「有安杏果 サクライブ Acoustic Tour 2022」(2回目)@東京・大手町三井ホール
「有安杏果 サクライブ Acoustic Tour 2022」@東京・大手町三井ホール2日目を見た。以前のサクライブの時は2日間のセットリストをかなり大きく変更してきたが、さすがに今回はほぼ同じ曲順の進行。ご当地カバー曲のみは前日のback number「高嶺の花子さん」からこの日はバンプオブチキン「花の名」*1となったが、杏果は男性ボーカルのバンド曲をカバーすることもけっこう多くて、やはりこういう音楽が好きなんだろうなと思った。
この日のハイライトはアレンジで空気感を大きく変えた「Feel the Heartbeat」を終えた後、感極まって涙ぐみ、曲中で客席を見て、横浜アリーナでの初めてのソロライブのことやその後起きたいろいろなことを思い出してしまったからだと涙をこらえながら述懐した場面かもしれない。
有安杏果といえば昔からパフォーマンス中によく泣くことで有名で、ももクロ初の西武ドームライブの『ももクロ夏のバカ騒ぎSummer Dive 2012 Tour』の『ワニとシャンプー』では泣きながら出てきたために歌詞がぐだぐだになって活舌の問題もあるから全く何を歌っているのか分からないほどだったが、もちろんこの日はそういうことはなく、プロとしてちゃんと歌い終わった後でMCに入って溢れ出る感情が抑えきれなくなった感じであったが、クールなパフォーマンスを見せてもこういう感性が健在なのを嬉しく思った。
実は独立してソロになってからもピアノ演奏がうまくいかなかった時に涙してしまい感情が不安定なんじゃないかと心配させたこともあったのだが、この日の涙はどちらかというと「あの日があって、そして満席の観客を見て、私はここまでやっと来られた」という感極まった涙で、ネガティブなものではなく、会場の観客も共感したのじゃないか。
ももクロ時代のことにはあまり触れないけれど、逆にももクロ時代のソロコンのことには饒舌なほど触れていて、ソロアーティスト有安杏果の原点はあの横浜アリーナでのソロコンスタートにあったということがよく分かるMCで、あの時にその場に立ち会ったものとしても感慨深いものがあった。
新曲は「夢の途中」「オレンジ」の2曲で、「夢の途中」は自分自身の心情をダイレクトに歌っていて、杏果の歌の典型といえそうだが、「オレンジ」はこれまでのJ-POPの「泣き歌」のメインストリームといっていい楽曲であった。この日の発言を見ていると実は作りためた楽曲がかなりストックされているのではないかと思う。ファンとしてはアルバムが欲しいところだが、杏果の性格からすれぱバンドセットのツアーのために用意した歌をバンドによるツアーで発表するまではないのだろうなとも確信した。以前やったようにライブ音楽のサブスク配信を期待しているのだが。
遠吠え
Drive Drive
MC
ハムスター
指先の夢
愛されたくて
MC
花の名 / BUMP OF CHICKEN
Calling You / Holly Cole
虹む涙
TRAVEL FANTASISTA
Runaway
feel a heartbeat
ペダル
ヒカリの声
夢の途中
Another story
サクラトーン
アンコール
LAST SCENE
Catch Up
オレンジ
Member
有安杏果(Vocal/Guitar)
宮崎裕介(Piano)