下北沢通信

中西理の下北沢通信

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グループとしての成長感じたひさびさのワンマン CROWN POP単独ライブ「豊洲に来て」@豊洲PIT

CROWN POP単独ライブ「豊洲に来て」@豊洲PIT


CROWN POP単独ライブ「豊洲に来て」@豊洲PITを見た。CROWN POPのワンマンライブを生で見るのは昨年8月の「CROWN POP STYLE」@Zepp DiverCity 以来だろうか。その間にフェスや配信では見ているとはいえ、ワンマンの場合満を持して仕上げてきている部分もあり、グループとしての成長を感じた。
特に目を見張ったのは田中咲帆のボーカリストとしての成長だ。クラポで歌と言えば三田美吹(いぶいぶ)の独壇場のようなところがあったが、この日は田中はその三田と2人だけで「To Do」を歌い、ソロ歌唱では見事に渡り合ってみせた。
CROWN POPはもともとは三田と里菜がボーカル、残りのメンバーはダンサーというダンス&ボーカルグループだったのが、全員が歌い踊るアイドルグループへと脱皮を図ってきた。そのため、いぶりなの歌唱力が抜けていることが否めなかったが、今回のライブを見ると全員が歌えるグループへと変貌しており、特に田中はいぶりなと遜色のないレベルに歌唱力を上げてきていることが分かった。
 実は過去のライブの感想を読んでいたらクマリデパート×CROWN POP 2マンLIVE「ekoms presents「Q×C」」@新宿BLAZEの分があって、「成長が著しいなと頼もしく感じたのが藤田愛理(あいたん)」との記述があって、その時点では藤田の成長に目がいっていたわけで、田中への言及は特にない。それゆえ、この間の田中の急激な進歩が想像できるのだが、藤田が今回不出来というわけではなく、声が細いのでアタックの時の迫力は田中や三田ほどではないゆえに今回はそてほど目立ちはしなかったともいえる。ただ、今回のセットリストでは衣装着替えの必要性もあり「晴天コンパス」を「To Do」組が抜けた3人で歌っており、それが特段見劣りしたということもなかったので、それは全体の底上げがきちんとできてきているとということだと思う。
 ダンス、歌唱ともにハイスペックなAMEFURASSHIを最近は追いかけているせいもあって、スタプラグループ内のグループでも先輩グループに当たるももクロやTEAMSHACHIなどを除けばダンスか歌かどこかに物足りなさを感じることが多いのだが、クラポにそれを感じたことはなくて、特にダンスに関して言えばAMEFURASSHIのそれに研ぎ澄まされたようなタイトさを感じるのに対し、ここぞと言うときにはハイポテンシャルな能力を発揮してくるが、普段はあくまで楽しくと余裕を感じさせるパフォーマンス。そこにかえって底の見えない実力を感じるのだ。
 アイドルは実力があれば人気が出るというわけにはいかないが、クラポはポテンシャルの高さとは逆に知名度スタプラの中でも下の方だったりするから、このジャンルの不条理を感じるのである。とはいえ、椅子席とはいえ豊洲PITを埋めていたから、人気上位の超ときめき宣伝部。いぎなり東北産、ばってん少女隊に対して追撃態勢を整えつつあるのかもしれない。

【日程】
2022年7月24日(日)
開場16:00/開演17:00

【会場】
豊洲PIT

【出演】
CROWN POP