下北沢通信

中西理の下北沢通信

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数奇な運命 本広克行初演版出演の石渡愛が「転校生」を演出 青年団若手自主企画vol.89 山中企画「転校生」(2回目)@小竹向原・アトリエ春風舎

青年団若手自主企画vol.89 山中企画「転校生」(2回目)@小竹向原・アトリエ春風舎

平田オリザ「転校生」は実は伝説となった青山演劇フェスティバルでの初演を観劇している。さらに「幕が上がる」プロジェクト*1の一環として本広克行が演出したバージョン(2015年)も観劇、SPICEに観劇レビュー*2を執筆。本広克行演出では紀伊国屋ホールで上演され男女両バージョンを上演したものも観劇。いろんな意味で思い入れが深い作品なのである。
1回目の観劇レビューに柳生二千翔が体調不良で降板したのに伴い石渡愛が演出を担当したと書き、それは事実関係としては間違いとはいえないが、私はうっかり失念していたが本広克行の「転校生」初演にはまだ青年団に所属する前の石渡愛も出演しており、今回の企画は「転校生」を上演したかった山中志歩が出演したことがありこの作品に愛着のあった石渡愛と二人で1年半以上も前から準備していたものだった*3

作:平田オリザ 演出:石渡愛
いつもと変わらない、ある高校の教室の朝。そこへ、「朝起きたらこの学校の生徒になっていた」と言う転校生がやってくる。高校生たちの日常、生活。生きること、死ぬことへの疑問。転校生を受け入れながら、身近な出来事を通して、この世の不条理を描き出す群像劇。
1994年に上演されて以来、何度も高校生や若手キャストによって上演され続けている。平田オリザが提唱した「現代口語演劇」の代表作としても知られる。


企画者からのコメント:山中志歩
女子高生しか登場しない「転校生」を年齢も性別もバラバラな人たちでやってみたらどうなるんだろう、と興味が湧きました。今後、年齢とか性別とか人種とか見た目とか、どんどん自由になっていくと思うし、自由になっていってほしい。そんな願いを込めてみたり。
最初で最後の「転校生」。是非、劇場で体験してみてください。

青年団若手自主企画vo.89 山中企画『転校生』演出家変更のお知らせ
演出を予定しておりました柳生二千翔は、体調不良のため演出を降りることとなりました。
柳生二千翔に代わり、青年団俳優の石渡 愛が演出いたします。



出演
石渡愛*  イム・セリュン 川隅奈保子*  黒澤多生*  五島ケンノ介 西風生子*  西山真来*  根本江理* 日和下駄(円盤に乗る派) 山中志歩*  *青年団

青年団若手自主企画vo.89 山中企画『転校生』出演者変更のお知らせ
出演を予定しておりました坊薗初菜は、演出家変更に伴い、降板いたします。
坊薗に代わり、青年団俳優の根本江理が出演いたします。
スタッフ
舞台監督:黒澤多生
音響・照明:櫻内憧海
衣装:金定和沙
宣伝美術:松橋和也
制作:太田久美子、寺垣沙織
総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

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*1:synodos.jp

*2:spice.eplus.jp

*3:この日は作者である平田オリザが観劇していたが、それまでの経緯からすれば本広克行も観劇する可能性はあり、ぜひ感想を聞きたいところだ。