下北沢通信

中西理の下北沢通信

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 イアン・ランキン「甦る男」を読了。エジンバラを舞台にしたリーバス警部シリーズの最新作。昨年、エジンバラに行った際に原書を購入して、半分ぐらい読んでいたのだが、途中で本が紛失。そのままになっていたのを翻訳が出たので読んでみた。

 このシリーズは日本での知名度こそそれほど高いとはいえないがテレビシリーズで放映されていることもあって、英国ではベストセラーリストに載るような人気シリーズである。謎解きの興味もないではないが、だれかが新宿鮫の英国版と書いていたのが割と的をえている。独断専行型のリーバス警部の破天荒な捜査活動が描かれいるが、英国だから主人公は警察官になってはいるけれど、基本的にはハードボイルド的な色彩が強い作風である。

 もっとも、近作ではリーバス警部以外にその弟子にあたる女性刑事、シボーン・クラークの捜査活動も並行して描かれ、それも大きな魅力となっている。しかも、この刑事も師匠を見習ったかのように単独の独断専行の捜査をやりまくりなのだ(笑い)。