下北沢通信

中西理の下北沢通信

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【連載第1回】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く

ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く

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ばってん少女隊4thアルバム「九祭」が19日発売になりました。最近のばってん少女隊はダンスミュージックでありながら和のテイストも感じさせるような所属するスターダストプラネットのグループの中でもこれまでにないユニークかつ魅力的な楽曲がそろっており、個人的にも注目してきました。今回そうした楽曲を収録した新アルバム「九祭」が発売になった機会をとらえアイドル楽曲に造詣の深い『ももクロを聴け!』*1の著者、堀埜浩二さんに話を聞いてみることにしました。
(ZOOMインタビュー発売以前の17日夜に収録。聞き手は中西理)
中西理(以下中西) 最近いろんな意味で注目しているばってん少女隊の4thアルバム「九祭」が発売になりました。現時点(17日夜)では未発表で全貌は分からない曲もあるのですが、すでに先行発表されている楽曲も含め、16日には Teaser映像(上記)も発表になりこのアルバムがどんなアルバムであるかの全体像も明らかになってきました。「九祭」というアルバムと最近のばってん少女隊の楽曲について、『ももクロを聴け!』の著者でありスターダストプラネットのアイドルにも造詣の深い堀埜浩二さんにお話を聞いてみたいと思い、今回のインタビューをお願いすることにしました。
堀埜浩二(以下堀埜) ばってん少女隊に関してはまずなんといっても「OiSa」という奇跡的な曲が出たというのが大きい。有線で大ブレークしてそこからそれまでとは全然別のスイッチが入って、ももクロとはまた別の形で和の部分であるとか、音楽性の幅の広さとかをきっちりと形にしてきた。これは一回メジャーデビューしたのに切られて、インディーズで再出発して自分たちでやりたいことをしっかりやろうという個人とグループが嚙み合ったアイドルの形のひとつの理想形というものを成立させたと思う。新アルバムではさらにその先の部分として九州の各県のお祭りなどに付随したコンセプトアルバムとなりました。ここに至った経緯を考えるとこれは非常に面白いやり方だったと思います。
 1曲目に「OiSa」が来ていますが、これは前のアルバム「ふぁん」*2にも入っていた曲。2021年バージョンに替えているとはいえ、それを再び収録してコンセプトアルバムの頭に持ってくるというのは通常ありえないことです。ある意味メッセージ性もそこに出てきている面白さがあります。AMEFURASSHIのアルバム「DROP」がダンスというジャンルをK-POP寄りのものとして表しているのに対して、ばっしょーは同じく音楽としてはダンスをベースにしたりエレクトロとかディスコとか、トランスとかのダンスミュージックを持ってきていても、それとはちょっと違う軸の中で、世界観を表現しているのが面白い。スタプラの音楽でいうとももクロが全体を引っ張りながら、アイドルというものの枠組みを広げる楽曲作りをしてきた。そういう中で一方ではぶりぶりのアイドルみたいな超ときめき宣伝部(とき宣)がある。一方でKにちょっと寄っているAMEFURASSHIもいる。それに対しばってん少女隊は和の部分でしっかりと足元を固めている。しかも九州に足場を置いていることを明確にしています。今のスタプラの面白さはそれぞれのグループがいい形で、こうした音楽性の違いの幅をしっかり持って活動できていることにあると思います。
中西 それぞれやり方は違うのでしょうが、A&Rというか音楽プロデューサーがいて、名前をはっきりと出してない人もいるのだけれどももクロなら宮本淳之介、AMEFURASSHIなら佐藤守道、そしてばってん少女隊には杉本陽里子(ondo)がいて、つんく♂中田ヤスタカ秋元康のような作家ではないことで、自分の決めた方向性のもと幅広いアーティストに発注ができるというのがスタプラの特徴のような気がします。特にアメフラとばっしょーはインディーズだけれど音楽のクオリティーが高い。
堀埜 今はインディーズとメジャーの差はほぼほぼないです。メジャーであることで予算がついてプロモーションができたりというのは当然ながらありますが、音楽の中身だけに関して言うとメジャーとインディーズの違いはないと言い切れるところまで来ているかと思います。かかわっている作家たちを見ていても、すごく自由に面白い作家とか新しい作家を引っ張り出すことができている。予算がこれだけあるからというよりもむしろ制作する側のそれぞれの音楽家が面白い新しい音楽がやりたいというのが前面に出てきており、一昔前のちょっとアイドルを下に見るようなことは今はもうすっかりなくなっている感じははっきりとあります。ばってん少女隊に関していえばASPARAGUS渡邊忍さんが割と初期から関わっているのが大きい。もちろん、ももクロがそういうことをやりはじめ、私立恵比寿中学エビ中)があり、そういう流れにしっかりと乗っかっている。
 

九祭

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ALBUM | 4th ALBUM
九祭
2022.10.19 Release
■収録曲
01:OiSa (2021 ver.)(作詞作曲:渡邊 忍(ASPARAGUS))
02:わたし、恋始めたってよ!(作詞作曲:渡邊 忍)
03:YOIMIYA(作詞作曲:ケンモチヒデフミ水曜日のカンパネラ))
04:御祭sawagi(作詞:ASOBOiSM 作曲:PARKGOLF , ASOBOiSM)
05:さがしもの(作詞作曲:ケンモチヒデフミ
06:和・華・蘭(作詞:Daoko 作曲:GuruConnect , Daoko)
07:沸く星(作詞:没 a.k.a NGS(Dos Monos), uami 作曲:没 a.k.a NGS , uami)
08:Bright & Breezy(作詞:YonYon 作曲:YonYon , DÉ DÉ MOUSE)
09:南風音頭(作詞:村里 杏 , サトウ ショウゴ 作曲:サトウ ショウゴ)
10:禊 the MUSIC(作詞作曲:渡邊 忍)
11:虹ノ湊(作詞:Rin音 作曲:Rin音 , Taro Ishida)
12:OiSa PARKGOLF REMIX

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