下北沢通信

中西理の下北沢通信

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中原浩大個展vol.2「swallows」

中原浩大個展vol.2「swallows」(ノマルエディション・キューブ/ロフト)を見る。

vol.2では、この数年中原が取り組んでいる「ツバメ」の新作シリーズを展示します。
2005年にせんだいメディアテークで発表された「ツバメ」シリーズ。
70日以上にわたる撮影期間の中から選び出される写真作品には、
ある時は空を覆うように群がり、またある時は落ちるように飛び交うツバメの姿がおさめられています。
観察と同時に記録された資料類とあわせて展示されることで、ツバメたちの姿が生々しく立ち現われます。

 中原浩大の個展は2001年の豊田市美術館以来ということで本当にひさびさの個展ということになる。中原浩大の名前や作品は美術手帳のバックナンバーで耳にしたことはあったし、国立国際美術館の企画展示で同館に所蔵されているロゴを素材にしたオブジェ作品を見たことはあった。しかし、少なくとも私が現代美術に興味を持ち始めたここ最近以降は新作を発表していなかったみたいだし、村上隆よりも以前にフィギュアをモチーフにした作品をすでに創作したり、 ヤノベケンジに強い影響を与えたというような派手な活躍ぶりを伝聞で聞くと、それが沈黙を守ったままいったい今どうしているんだろうという疑問がどうしてもあって、もはや私にとっては「伝説の現代美術家」のイメージさえあった。
 その中原のひさびさの個展であるということで期待して見に出かけたのだが、そういう期待は見事なまでにはぐらかされてしまった。「ツバメ」シリーズとういうけれど、河原を飛び回っているのを定点観測して撮影した写真を引き伸ばしたものがただ並べられていた。