下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

AMEFURASSHI初の主催フェス 一癖あるグループ集まる 春の新生活応援フェス!@Spotify O-EAST

春の新生活応援フェス!@Spotify O-EAST


AMEFURASSHIによる初めてのフェス企画。スターダストプラネットの仲間であるいぎなり東北産に加えて、AVEXからFAKY、都内某所、さらにはクリエイターユニットHoneyWorksがプロデュースする「高嶺のなでしこ」など一癖ある女性ダンス&ボーカルグループが集まることになった。
 主催のAMEFURASSHIは最後に登場。「高嶺のなでしこ」らの「かわいい」雰囲気を一変させたFAKYのパフォーマンスの後を受けて、初の声出しというのにもとらわれれずに最近のダンス曲寄りの楽曲を中心とした王道のパフォーマンスを展開した。いろんな意味での実力者を集めた今回のフェスの中でもそのパフォーマンスの完成度は圧倒的と言えたのではないか。改めて現在の立ち位置を再確認した。今回のフェスはアイドルフェスの中では出色の内容と言えたと思うが、この立ち位置から今後はアイドルフェスではなく、男性のダンス&ボーカルグループとの対バンやアイドル関連以外の大型フェスにぜひとも打って出てほしいとの思いを強くした。
 このところフェスなどでの切り札的な組み合わせとしてAMEFURASSHIは「Fly Out」→「Love is love」→「Batabata Morning」と新たなミニアルバムにも収録予定の新曲を続けるという決め技を展開してきたが、この日は先日の「Spring」ツアーでも披露した「ARTIFICIAL GIRL」から「Sneaker’s Delight」へと曲間のインターバルなしに畳みかけるというロケットスタート。さらに続いてSpotify O-EASTの空間を一気にクラブフロア的な空気感に染め上げる「DROP DROP」と観客を唯一無二の世界に引き込んでいった。
 この日はAMEFURASSHIにとってはコロナ禍後、初めての声出しライブであった。冒頭から場内には声援が鳴り響き、大いに盛り上がりを見せた。この日はアメフラの前に行われたいぎなり東北産のライブが場内そろってのコールで沸いたが、アメフラについては若干の危惧も抱いていた。それというのはコロナ禍以降に作られたアメフラの曲はダンスミュージック、クラブ系の音楽が中心でこういう音楽にむりやりスタンダードミックスなどアイドル系のコールをねじ込むことは曲のイメージを毀損することになりかねないと感じていたからだ。
 結果としては曲間の休みやトーク中に大きな声での歓声や名前コールがかけられたものの、曲中はコールはあっても合いの手的なバックコーラスに唱和したりすることが中心で、私の位置からは曲の雰囲気を壊すようなコールはなく、それでいてメンバーによるコール&レスポンスには場内を圧するような音圧で声出しがなされており、出だしとしては上々だったのではないか。
声出しありのルールで行われたこの日のライブのもうひとつの注目はスタプラのグループの中でもコールの激しさに定評があるいぎなり東北産のライブ。東北産は少し前に同じ会場で行われたIDERISEフェス*1でもすでに声出しを体験しておりファンにとっては初めてのコール体験というわけではなかったが、この日は「青春修学旅行」での枕投げがコロナ禍以来初の解禁となり、ファンにとっても大きな盛り上がりを見せてくれた。
 個人的にはアメフラファンもここで「うりゃおい」的なコールに一緒に参加してコール欲を十分に満たしたことも、AMEFURASSHIのライブで変なコールが入らなかったもうひとつの伏線になっていたのではないかと思っている。私自身も久しぶりの声出しでかなり全力でコールしてしまったのだが、それでかなり満足してしまったので、アメフラの曲でことさら「うりゃおい」的なコールをしようという気分にはならなかったのだ。今後、単独ライブでどうなるかは選曲も含めて動向を見守りたいところだが、現在の見通しではそのあたりは「コール曲」「非コール曲」をはっきりと分けて展開することで軟着陸ができるのではないかという気になってきた。
 興味深かったのは高嶺のなでしこというグループ。代表曲ともいえる「可愛くてごめん」をはじめアイドル曲として耳なじみのある楽曲を複数レパートリーに持っているのだが、実はこれはクリエイターユニットHoneyWorksの楽曲のカバー曲なのだ。ただ、このグループ自体をHoneyWorksがプロデュースしており、楽曲は公式に提供されているいわば「公式カバー」ということでもあり、その辺の仕切りがどうなっているのかはよく分からない。

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Spotify O-EAST

M1 ARTIFICIAL GIRL
M2 Sneaker’s Delight
M3 DROP DROP
MC 自己紹介
M4 Love is love
M5 Batabata Morning
M6 Lucky Number
M7 Fly Out
M8 メタモルフォーズ(飛可)
M9 MICHI

【日時】2023年3月26日(日)16:15開場/17:00開演
【会場】Spotify O-EAST(東京都渋谷区道玄坂2丁目14−8)
【出演者(50音順)】
AMEFURASSHI/いぎなり東北産/FAKY/高嶺のなでしこ/都内某所/and more

いぎなり東北産

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高嶺のなでしこ

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都内某所

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*1:AMEFURASSHIは鈴木萌花の発熱で欠場。