下北沢通信

中西理の下北沢通信

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「STARS展」@森美術館

「STARS展」@森美術館

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日本の現代美術を代表する6人の作家による展覧会。もともと、この時期に開催されているのは東京五輪による外国人観光客の来場などを当て込んでのことであろうと思われるが、多人数の作家が参加するトリエンナーレ的な展覧会では滅多に見られないような大型の作品が展示され、それぞれの作家の持ち味を堪能することができ、相当以上の満足感があった。
現役の作家で国際的な評価を受けているということであればこの6人になるのであろうか。知名度だけなら、オノヨーコもいえるが、現代美術作家として正当な評価を受けているとはいいがたいし、そもそも通常な意味で日本を代表するとは言い難い。
 個人的な好みもあるけれど、この日見た作品で、作品自体が持つ力を単純に感じたのは草間彌生だった。ソフトスカルプチャーなど過去の作品が多いという点はやや物足りないけれど、この展覧会自体、有名作家の展覧会とはいえ、それまで個々の作家の個人展を何度も見に行ったことのあるひとよりは初めて見るような人を対象に「現代美術入門」のような色合いが強い展覧会でもあり、そういう意味では分かりやすく紹介しているといえそうだ。
 

概要
草間彌生
李禹煥
宮島達男
村上 隆
奈良美智
杉本博司


関連情報
戦後の高度成長期、日本ではオリンピック、万国博覧会といった国家規模のイベントが続き、国際化が推進されました。その間、現代美術の世界でも、脱植民地主義多文化主義などさまざまな議論が重ねられ、ビエンナーレやアートフェアなど新たな場が拡がりました。

本展では、この間に日本という枠を越えて広く国際的に活躍し、今日、多様な地域や世代から高い評価を得るアーティスト6名を選び、その活動の軌跡を初期作品と最新作をつなぐかたちで紹介します。彼らの実践は世界からいかに評価されてきたのか。国境や文化を越えた普遍的な課題の追求、伝統や美学、テクノロジーサブカルチャーなど、日本固有の社会的、文化的、経済的背景をふまえて探ります。また、1950年代から今日まで、海外で開催された主要な日本現代美術展に関する資料も展示し、それぞれの時代の評価軸や系譜を検証します。

2020年、新型コロナウイルス感染症パンデミックにより世界は一変し、経済的、社会的構造の脆弱性が浮き彫りになっています。そのような状況下、この6人のトップランナーたちの実践は、美術の本質的な役割とは何か、アーティストの成功とは何か、目指す「世界」とはどこなのか、といった根源的な問いを喚起するとともに、コロナ後の世界への示唆に富んだ力強いメッセージとなることでしょう。

 展示風景はこちら 

出展アーティスト ※姓のアルファベット順
草間彌生

李禹煥(リ・ウファン)

宮島達男

村上 隆

奈良美智

杉本博司