下北沢通信

中西理の下北沢通信

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ももいろクローバーZ「第3回 ももいろ歌合戦~」@横浜アリーナ(現地参戦)

ももいろクローバーZ「第3回 ももいろ歌合戦


「ももいろ歌合戦」百田夏菜子はまさかの白組 紅組・高城れにから宣戦布告「夏菜子ちゃんより赤が似合うと思う!」「ももクロ生出演!『第3回 ももいろ歌合戦』」記者会見

第3回 ももいろ歌合戦

タイムスケジュール
16:30〜
年忘れももクロライブスタート
17:30〜
歌合戦まで待てない!年の瀬芸能ショー
18:30〜
ももいろ歌合戦スタート

新春ももクロライブ

終演

※予定スケジュールとなり、変更になる場合がございます。

会場:神奈川・横浜アリーナ

キャスト
【総合司会】
東京03 [3]
【応援団長】
紅組:野々村真 [初]
白組:森尾由美 [初]
【出演者 (50音順、[ ]内は出場回数)】
浅草出身の大物師匠[2]
アップアップガールズ(仮)[2]
新木優子[初]
飯塚高史[2]
泉谷しげる[初]
m-flo[初]
大友康平[2]
岡田将生[初]
角田晃広東京03)[3]
カジサック[初](VTR)
上沼恵美子[初]
氣志團[3]
Kizuna AI[初]
Creepy Nuts [2]
倖田來未[初]
サイプレス上野とロベルト吉野[3]
さだまさし[3]
C&K[初]
塩乃華織[3]
笑福亭鶴瓶[3]
私立恵比寿中学[初]
水前寺清子[3]
杉山清貴[初]
SUPER★DRAGON[初]
高橋洋子[初]
たこやきレインボー[2]
CHAI[初]
峮峮(ちゅんちゅん)[初]
東京女子流[2]
東京ホテイソン[初]
徳井健太平成ノブシコブシ)[3]
中澤卓也[初]
永野[3]
西川貴教[初]
NOKKO[初]
ノブ(千鳥)[3]
妃海風[初]
ヒプノシスマイク[2]
平松愛理[初]
ファンキー加藤[初]
Fischer’s[2](VTR)
FLOWER FLOWER[初]
Poppin’Party[初]
BOYS AND MEN[2]
松崎しげる[2]
松本明子[3]
ももいろクローバーZ[3]
森口博子[3]
和田彩花[初]
【年の瀬芸能ショーMC】
小松靖
徳井健太平成ノブシコブシ
永野
ノブ(千鳥)
弘中綾香
【年の瀬芸能ショー出演者(50音順、[ ]内は出場回数)】
アップアップガールズ(2)[初]
EBiDAN KiDS[初]
カミングフレーバー(SKE48)[初]
ジョーク東郷[初]
東京ホテイソン[初]
ノブ(千鳥)&玉井[初]
B.O.L.T[初]
松浦航大[初]
眉村ちあき[初]
みぎてやじるし ひだりてはーと from 今日、好きになりました。[初]

ももいろクローバーZ「第3回 ももいろ歌合戦」2019年12月31日 横浜アリーナ セットリスト
紅組
01. アップアップガールズ(仮)「アッパーレー」
02. 氣志團「stay gold」
03. 高橋洋子残酷な天使のテーゼ
04. 塩乃華織「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」「Let It Go~ありのままで~」
05. m-flo「come again」
06. 和田彩花「Une idole」
07. BOYS AND MEN「炎・天下奪取」
08. ファンキー加藤 feat. ももいろクローバーZ「吼えろ」
09. FLOWER FLOWER「パワフル」「CHE.R.RY」
10. サイプレス上野とロベルト吉野 feat. タコライス玉井「Let's Go 遊ぼうZE 2 feat. YOUR SONG IS GOOD
11. たこやきレインボー「もっともっともっと話そうよ-Digital Native Generation-」
12. 水前寺清子「いっぽんどっこの唄」
13. 西川貴教T.M.Revolution)「Meteor-ミーティア-
14. ヒプノシスマイク「ももいろ応援ラップ」
15. ビートきよし浅草キッド
16. 角田晃広東京03)「さよならのオーシャン
17. さだまさし「償い」
18. 倖田來未「GOLDFINGER 2019」
19. 泉谷しげる「春夏秋冬」

白組
01. 私立恵比寿中学「ジャンプ」
02. SUPER★DRAGON行くぜっ!怪盗少女
03. Poppin'Party「キズナミュージック♪」
04. 妃海風「これが恋かしら」「夢はひそかに」
05. C&K「Y」
06. 東京女子流「鼓動の秘密」
07. Fischer's「未完成人」
08. 中澤卓也「さくら(独唱)
09. CHAI「N.E.O.」
10. Creepy Nuts「あゝオオサカdreamin' night」
11. Kizuna AI「AIAIAI(feat. 中田ヤスタカ)」
12. 加山雄三「お嫁においで」
13. 森口博子水の星へ愛をこめて/with寺井尚子
14. 松本明子「お祭りマンボ」
15. 大友康平「BRIDGE~あの橋をわたるとき~」
16. 杉山清貴ふたりの夏物語
17. 平松愛理部屋とYシャツと私~あれから~」
18. NOKKO「フレンズ」
19. 松崎しげる愛のメモリー

三百六十五歩のマーチ / 水前寺清子&LINE UP

ももクロカウントダウンライブ
00. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
01. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
02. stay gold
03. オレンジノート
04. 吼えろ
05. 走れ! -ZZ ver.-
06. 今宵、ライブの下で

 昭和のエンターテインメントと令和のエンターメントの融合が昨年のももいろクリスマスの主要モチーフでももクリはそれを「シャボン玉ホリデー」的なテレビの歌謡ショーの再現として具現化したのだが、今回のももいろ歌合戦もその延長線上にあると言ってもいいのかもしれない。
 ももクリではそのことはクレージーキャッツを完全に再現したような中山秀征には賛否両論があったようなのだが、今回のももいろ歌合戦では最近ではあまりないような懐かしいバラエティー企画の再現(例えばたけし軍団による熱湯風呂)とYoutuberのFischer’sによるそれをアップデートした企画を並置することで、大人も若い人もあらゆる年代の人が楽しめる内容になっていたのではないかと思う。
 ももいろ歌合戦はもちろん同時刻にNHKで放送されている紅白歌合戦を意識して制作されてはいるのだけれど、それだけではない。豪華なゲスト陣はもちろん魅力的ではあるのだけど、出演者のメンツだけなら本家に勝つのは難しい。しかし、特にももクロファンにとってこの企画を魅力的にしているのはホスト役のももクロの縦横無尽の活躍ぶりで、目標するグループの中にSMAPや嵐というアイドルグループだけではなく、ドリフターズを掲げたももクロがそれが体現する芸能の世界というものを継承するという心意気を見せるというところだ。
 それは毎年経験値を上げることで多彩さを広げている。例えば昨年の明治座での経験を生かして、今年は本広克行監督の演出により、佐々木彩夏百田夏菜子が殺陣による立ち回りをする時代劇を取り入れたり、玉井詩織に至ってはその器用さを生かして個人芸として漫才やラップまでも披露。
 この歌合戦は古き良き時代の紅白歌合戦に対する敬意とオマージュとともにももクロが結局はじき出される結果になった現在の紅白に対する若干の批判精神によって製作されているかもしれない。そのことの2つの柱がフル尺での歌唱と生歌であろう。そのことは本家の紅白がほとんど口パク(リップシンク)の演出になっていることへの批判が世間でも広がっているなかで、年を経るごとにますます注目となっている。
 そのことはベテラン歌手の選曲などで大きな意味を持ってきている。そのことをもっとも感じさせたのはさだまさし「償い」。交通事故死を引き起こした男の償いというシリアスな主題を扱い全体としての起承転結がはっきりあり、最初から最後まで歌わないと意味がない歌であり、「紅白では歌えない歌」としてあえてさだがこれを選んだのではないかと思った。最初から最後までフル尺で歌わないとだめな歌という意味では病気で亡くなってしまった妻への思いを絶唱したC&K「Y」も地上波では披露しにくい歌としてあえて選んだのではないかと思われ、さだとC&Kのパフォーマンスはどちらも心に響くものであった。
 そうした実力派の歌唱はこの歌合戦のひとつの柱ではあるけれどもうひとつは紅白が選べないようなグループを先んじて選びフレッシュなパフォーマンスを披露させることだ。今年の目玉ではメインのラインナップにKizuna AI、 CHAIが入ったものそうだが、「歌合戦まで待てない!年の瀬芸能ショー」という枠を新たに作り、カミングフレーバー(SKE48)や眉村ちあきを選んだのはよかったし、実際のパフォーマンスでもこの2組は非常によかったと思った。
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