下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

ももクロの『家にいろTV』 第2夜「ももクロ春の一大事2019 in 黒部市〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜」Day2

ももクロの『家にいろTV』 第2夜「ももクロ春の一大事2019 in 黒部市〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜」Day2


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ももクロの連休中のライブ無料配信『家にいろTV』 第2夜は第1夜のももいろクリスマス(ももクリ)から内容を一転して「ももクロ春の一大事2019 in 黒部市〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜」であった。総合エンターテインメントとしての完成度を追求するももクリに対して「春の一大事」(春一)は地方自治体と協力しての大型野外ライブとなっている。昨年今年と福島県Jヴィレッジで開催するはずだったものがコロナ禍のために2年連続で延期となってしまったため、春のライブとしてはこの黒部市でのライブが一番直近のライブとなる。地元が官民一体としてももクロとモノノフ(ももクロファン)を迎え入れる一方で、モノノフは現地に宿泊、観光することなどで現地にお金を落とし、どちらもウィンウィンの形を作るというのがこのライブの運営モデルなわけなのだが、なかでも黒部市は同氏周辺の旅館やホテルなどの宿泊施設や鉄道などの観光関連産業に従事する人たちが全面的に協力してくれたこともあり、このライブの中でも稀有な成功例となったといえるかもしれない。


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この日は「行く春来る春」から始まっているけれど、この歌と「リンクリンク」「青春賦」はいずれも映画「幕が上がる」の作中曲であり、特に「青春賦」などは劇中で卒業の歌として歌われ春のイメージが強いこともあり、「春の一大事」の主題曲のような位置づけになりつつあるかもしれない。音楽監督の宗本康平のピアノ演奏に合わせての現地の子供たちの合唱は風物詩のように春一の定番となりつつあり、現地で見ていてもぐっとくるところがあったのだが、ここではそこにももクロが加わって一緒に歌う楽曲が重要になってくる。黒部ではそこにさだまさしの提供曲である「仏桑花」を組み込んだがこれが結婚の前に産み育ててくれた両親への感謝の念を歌ったものだけに子供たちとの合唱は涙なくしては見られないようなエモーショナルなものとなっていた。ももクリが音楽性そのものやエンタメ性の追求の要素が強いのに対してこうした見るものの感情に直接働きかけるような要素が強いのも春一の特徴だ。
 アンコール後の「Guns N' Diamond」「キミノアト」へというつなぎも最近はほとんどないもので、特に「Guns N' Diamond」はいつ演奏されたのが最後なんだろうというレア曲になってしまっているが、改めて聞けばいい曲でもっと演奏されてしかるべきであろう。

セットリスト

01. 行く春来る春
02. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
03. 仮想ディストピア(カット)
04. DNA狂詩曲
05. 吼えろ
06. カントリーローズ -時の旅人-
07. おどるポンポコリン(カット)
08. 笑ー笑 ~シャオイーシャオ!~
09. サラバ、愛しき悲しみたちよ(カット)
10. 仏桑花
11. ツヨクツヨク
12..リンクリンク
13. Chai Maxx(カット)
14. ももいろパンチ
15. 天国のでたらめ
16. 青春賦
<アンコール>
17. イマジネーション(カット)
18. ももクロのニッポン万歳!
19. 走れ! -ZZver.-
20. Guns N' Diamond
21. キミノアト