下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

吉祥寺からっぽの劇場祭 コンサート【Play from someone(nice sound!)】額田大志 企画@吉祥寺シアター

吉祥寺からっぽの劇場祭 コンサート【Play from some one(nice sound!)】額田大志企画@吉祥寺シアター

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[吉祥寺からっぽの劇場祭] 額田大志『Play from someone(nice sound!)』
額田大志によるコンサート【Play from someone(nice sound!)】は映像配信やテクストがプログラムの中心となっている「吉祥寺からっぽの劇場祭」のなかでは数少ない劇場で実際に舞台が見られるプログラムである。とはいえ、コロナ禍における劇場のあり方について半ばコンセプチャルに思考したプログラムが並んだ同劇場祭だけに通常を越えた安全基準によって遂行されたコンサートであった。実際の模様はYoutube映像により確認することも可能であるので、上記のリンクの映像をぜひ参照してみてほしい。
 コンサートと銘打たれてはいるが、額田大志による作品はいわゆる音楽作品ではなく、舞台上に登場するパフォーマーがそこでおこなう行為によって発生される音を「音楽」と位置付けるものだ。舞台上での行為自体は額田大志によって演出されているため、これを演奏行為ととらえ、行為の演出を楽譜に準ずるような指定と考えれば現代音楽と考えることもできるだろうし、逆に行為自体を中心に見ればパフォーマンス(あるいは演劇)としてとらえることもできるだろう。

曲目
1. Nice ballet (distance)
誰もが演奏できる音楽。
演奏:綾門優季、大川智史、鈴木啓佑、野田夢乃、原田つむぎ、山下恵実
吉田恭大、渡邊織音、額田大志
作曲:額田大志

2. 服飾の音楽
ミシンの使用経験者が演奏できる音楽。
演奏:原田つむぎ  作曲:原田つむぎ、額田大志

3. テニスプレイヤーによる独奏
テニス経験者が演奏できる音楽。
演奏:鈴木啓佑  作曲;鈴木啓佑、額田大志

4. 通勤のためのアンサンブル
同じ勤務先の2人が集まったとき、演奏できる音楽。
演奏:大川智史、吉田恭大  作曲:大川智史、吉田恭大、額田大志

5. Book of Days
本好きが演奏できる音楽。
演奏:綾門優季  作曲:綾門優季、額田大志

6. 目指すべき場所
ダンサーが演奏できる音楽。
演奏:山下恵実  作曲:山下恵実、額田大志

7. Fire Flower Makers
2人の建築家が演奏できる音楽。
演奏:野田夢乃、渡邊織音  作曲:野田夢乃、渡邊織音、額田大志

8. Watermelon Party
この夏を楽しみたい、全ての人が演奏できる音楽。
演奏:綾門優季、大川智史、鈴木啓佑、野田夢乃、原田つむぎ、山下恵実
吉田恭大、渡邊織音  
作曲:額田大志

 舞台上で遂行される行為が自由に選ばれているわけではなく、出演者それぞれと紐づけられているのがいかにも額田大志らしい。額田は通常の演劇作品においても出演者それぞれの持ち味に合わせて、それを生かす演出を行いブリコラージュ的に舞台を創作することが多いが、ここでも同様の趣向は生かされていると思う。

[開催日時]
2020年8月8日(土)20:00~

[構成・演出]
額田大志(音楽家/演出家)

[演奏]
綾門優季
大川智史
鈴木啓佑
野田夢乃
原田つむぎ
山下恵実
吉田恭大
渡邊織音

[音響]
山川権
[撮影]
和久井幸一

[協力]
東京デスロック
青年団リンク キュイ
ヌトミック
コンプソンズ
グループ・野原
ひとごと。
企画内容
「吉祥寺からっぽの劇場祭」に参加している人々が、それぞれのバックグラウンドを活かして演奏するコンサート。
8人の演奏者が、ステージ上で1.5m程度の長さの棒を振りながら一定の距離を保ち続ける『Ensemble for distance』を始めとした全8曲を演奏。全曲が世界初演となる。

なお作曲は基本的に各演奏者と額田の共作となり、リハーサルで相談をしながら構成された。
作曲、及び演奏のプロセスには演奏者の「バックグラウンド」が用いられている。
バックグラウンドとは、例えば職業が大工であれば「釘打ちが上手い」、趣味がサイクリングであれば「自転車を漕ぐのに慣れている」など、それぞれの個人が持つ技術や経験のことである。
本作は、演奏家ではない人々が持つバックグラウンドを「音」に変換し、音楽として構成している。すなわち、それぞれの楽曲は「出演者と同じバックグラウンドを持つ人々」であれば、誰しもが奏でられる音楽でもある。
演奏をごく日常的な行為と捉え、創作から発表までを行うのが、本作『Play from someone(nice sound!)』である。

note.com

カラス・アパラタス7周年記念 アップデイトダンスNo.73「タルホ 稲垣足穂の破片」(勅使川原三郎振付)

カラス・アパラタス7周年記念 アップデイトダンスNo.73「タルホ 稲垣足穂の破片」(勅使川原三郎振付)

コロナ対策というよりは作品の一部ということなんだろうが、舞台の客席側に天井から床まで届く、半透明の紗幕が引かれていて、映像や照明がここに当たることで舞台の様相が千変万化した。勅使川原三郎はダンスの振付や演出も素晴らしいが、照明を駆使しての空間の構成力に定評があり、今回の「タルホ 稲垣足穂の破片」はそうした特色がよく生かされた作品となっていたといえるだろう。
最近の勅使川原三郎作品は「ロスト イン ダンス」など音楽を創作の手がかりとした作品と「白痴」「オフィーリア」など文学を創作の源泉とした作品の2つの柱があり、それからいうと「タルホ 稲垣足穂の破片」は小説家、稲垣足穂の作品を元にした作品であるから、後者の系譜に位置付けられるともいえるが、副題に「稲垣足穂の破片」とあるようにここにあるのはイメージの断片の羅列であって、特定の人物像や物語などをここから汲み取ることは困難だ。

演出・照明 勅使川原三郎
出演 佐東利穂子 勅使川原三郎 

もう一度数字から素人でも簡単に分かること。東京都内の新型コロナウイルス感染者数推移

もう一度数字から素人でも簡単に分かること。東京都内の新型コロナウイルス感染者数推移

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8月7日の東京都の感染者数は462人。先週の金曜日より、一人減ってはいるが、減ったと喜ぶ数字ではなく、依然高止まりで推移していると考えたほうがいいだろう。ネットでは「感染者数は関係ない。問題は陽性率だ」との声が相変わらず絶えないが、陽性率も東京都が毎日数字を公表している*1が、最近の数字は多少の増減はあっても慣らしてみればじりじりと上昇し続けており、7%超まで迫りつつある。
simokitazawa.hatenablog.com

www.tokyo-np.co.jp

モノノフにも有名な「高橋名人」が企画。無観客ライブフェスを有料配信 GIG TAKAHASHI tour 2020 ツアーファイナル配信ライブ

GIG TAKAHASHI tour 2020 ツアーファイナル配信ライブ

 ももクロは大規模野外ライブでは最近はかならず周回ステ*1*2でのアイドルライブを開催し、スターダストプラネットの後輩グループや地方に拠点を置くグループなどを招いていた。今年は西武ドームのライブが中止となり、配信での開催となったこともあり、それに付随する周回ライブもなくなってしまったが、このGIG TAKAHASHI tour 2020 ツアーファイナル配信ライブには周回ライブに参加していたアイドルグループも多数参加している。もちろん、今回の配信は今年予定されていたアイドルイベント「GIG TAKAHASHI tour 2020 ツアー」の中止に伴う代替え開催なのではあるが、私にとってはももクロ周回ライブの代替えとも感じられるラインナップともなった。
 参加アイドルはオープニングアクトのAwww!を含め、13組。ももクロの所属するスタプラからはAwww!、 B.O.L.T 、CROWN POP、アメフラっシの4組が参加した。
 注目していたのは先日無観客ライブ配信を済ませたばかりのアメフラっシ。類似の企画のももクロ外周ライブにも以前から参加しているが、わずかの間にパフォーマンスの完成度が歌、ダンスともに格段に向上しているのに驚かされた。なかでも目を引いたのはエースとして獅子奮迅の働きをみせた愛来の存在感である。以前から華があるタイプではあったが、これはブレイクするんじゃないかと思わせるものがあった。
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<MC>
モリモリ (モリナオフミ/森詩織)
オープニングアクト
Awww!
<出演>
AKAGIDAN / アップアップガールズ(仮) / アメフラっシ
あゆみくりかまき / 大阪☆春夏秋冬 / 九州女子翼
CROWN POP / Task have Fun / はっちゃけ隊 / PINK CRES.
predia / B.O.L.T / まなみのりさ

file:///C:/Users/user/Pictures/9dc2e6724c156eef96113f9222e56189.pdf
https://live.eplus.jp/2031483

CROWN POP
0.ARE YOU POPPER?(Opening SE)
1.サマータイムルール

【MV】CROWN POP「サマータイムルール」
2.夏キラリ☆

夏S CROWN POP「夏キラリ☆」

MC(自己紹介)
3. LIFE

【LIVE映像】LIFE/CROWN POP【AKIBAカルチャーズ劇場】

アメフラっシ
M1. Rain Makers!!

アメフラっシ / Rain Makers!! 2019.12.15@神田明神ホール

【LIVE】Rain Makers!! / アメフラっシ

M2. メタモルフォーズ

M3.Over the rainbow

アメフラっシ・テレワークライブVol.1 / Over the rainbow

M4. グローアップ・マイ・ハート

まなみのりさ セトリ

introduction 1
ウソ
LUCK SONG

かかとを鳴らして

まなみのりさ かかとを鳴らして 2019/12/13

ココロト
アイコトバ

「アイコトバ」まなみのりさ

あゆみくりかまき
M1. ビリーでGO!
https://youtu.be/8JnzJuHB3e4
.
M2. アイノウタ
.
M3. 夢の続き
.
M4. KILLLA TUNE
https://youtu.be/gW3XGkmP3LU
.
M5. ジェットクマスター
https://youtu.be/_T1c72XO1rA
.
M6. Grateful

[吉祥寺からっぽの劇場祭] 吉祥寺シアターオンラインシンポジウム@Youtube

[吉祥寺からっぽの劇場祭] 吉祥寺シアターオンラインシンポジウム@Youtube

シンポジウム①「歴史的苦境における劇場」

[登壇者]
徳永高志 氏(NPO法人クオリティアンドコミュニケーションオブアーツ代表)
渡辺瑞帆(青年団
渡邊織音(グループ・野原)
福井裕孝
綾門優季青年団リンク キュイ)

長きにわたる劇場の歴史において、我々はどんな苦境を乗り越えてきたのか。主に江戸時代以後の日本における事例を徳永氏からご紹介いただき、歴史的観点から現在の状況を考えていきます。
本劇場祭の空間設計を担当した渡辺瑞帆、渡邊織音の両名も登壇し、今回の劇場の空間づくりについて紹介するほか、全く違う観点から劇場の機能を問い直す作品に取り組んでいる福井裕孝も登壇し、劇場の空間や機能を多角的に見つめ直します。

[吉祥寺からっぽの劇場祭] シンポジウム①「歴史的苦境における劇場」
劇場の空間の魅力を考える「フェスティバル」
シンポジウム②「私たちが暮らしている場所の脆さ」

「私たちが暮らしている場所の脆さ」7月31日(金)19:00~

[登壇者]
長島確 氏(ドラマトゥルク/現フェスティバル/トーキョー・ディレクター)
JK アニコチェ 氏(パフォーマンス・メイカー/シパット・ラウィン・アンサンブル アーティスティック・ディレクター) 
キム・ヒジン 氏(劇作家・演出家) 
山下恵実(青年団演出部/ひとごと。)
綾門優季青年団リンク キュイ/「吉祥寺からっぽの劇場祭」チーフ・キュレーター)
通訳:原啓太(俳優)

私たちが現在直面している状況に、東アジアのアーティストたちはどのように向きあっているのでしょうか。それぞれの事例を共有しながら国ごと、都市ごとの現実と向き合い、都市における舞台芸術はどのようにあり得るのかを考えます。
そして、すでにオンライン・フェスティバルの開催を終えたJK アニコチェ氏、会期真っ只中の綾門、そして、秋に毎年恒例のF/Tを控える長島確 氏の三者が揃い、今後しばらくの都市における演劇祭・芸術祭の可能性についても議論します。

[吉祥寺からっぽの劇場祭] シンポジウム②「私たちが暮らしている場所の脆さ」

TEAM SHACHI(シャチ)/ Spectacle Streaming Show "ZERO"@YOUTUBE(2回目、アーカイブ最終日)

TEAM SHACHI(シャチ)/ Spectacle Streaming Show "ZERO"@YOUTUBEアーカイブ最終日)

 バンド、ブラス隊と最強の布陣で臨んだ無観客ライブ。ももクロは「キング・オブ・ライブ」と自ら名乗り、ライブを主戦場としてきたが、ことライブという枠組みでの戦闘力ではひけを取らない実力を持っていることを改めて見せつけた感がある配信であった。ももクロやたこ虹など他のスタプラグループの多くが有料配信を行う一方で、TEAM SHACHIはあらかじめクラウドファンディング*1で1000万円を超える資金をファンに募ったうえで、誰もが見られる無料配信とした。しかも、Youtubeだけではなく、スペシャTYなど複数のチャンネルで同時配信をしたことで、これまでTEAM SHACHIを知らなかった一般の人や離れていたチームしゃちほこ時代の元ファンらに大きなアピールが出来たのではないかと思う。
 地方のアイドルとして名古屋応援アイドル的な色彩を強く打ち出してきたチームしゃちほこ時代は「首都移転計画」「恋人はスナイパー」のように名古屋イメージを前面に打ち出したコミカル味のある楽曲が多かったが、TEAM SHACHIに変わった後はブラスによる生演奏をフューチャーしたバンド感の強い音楽に主軸を変更。とはいえそれは「なんとなくそうだ」という感が強かった。この日発表された 「SURVIVOR SURVIVOR」とそれに付随するオープニング映像はしゃちほこから、今度は「最強の海洋生物」シャチ(ORCA)のイメージを強調する。「冥界からの魔物」「自分よりも遥かに大きな相手さえ喰らい尽くす」「個を好まず群れを尊重する」「強い連帯感のもとに皆が集いメスが率いる」「海洋哺乳類最速」「持久力を備え全速前進で目標に到達する」「天敵は存在しない」「海を掌握する者たち」とシャチの特徴が次々と列挙したうえで「THIS IS TEAM SHACHI」と力強く宣言する。「SURVIVOR SURVIVOR」はその宣言を体現したような楽曲。そこから、怒涛の進撃が始まった。

TEAM SHACHI TOUR 2020 ~異空間~:Spectacle Streaming Show ”ZERO” [2020.07.28]

01. SURVIVOR SURVIVOR

02. DREAMER

03. Hello, TEAM SHACHI

04. ROSE FIGHTERS

05. わたしフィーバー

06. You!

07. よろしく人類

08. カラカラ

09. シャンプーハット

10. かなた

11. Rocket Queen feat. MCU

12. Rock Away with ヒダカトオル

13. なくしもの with ヒダカトオル

14. BURNING FESTIVAL

15. こだま

16. ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL

17. We are...

18. Cherie!

19. グラブジャムン

20. 眠れないナイNIGHT!

21. AWAKE

22. START

23. 抱きしめてアンセム

24. MAMA

EN. Today

www.youtube.com

有安杏果「Pop Step Zepp Tour 2019」 ブルーレイ&DVD発売

有安杏果「Pop Step Zepp Tour 2019」 ブルーレイ&DVD発売

 今年のサクライブツアーがコロナ禍で中止になり、活動停滞を余儀なくされていた有安杏果が昨年秋のライブツアー「Pop Step Zepp Tour 2019」のブルーレイ&DVDを販売することになった。このライブツアーで発表されていた新曲「Runaway」*1が先月配信・サブスクで販売されると同時にYoutubeでもライブ版MVが配信されたばかりで、アルバムなど今後の展開が待たれていたが、私が予想していたよりも早く「Pop Step Zepp Tour 2019」のライブ映像が収録されたブルーレイ&DVDが発売となり少し驚かされたが、参加したライブでもあるので、どんなものに仕上がったかが非常に楽しみである。
 と思っていたらデジタルシングル「ナツオモイ」8月12日(水) リリースも発表された。


有安杏果 (Ariyasu Momoka) Pop Step Zepp Tour 2019 東京公演 ダイジェスト第1弾
simokitazawa.hatenablog.com
 
https://www.ariyasumomoka.jp/extra/psztour2019dvd/

サクライブツアーは中止になったが、杏果はライブを諦めてはいないよね。

有安杏果 サクライブ 2020 渋谷公会堂公演 開催!

2020年11月12日(木) 開場17:30 / 開演18:30
東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂

チケット:全席指定 / 8,000円(税別)

★Band Member
Gtr:福原将宜、Key:宮崎裕介、Dr:波田野哲也、Bass:川崎哲平

ももクロ夏のバカ騒ぎ2020 配信先からこんにちは ペイパービュー@AbemaTV

ももクロ夏のバカ騒ぎ2020 配信先からこんにちは ペイパービュー@AbemaTV


 メットライフドーム西武ドーム)で開催するはずであったライブをコロナ禍で中止にしたももいろクローバーZが急遽代替え開催を決めた無観客ライブ配信である。開催場所はメットライフドームではないこと、配信ならではの演出をふんだんに取り入れたライブとすることなどが、あらかじめ明らかにされていたが、それが明かされていたうえで予想の上を行く演出が数多く盛り込まれたももクロ流エンターティメントの極致といってもいい内容であった。
 ももクロの夏ライブは「サマーダイブ2011 極楽門からこんにち」から始まって今年で10回目だが、これまで「ももクロ夏のバカ騒ぎ SUMMER DIVE 2012 西武ドーム大会」からスタートした「夏のバカ騒ぎ」が横浜国際総合競技場日産スタジアム)で開催した「ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE」と続いた後は「日本一の夏祭りをつくる」という名目の「桃神祭」が横国静岡県エコパスタジアム、再び横国での「桃神祭 鬼ヶ島」と3年間続いた。
 2017年にはオリンピックを意識した演出で「ももクロ夏のバカ騒ぎ2017 -FIVE THE COLOR Road to 2020- 味の素スタジアム大会」。
abema.tv

ももいろクローバーZももクロ夏のバカ騒ぎ2020 配信先からこんにちは」
2020年8月2日 セットリスト
SE. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
01. stay gold
02. 背番号
03. 仮想ディストピア
04. GODSPEED
05. 『Z』の誓い -ZZver.-
06. リバイバル
07. 武陵桃源なかよし物語
08. ロードショー
09. 希望の向こうへ
10. ココ☆ナツ
11. ワニとシャンプー
12. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
13. ツヨクツヨク
14. Re:Story
15. 上球物語 -Carpe diem-
16. MORE WE DO!
17. ももいろ太鼓どどんが節 feat. ヒダノ修一
18. 走れ! -ZZ ver.-
19. キミノアト
20. レディ・メイ
<アンコール>
21. Nightmare Before Catharsis
22. Hanabi
23. コノウタ

いぎなり東北産無観客ライブ配信

いぎなり東北産無観客ライブ配信

www.youtube.com
いぎなり東北産無観客ライブ配信14時半スタート
【いぎなり東北産YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCuCBILJrBdU9bFEykEW0STA

チェルフィッチュの〈映像演劇〉「風景、世界、アクシデント、すべてこの部屋の外側の出来事」オンライン配信トーク

チェルフィッチュの〈映像演劇〉「風景、世界、アクシデント、すべてこの部屋の外側の出来事」オンライン配信トーク


チェルフィッチュの〈映像演劇〉「風景、世界、アクシデント、すべてこの部屋の外側の出来事」オンライン配信トーク(7月23日・27日の2回配信)
 作品自体を見てないでトークを聞いたのだが、作品を見られなかったことが、もどかしく思われるほど興味深いトークだった。チェルフィッチュの〈映像演劇〉はさいたまトリエンナーレ*1で見たことがあり、その時には〈映像演劇〉が現代美術ジャンルでよくある映像インスタレーションじゃないかという風に感じてしまい、それほど目新しいものとは思えなかったのであった。
ところがこのトーク岡田利規が〈映像演劇〉で相棒役となっている映像作家、山田晋平の写真家ヴォルフガング・ティルマンスの展覧会*2の展示方法について書いた文章からの触発が〈映像演劇〉という発想につながったという説明を聞いて、作品を見てもやもやしていた部分が氷解して、結局は見られていないその後のふたつの展示についてもぜひいつか他の場所での展覧会などで、再現バージョンを見てみたいと思った。
 ウォルフガング・ティルマンスはドイツ人の写真作家でいまさら私が紹介する間でもないような世界的に高名な作家なのだが、写真そのもの以上にその展示方法に特色があって、美術館の壁のいろんな場所に一見無造作に貼られた写真インスタレーションなどで知られる。日本国内の美術館でも大規模な個展が開催されているが、それがどういうものかは口では説明しにくい部分もあるから、国立国際美術館での展覧会の際に収録されたインタビュー*3を参照してほしい。
 山田晋平のブログの文章は未参照なのだが、インタビューを見ると展示の一部に「スチールの映画」と称した映像インスタレーションがあり、これはスチール(写真)と映画(ムービー)を合成した造語だと思われるが、〈映像演劇〉、つまり「映像+演劇」という新たな概念はここから生まれたのではないかと睨んでいる。
 岡田利規の作品群において〈映像演劇〉が孤立したものというわけではなくて、チェルフィッチュのこれまでの作品となだらかに地続きにあるのではないかと感じたのは直近に配信演劇である岡田利規×内橋和久 KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「『未練の幽霊と怪物』*4を見たということも大きく関係している。この作品は〈映像演劇〉ではないが、作品はすべてプロジェクターでオブジェに映し出される映像で構成され、それを再びリアルタイムでネット配信している。こちらは〈映像演劇〉のようにもともと映像としての上映が前提とされたテキストによるものではなく、本来は俳優により演劇として上演される予定であったテキストがリアルタイムでの演技、演奏を映像インスタレーションとして再構成したものだ。いわば制作のベクトルは真逆になってはいるが、よくよく考えると再構成される素材の前提となるものは映像、オブジェなどほぼ同じであって、映像として作られたものの演技があらかじめ収録されたものか、その場で行われたものかは実はそれほど本質的な違いなのだろうかと考えさせられてしまった。
 むしろ、テキストの構造についてトークで岡田自身が語っているようにチェルフィッチュの作品には「現在地」などが典型だが、ある時期以降、劇中劇の構造が多用されるようになっていて、劇中劇も劇中映像も作品の構造的なレベルでは本質的な違いはなく、ほぼ同じだと考えていた。そういうところから、必然的に〈映像演劇〉は生まれてきたということのようだ。