下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

イコラブ・ノイミーの日だが、個人的注目はTEAM SHACHI対フィロノス @JAM EXPO 2020-2021@横浜アリーナ(2日目)@配信

@JAM EXPO 2020-2021@横浜アリーナ(2日目)@配信

f:id:simokitazawa:20210826215036j:plain
www.at-jam.jpd22g9jocipknag.cloudfront.net
それぞれ方向性は異なるがTEAM SHACHI、フィロソフィーのダンスが素晴らしかった。どちらも円熟したアイドルだけが見せられる大人の魅力を見せてくれた。
TEAM SHACHIはバンドもブラス民も連れずにいわば「裸単騎」の状態だったが、逆にそれでも身一つでこれだけのものが見せられるんだというのをきちんと示してみせた。対バンイベントでの戦闘力の高さはアイドル界屈指だろう。かつてスターダスト内の対戦型ライブイベントで最後の最後に敗れはしたもののエビ中に勝利、ももクロに唯一の土を付け、あわや大番狂わせかと震撼させた地力は今でも健在である。
このところ、TEAM SHACHIに変わってからの楽曲がセトリの中心となってきたが、最近になりチームしゃちほことの融合を意識しており、この日も切り札「アンセム」をラストに置いての逆算のセトリ。「再び武道館へ」を掲げたような「START」が胸熱だった。

www.youtube.com

www.youtube.com

START

START

  • チームしゃちほこ
  • J-Pop
  • ¥255
TEAM SHACHIに続いたフィロソフィーのダンスは別格の存在感を見せた。何と言っても圧倒的なボーカルの力。TEAM SHACHIの「抱きしめてアンセム」の余韻でざわついていた会場の空気感を歌いだすやいなや一変させて自分たちの世界に塗り替えていく。その実力は本物だ。

www.youtube.com

www.youtube.com
もっともアイドル界には歌のうまいボーカルはけっこういて、その中でフィロノスが抜きんでた魅力を発揮できるのかをパフォーマンスを見ながら考えてみて気が付いたのはソウルフルな歌声が魅力の日向ハル、細かなテクニックを駆使しての繊細な表現を得意とする奥津マリリとタイプが異なるいずれもトップクラスの歌い手を擁するほか、それとは対照的にアニメ声の十束おとは、くせの少ないきれいな声の佐藤まりあとまったく個性の異なる4つの声が組み合わさることで出てくる表現の幅の多彩さかもしれない。
 すべての曲がそうなのかどうかはよく分からないのだが、以上のような特質を生かして歌がうまいのにも関わらずハモリがほとんどなく、ユニゾンもないのが特徴のように思われた。これはももクロとは真逆でももクロの最大の魅力はソロ部分の個性的な歌声もあるけれどその声が2声、3声、4声と重なっていった時のユニゾンの魅力だ。対極的な音楽性をより深く味わうためにももクロとフィロノスにはぜひ一度対バンをしてほしいのだが。