオペラかミュージカルの一節のような原曲の振付=下記参照=も好き。
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放送日程:2021年12月31日(金)17:00~
「第5回 ももいろ歌合戦」出場者および歌唱曲
白組
01. ももクロちゃんと木梨とココリコ遠藤とホリケンとだれか「最高な毎日にするために自分からグイッと動き言葉に気をつけしかけは早め全て面白がり答えは追い追いやってくる」
02. SUPER★DRAGON「君は1000%」
03. Anna「旅行計画」
04. 東京女子流「ストロベリーフロート」
05. 尾崎裕哉「I LOVE YOU」
06. 塩乃華織「きのくに線」
07. イナズマこぶたランド「ダイアナ」
08. サンリオキャラクターズ feat.ももくろちゃんZ「サンリオキャラクターズ×ももくろちゃんZ♡KAWAII STAGE」
09. 上坂すみれ「革命的ブロードウェイ主義者同盟」
10.加山雄三withももいろクローバーZ「旅人よ」
11. MORISAKI WIN「パレード - PARADE」
12. 華原朋美「I'm proud」
13. Da-iCE「CITRUS」
14. MAX「TORA TORA TORA」
15. 戸田恵子 feat.百田夏菜子「強がり」
16. ウマ娘 プリティーダービー feat.高城れに「うまぴょい伝説」
17. ゆいか(本仮屋ユイカ)「HAPPY WEEKEND LOVE」
18. サイプレス上野とロベルト吉野「よっしゃっしゃっす〆」
19. 西川貴教「WHITE BREATH」
20. さだまさし「案山子」
21. NOKKO「MOON」
22. 吉田栄作「人生はひとつ でも一度じゃない」紅組
01. 氣志團
02. 超ときめき♡宣伝部
03. CZ'21「Inside The Mirror」
04. 703号室「裸足のシンデレラ」
05. アップアップガールズ(仮)「一歩目のYES!」
06. 浪江女子発組合「なみえのわ」
07. 私立恵比寿中学「Anytime, Anywhere」
08. ゴリエ feat.あーりん「Pecori♡Night」
09. オーイシマサヨシ「君じゃなきゃダメみたい」
10. HYDE「FINAL PIECE」
11. 松本明子「港猫」
12. ファンキー加藤 withももいろクローバーZ「吼えろ 2021」
13. 泉谷しげる「春夏秋冬」
14. 高橋ジョージ「ロード」
15. ファーストサマーウイカ
16. 森口博子「ホイッスル」
17. 角田晃広(東京03)「SUPER STAR」
18. 妃海風 feat.玉井詩織
19. 松崎しげる「愛のメモリー」
20. 大友康平(HOUND DOG)「AMBITIOUS」
21.s**t kingz
22. 五木ひろし今年の顔2021
・ひろゆきの質問コーナー
・まなまる「ものまね弾き語りメドレー」
・もーりーしゅーと「ずっともっと」
・Saucy Dog「シンデレラボーイ」
・あたらよ「10月無口な君を忘れる」
・ののちゃん(村方乃々佳)「ののちゃん どうよう&あそびうたメドレー」
・鈴木鈴木「ホワイトキス」
・ヒコロヒー
・コロット木村
・しらスタ&虹色侍ずま&松浦航大「WINDING ROAD」ウマ娘 プリティーダービー 出走メンバー
スペシャルウィーク(CV:和氣あず未) / サイレンススズカ(CV:高野麻里佳) / トウカイテイオー(CV:Machico) / オグリキャップ(CV:高柳知葉) / ゴールドシップ(CV:上田瞳) / ウォッカ(CV:大橋彩香) / エルコンドルパサー(CV:髙橋ミナミ) / シンボリルドルフ(CV:田所あずさ) / マンハッタンカフェ(CV:小倉唯) / キングヘイロー(CV:佐伯伊織) / マチカネタンホイザ(CV:遠野ひかる)
先日、ももいろ歌合戦のアーカイブのページ見ながら、ももクロめっちゃ出てんな…って話してたんですが、数えたら50曲(メドレー含む)のうちの16曲に参加してて、それとは別にももクロのライブもあって、司会までやってんの…マジとんでもないヤツらw
— ろくろう (@mcz_orz) 2022年1月5日
第5回 ももいろ歌合戦https://t.co/6jN5ueR81k pic.twitter.com/zzCpGWxkf4