下北沢通信

中西理の下北沢通信

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劇団ズッキュン娘 第15回本公演「ハリケーン・マリア」生配信(+見逃し配信)

劇団ズッキュン娘 第15回本公演「ハリケーン・マリア」生配信(+見逃し配信)

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劇団ズッキュン娘 第15回本公演「ハリケーン・マリア」ゲネプロ&コメント動画

 配信公演をアーカイブで観劇。芝居のところどころに歌唱、ダンスシーンを挿入した音楽劇で、演劇作品としてどうなのかと聞かれたら正直返答に困る部分はあるのだが、ダンスの場面はショーとしてなかなか良くできていて、全般的には楽しめた。
 劇中音楽もなかなかよいのだけれど、主演の大黒柚姫(TEAM SHACHI)をはじめスターダストプラネットのアイドル(上田理子/瀬田さくら(以上ばってん少女隊)/桜ひなの/橘花怜(以上いぎなり東北産))が大挙して出演しており、この舞台では本人の歌唱をあらかじめ録音したところと一部生歌のところが組み合わせられていたが、彼女らは普段ライブをすべて生歌で行っているので、できればこの舞台も全編を生歌で上演してほしかったと思ってしまった。とはいえ、アイドル的な群舞が入ったショーの場面は非常に良く出来ていて、参加していたアイドルグループのファンにとってもかなり満足度の高い出来栄えになっていたのではないかと思う。
 大黒柚姫の演技は善悪の二つのマリアを演じ分けることがされているのだが、それほど演技経験がない中ではかなり健闘していた。大黒演じるマリアの妹役に抜擢された桜ひなのも好演。マリアの相手役でダブル主演の畑芽育もネガティブな性格のキャラを演じ、なかなかの存在感を見せていた。
 スタプラ組では残りの3人は近所の町内の人のような役回りなのだが、それぞれのキャラクター付けがコントの登場人物みたいな脚本・演出。音楽劇で作品自体がリアルなものではないとしてももうちょっとなんとかならないかと思ってしまった。特に橘花怜(いぎなり東北産)などは台湾から来た女性の役を演じているのだが、今時コントでもそういう人は出てこないだろうと思われるようなステレオタイプな役柄・演技を割り当てられていた。これだとグループに戻った時の茶番劇ぐらいには活用できるかもしれないが、それ以上の役には立たないだろう。それでも博品館というそこそこ大きな劇場の舞台に立ったこと自体はそれなりの経験にはなると思うけれど。
 私はどちらかというと演劇批評が専門なのでどうしても辛口になってしまいがちだが、正直言って演劇として評価してどうこう言えるほどのレベルのものではなかった*1
 ももクロが初めての映画、舞台に平田オリザ本広克行のコンビを選び、私立恵比寿中学が土屋亮一(シベリア少女鉄道)を選んだように、あるいはけやき坂時代の日向坂46が柴幸男作品の「あゆみ」に挑戦したように将来に向けての演技の第一歩ということを本気で考えるのであれば劇作家、演出家の選定についてはもう少し考えた方がいいかもしれないと思う。もっとも今回は劇団公演への客演の形をとっており、スタダ自身、あるいは個別のグループが最初から企画したものでもないのでそこまで言うのは的外れなのかもしれないけれど。例えばTEAMSHACHI運営はあまり承知していないのかもしれないが、平田オリザでなくても、名古屋にも劇団ジャブジャブサーキットのはせひろいちとか経験値の薄いアイドル系の女優を起用しても優れた舞台作品が製作できる劇作家・演出家もいるんだけれどなあと残念に思った。

大型新人女優として期待されていた小池まりあ。
しかし、彼女はある騒動によって業界追放を余儀なくされる。
その騒動を裏で手引きしていたのは、なんと、まりあとユニットを組む有馬けいこだった。。。
白い光と黒い影。交差する二人の思いは煙のように立ち上り暴風へと変化する。
答えはいつも風の中。ならば自らが風となって道なき道を切り拓け!
さぁ、巻き込まれる準備はOK!

出演者 大黒柚姫(TEAM SHACHI)/畑芽育/藤吉みわ(劇団ズッキュン娘)/後藤夕貴/窪田美沙/上田理子(ばってん少女隊)/瀬田さくら(ばってん少女隊)/桜ひなの(いぎなり東北産)/橘花怜(いぎなり東北産)/田渕瀬那(劇団ズッキュン娘)/三好右華(劇団おねがいシスターズ)/菊池咲里(劇団おねがいシスターズ)
会場
銀座博品館劇場
東京都中央区銀座8-8-11


[いぎなり東北産] 『Voyage2003』×『Voyage2004』 橘花怜×桜ひなの

*1:書かなくていいことを書いてしまい、よく嫌われる。