下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

ガールズ・グループの祭典 RAGAZZE!~少女たちよ!~@NHK総合 

ガールズ・グループの祭典 RAGAZZE!~少女たちよ!~@NHK総合


20/04/11 ガールズグループ総勢68名参加 グループの垣根を超えたトークコーナー & BACKSTAGEをちょこっと見せ
 ももいろクローバーZモーニング娘。'20、AKB48を含むガールズグループ7団体が参集し、2月28日にNHKホールで開催された無観客アイドルライブを収録した放送の地上波再放送を見た。3月にまず1時間版の短縮版が地上波で放送され、4月に2時間の完全版をNHKBSで放送。今回は地上波でBS版を再放送した。コロナ禍でアイドル業界は観客を入れてのライブが開催できず、無観客でのライブ配信は一部でははじまったものの握手会などの接触はできない状況で、将来が見えない苦境にある。モーニング娘。の所属するハロープロジェクトなども「密」になるフォーメーションダンスなどの集団パフォーマンスは披露できず複数のグループのメンバーを集めて、それぞれがソロで歌を披露するような形式のライブを行っているようだ。
 ももクロも8月1日、2日にコロナ後初めての大規模ライブを西武ドームで予定し準備を進めていたが、昨今の東京を中心にした首都圏での感染者急増を踏まえて、ライブを中止し、無観客ライブで代替えすることを余儀なくされている。
 その意味ではコロナのせいで、無観客には追い込まれたが、各グループが自分たちのやりたいパフォーマンスができているこの番組は舞台裏でのグループの垣根を越えた自由な交流も垣間見られるという意味でも、ほとんどの活動がネットを通してを余儀なくされたアイドルファンにとってもいつ取り戻せるか分からない遥かなる桃源郷のように映ったのではないか。前回放送された4月時点ではこれほど長引いて、現時点でも観客を入れてのライブができず、今後の見通しも不明だという予想も完全には出来なかったから、今回の再放送で見え方もかなり違ってきたかもしれない。
 それにしても今回この番組を見直して改めて気が付いたのはアイドルをやっている子は他事務所も含めて推しがいたりするような本当のアイドル好きが多いのだなということだ。考えてみれば自らアイドルを目指してなろうとするような子たちにアイドル好きな子が多いのは当たり前のことだが、そういう意味で同じアイドルをやっていても大人の事情で互いの交流がほとんど行われていないような状況はどうなんだろうと思うし、ライバルとしての競争心はあってもいいけれどファン同士が争って互いに相手のことを「下手だ」「ブスだ」などとディスり合うことが往々にしてあるようなアイドルファンの現状も考え直した方がいいと思う。
 今回選ばれたグループの選び方については選ばれなかったグループのファンからは当然のように不満も出ているが企画趣旨としてやはり十年前にNHKホールに集結した3グループが再びそこに集まるというのがあったのだろう。それで、おそらく、それを前提にハロプロスタプラに若手グループを推してもらい、それに48グループではないけれど、指原莉乃プロデュースでその系譜に入ると思われる=LOVEが選ばれたということではないか。その意味ではすでに内定はしていたとは思うが、この時点ではメジャーデビュー前であったフィロソフィーのダンスが選ばれたのは大抜擢といってもいい。
 坂道シリーズは既存の音楽番組との差別化をはかるためにあえてはずしたと思うが、普通に人気だけを考えるなら、BiSHとかが選ばれていても全然おかしくないからだ。もともと歌唱力などの実力があり、それで選ばれたわけだが、フィロソフィーのダンスは貴重なチャンスを生かし見事に爪痕を残したと思う。
 =LOVEもそれは同じで、指原莉乃プロデュースということもあって、知らない人はAKBグループの亜流と思い込んでいた人も多いと思うが、生歌歌うんだということをはっきりと印象づけられたのはよかったのではないか。そして、そうさせていることはある意味モーニング娘。の熱狂的なファンでもある指原が自分が経験したAKBのよいところは生かしながらある意味飽き足らなさも感じていたんだろうなというのを想像させる意味で興味深い。
 ももクロモー娘。については前回の放映の時にかなり長い感想を書いたので、今回は書かないが、たこやきレインボーも短い時間の中でもしっかりとアピールに成功したのではないか。「どっとjpジャパーン!」 が入っていたのは今回の完全版には参加してなかったが地上波にDJKOOが出演していたのに合わせたのかなと思ったけれども、もちかしたらあれはハロプロファンシフトの選曲だったのかもと今回の番組を見て考え直している*1は特筆すべきものがあると思う。
AKB48の最初の曲は「少女たちよ」 で、この曲はあまり知らなかったのだが、「ガールズ・グループの祭典 RAGAZZE!~少女たちよ!」という番組の表題はここから取られている。興味深いのはAKB48のあゆみを詰め込んだ11曲スペシャルメドレー(会いたかった、大声ダイヤモンド言い訳Maybe、RIVER、ポニーテールとシュシュヘビーローテーションフライングゲット恋するフォーチュンクッキー、前しか向かねえ、365日の紙飛行機、ジワるDAYS) と過去のヒット曲のメドレーを入れてきたことで、モーニング娘。ももクロが「恋愛レボリューション21」や「行くぜっ!怪盗少女」など誰でも知っている過去のヒット曲をあえて外してきたのと対照的なセットリストであった。
 握手会だけの人気だと批判する人がいても、このグループがいかにヒット曲を連発して、誰でも聞いたことがある曲をたくさん持っている1時代を代表するグループであったかが、はっきり分かるけれども、逆に言えば私でも知っているメンバーが数人に減ってしまっているように同じミリオンセールスであっても人口に膾炙するような曲は 2015年の「365日の紙飛行機」が最後で、往時の勢いを失っている現状が浮き彫りになってしまったかもしれない。大人数による「密」を避けがたい、握手会など接触イベントを開くのが困難などポストコロナの壁に一番ぶち当たっているのがAKBで、そういう中でどういう新たなビジネスモデルの模索が可能なのかが注目される*2

BSプレミアム
4月11日(土)後10・30~深0・30
日時
2020年2月28日(金)
開場:午後5時
開演:午後6時30分
終演予定:午後10時

会場
NHKホール(東京都渋谷区神南2-2-1)
放送 午後10時〜
出演
=LOVE、AKB48、たこやきレインボー、BEYOOOOONDS、フィロソフィーのダンスモーニング娘。'20、ももいろクローバーZ (五十音順)
セットリスト(グループ別)

ももいろクローバーZ
「ロードショー」
Chai Maxx
「天国のでたらめ」
「走れ!-ZZ ver.-」

=LOVE
「ズルいよ ズルいね」
「手遅れcaution」
=LOVE

AKB48
「少女たちよ」
「彼女になれますか?」
「失恋、ありがとう」
AKB48のあゆみを詰め込んだ11曲スペシャルメドレー(会いたかった、大声ダイヤモンド言い訳Maybe、RIVER、ポニーテールとシュシュヘビーローテーションフライングゲット恋するフォーチュンクッキー、前しか向かねえ、365日の紙飛行機、ジワるDAYS)

たこやきレインボー
絶唱!なにわで生まれた少女たち」
「どっとjpジャパーン!」
「もっともっともっと話そうよ-Digital Native Generation-」

BEYOOOOONDS:
「眼鏡の男の子」
「ニッポンノD・N・A!」

フィロソフィーのダンス
「ダンス・ファウンダー」
「シスター」

モーニング娘。’20:
わがまま 気のまま 愛のジョーク
「泡沫サタデーナイト!」
「ジェラシージェラシー」
One・Two・Three(updated) 」
「愛の軍団」
「LOVEペディア」

simokitazawa.hatenablog.com

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*1:))。  分かりやすい形で堀くるみを中心にしたファンキーな楽曲での歌唱技術の高さを短時間で示すには絶好の曲だからだ。そして、知名度を除けばやはりたこ虹のすべての面での総合的な要素の水準の高さ((グループの中で一番自分が可愛いにメンバー全員が手を挙げているのは、これを全員がふりだと解釈しているからで、もちろんたこ虹独特の団体芸である。時間の関係もあったけど、だれか突っ込んでほしかった。

*2:AKB本体ではないが、avexの無観客アイドルフェスにSKEではなく、傘下のユニットのカミングフレーバーが参加したのも、そういう戦略のひとつかもしれない。