下北沢通信

中西理の下北沢通信

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2代目シンデレラにいぎなり東北産の橘花怜。「ミューコミVR」 presentsスタプラアイドルフェスティバル~今宵、2人目のシンデレラが決まる~@横浜アリーナ(結果)

ミューコミVR」 presentsスタプラアイドルフェスティバル~今宵、2人目のシンデレラが決まる~@横浜アリーナ(結果)

2人目のシンデレラにはいぎなり東北産の橘花怜が決定。私の個人的に応援していたメンバーとは違ったが、いろんな意味でとてもいい結果だったのではないかと思う。
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シンデレラ決定戦は実は短い持ち時間、歌割りの本番パフォーマンスだけでなく、事前の印象、特に各グループで行ったオープニングアクトの出来栄えが投票への大きな鍵を握るというのが第一回シンデレラの三田美吹の時も言えたことで、そういう意味ではいぎなり東北産のオープニングアクトは素晴らしい内容であり、歌割りでは「ココナツ」の担当となり、不利な状況に立たされた橘花怜がそれでもシンデレラの座を獲得できたのはいぎなり東北産のパフォーマンスがよかったからこそであろうと思う。
 もっとも、そういうことで言えばグループでのパフォーマンスだけではなく、「ジャンプ」ではスタプラトップかもしれないとの圧倒的な歌唱力を見せた伊達花彩にもシンデレラの可能性はあったと思うし、こちらも私の心中の候補者とは違うが、歌を聴いた瞬間に「今回はこれで決まりかも」と思わせる説得力があった。さらに言えばシンデレラメドレーでは「ジャンプ」のラストを歌った安杜羽加の歌もとてもいいものだった。
 ただ、ここから先は詳しい事情は分からないけれど、いぎなり東北産のファン(皆産)の中で、それぞれに推しはいるとしてもドラマ主演で活動を休んでいたエース伊達花彩の不在の間もリーダーとしてグループを守り、タレント揃いの個性派グループをまとめ上げてきた橘花怜こそがいぎなり東北産の心臓であり、「彼女にシンデレラを」というのが暗黙の了解としてあったからではないか。もちろん、それを受けてたった橘花怜の奮闘もあってこそであり複数の人間から周回通路でのアピールに感動したとの声も聴いており、そういうことも結果を左右したのだろうと思う。
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 オープニングアクトではいぎなり東北産とそれに続く「ばってん少女隊」「アメフラっシ」が大きなインパクトを残した。特にいぎなり東北産が2曲目で歌った絶唱とでもいうべき「what ever」は曲が終わっても余韻が会場を支配し、後に続くグループはやりにくいだろうなと感じさせたが、その空気感を一変させてしまったのがばってん少女隊の「OiSa」。

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 おそらくこの日登場したスタプラ妹グループの中でもっとも世に知られた2曲が超ときめき宣伝部の「すき!」とばってん少女隊「OiSa」であったと思うが、ばっしょーは通常10分程度の時間内で2~3曲が披露されることの多いオープニングアクトで楽曲をループさせることで、「OiSa」1曲のみを披露。メンバーの挨拶もなく去っていった。終了しても煙に巻かれた観客は騒然としており、これも別の意味で強いインパクトを与えたと思う。
 これを受けて登場したのがアメフラっシ。ある意味前のグループが荒らすだけ荒らしていった中でのまれてしまってもおかしくなかったところをストロングスタイルのパフォーマンスで見事に立て直して見せ、実力を見せつけた。

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 ファンでさえも度肝を抜かれたのは1曲目に披露されたのが音源は発表されていたものの観客の前では初披露となった難曲「DROP DROP」だったことだ。このグループの一番の売りであり、他のグループにはちょっと真似ができないボーカルと歌唱の能力の高さを際立たせる曲であり、新アルバム「SENSITIVE」のカップリング曲だが、音楽好きのモノノフファミリーに大きな衝撃を与えたのではないかと思う。特にこの曲での小島はなのパフォーマンスには素晴らしいものがあったと思う。2曲目は表題曲の「SENSITIVE」、3曲目はおなじみの「MICHI」で終えたのだが、アメフラっシにはもう1曲隠し玉の「DISCO TRAIN」が残っていたので、最後がこの曲でなかったのが個人的には残念。愛来のケガが直前にあり、本番までには何とか治ったものの初披露の2曲をこなす余裕はなかったかもしれない。
今回私が個人的にシンデレラ候補として推していたのはアメフラっシの愛来であった。愛来は彼女なりに精一杯頑張っていたとは思うし、アメフラっシとしてのパフォーマンスでも見事に爪痕を残したと思うが、いかんせんシンデレラメドレーでの歌割りが「ココナツ」では厳しかったと終了後に感じた。確かに「ジャンプ」など得意の歌唱が生かせる歌割りであればシンデレラを射止める可能性はあったはずだ。
 ところが冷静になってよく考えたら、シンデレラの橘花怜も「ココナツ」組なのだった。愛来スタプラの将来を背負う人材とは思っているけれど今回は文字通りいろんな意味で「完敗」だったかもしれない。

オープニングアクトタイムテーブル

1浪江女子発組合
2ukka
3B.O.L.T
4いぎなり東北産
5ばってん少女隊
6アメフラっシ
7Awww!
8CROWN POP
9超ときめき♡宣伝部<<