下北沢通信

中西理の下北沢通信

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横浜聡子監督「ウルトラミラクルラブストーリー」@梅田シネリーブル

横浜聡子監督「ウルトラミラクルラブストーリー」@梅田シネリーブルを観劇。

監督:横浜聡子
出演:松山ケンイチ麻生久美子,ノゾエ征爾 ARATA,齋藤咲良,竹谷円花 米田佑太,中沢青六,キタキマユ 野嵜好美,乗田夏子,宇野祥平 藤田弓子原田芳雄渡辺美佐子
脚本:横浜聡子
撮影:近藤龍人
音楽:大友良英

 世間的には新鋭、横浜聡子監督の注目のメジャーデビュー作に松山ケンイチが主演、という風になるのだろうが、私にとっては弘前劇場、渡辺源四郎商店を通じて以前から親しみを感じている青森を舞台にその地方出身の監督が同郷の俳優を主演にすえ撮影した映画ということになるだろうか。
 実は以前NHKで放映された弘前劇場のドキュメンタリーにこの横浜聡子監督が登場していて、弘前劇場のけいこ風景を食い入るような鋭い目つきで凝視しているという場面があって、その時にはこの人がどういう映画監督でどういう映画を撮っていたのかも知らなかったのだけれど、そのただならぬ眼差しの強さが異様で印象的だったのを覚えていた。青森の地域語(方言)を作品に重要な役割で取り上げるという意味では共通点はあるのだけれど、その扱い方が全然異なるのが面白かった。長谷川孝治の場合、地域語そのものというよりはそれを話すときの俳優の日常的な佇まいに焦点があるのに対して、ここではやはり地域語というよりは「青森」という固有性がやはり重要となってくるかもしれない。