下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

CROWN POPライブ「Crown Class Level.2」@AKIBAカルチャーズ劇場

CROWN POPライブ「Crown Class Level.2」@AKIBAカルチャーズ劇場

 CROWN POP恒例のAKIBAカルチャーズ劇場での公演を配信で観た。現地で見れば少し印象は違ったのかもしれないが、コロナ禍によりたとえ有観客であったとしてもコールが出来なくなったこと。これはライブを主戦場としているアイドルにとっては大きな転換期にあるかもしれないと映像を見ながら思った。
 CROWN POPは夏Sの「夏キラリ☆」でその存在を知り、その後、スタプラの対戦型ライブイベント「ライブスタイルダンジョン」で全敗して悔し涙が止まらないのを見て、気になっていた。その後、今年初めのシンデレラフェスでセンターの三田美吹がシンデレラの座を獲得、「ライブスタイルダンジョン」での悔しさの一部のリベンジを果たしたが、グループしてもこれを勢いにするはずの時期にコロナによって活動がほぼ出来なくなり、主力メンバーの山本花織の脱退により5人の新体制となり、やっと有観客のライブが可能になったことにより、「これから行くぞ」というのが今回のライブだったのではないか。
 CROWN POPはもともとメインボーカルが三田美吹、里菜の二人で残りのメンバーがダンサーという構成だったが、現在はメインの二人以外の歌割りも徐々に増やして、特に5人体制においては全員が歌うというスタイルへの移行を目指して、現在その途中段階ではないかと思う。
 そのひとつの象徴がアルバム『LIFE 〈 is happy 盤〉』に6曲収録したDisc2に各メンバーのフィーチャーソング(ソロ曲)の5人ver.を順番に披露しているのだが、これにはそうすることで、歌割りが少ない元ダンサーメンバーのそれぞれのメイン曲を作るという狙いがあるのではないか。この日は「HAREBARE」の5人ver.が披露され、この日初披露の映像とともに「Overture」が流された後、ライブはこの曲で始まった。
 この日はそれ以降の曲もアルバム「LIFE」収録曲のセットリストとなったが、その中での白眉はアコースティックギターの新アレンジで披露された「Boot!」。感情をぶつけるような激しい歌い方が特徴の楽曲だが、この日のバージョンはそれぞれのソロを場合によってはバラード調にも感じるほど歌い上げるような曲想で、随所にハモリも挟み込み、現時点では完全に歌いこなせているとは言い難いが、グループが向かうべきひとつの方向性を提示していたのではないか。
 アルバム曲ではないために一瞬新曲かと勘違いしてしまったのが「告白とスニーカー」。昨年発売された「サマータイムルール」のカップリング曲だが、これまで私はライブで聴いたことがなかった。けっこういい歌なのでなぜあまりライブでやらないのだろうと思ったが、よく考えてみるとCROWN POPの単独ライブを配信などで見るようになったのも最近のことで、曲数を絞るフェスではその時期のメイン曲と切り札である「夏キラリ☆」など数曲に絞られてしまうということがあるからかもしれない。いい曲なので、今後はもう少し歌う機会を増やしてほしいとも思った。
 この日の最大の見せ場は新曲「To Do」の初披露。初めて聴いたのだがメジャー感もあってなかなかいい曲だ。これからのCROWN POPにとって新たな武器が手に入ったのではないだろうか。

CROWN POP
Crown Class Level.2

セットリスト
1.(Overture)
2.HAREBARE(5人)
3.alright!
4.青天コンパス
MC
5.Boot!(アコギ)
MC
6.告白とスニーカー
7.真っ白片思い
8.Cheerful Butterfly
MC

AC
1.未来
2.キミリプホリック
MC
3. To Do(新曲・初披露)
MC

【日程】2020年11月24日(火) 開場18:30/開演19:00
【会場】AKIBAカルチャーズ劇場
【出演】CROWN POP

【チケット】
予約URL:https://map.pigoo.jp/events/view/4254
MEMBERS:11月10日0:00~11月14日15:00
一般一次:11月14日15:00~11月20日21:00
一般二次:11月20日21:00~11月22日21:00