下北沢通信

中西理の下北沢通信

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【連載第7回・完結】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く(7)

ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く(7)

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ばってん少女隊はダンスミュージックでありながら和のテイストも感じさせるような所属するスターダストプラネットのグループの中でもこれまでにないユニークかつ魅力的な楽曲がそろっており、個人的にも注目してきました。新アルバム「九祭」が発売になった機会をとらえアイドル楽曲に造詣の深い「『ももクロを聴け!』*1の著者、堀埜浩二さんに話を聞いてみました。
(ZOOMインタビュー発売以前の17日夜に収録。聞き手は中西理)


中西  次は渡邊さんの話をしたときにすでに話題に出てはいましたが「禊 the MUSIC」です。これはどういう音楽でしょうか。

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堀埜 最初に渡邊さんの曲というところでも言いましたがサウンドの作り方がa-ha*2そっくりですよね。「Take on me」*3とかのヒット曲があったバンドです。MVが出始めた初期のころのグループです。渡邊さん自身はメロコアの人なのできっとそういう影響も受けている。ある種40~50代の人は懐かしさを感じるようなサウンドの作りになっている。この辺の曲はもう九州のどの県のというのはなくなっている。だから「OiSa」は福岡ですけど中間部分に各県ごとの曲をうまいこと振り分けて、後半のところにまた渡邊さんの曲やRin音の「虹ノ湊」を持ってくるという構成になっている、
中西  「虹ノ湊」というのはどこかの曲じゃなかったですかね。あれはただのロケ地だったんでしょうか。
堀埜 ロケ地ですね。「虹ノ湊」は宗像がロケ地になっている。そして楽曲を提供したRin音さん*4の出身が宗像なんですね。そういうちょっと微妙なつながりとかもあります。この人もちょっと面白いアーティストで読売テレビ日本テレビ系「プラチナナイト」木曜ドラマ"Sister(シスター)" の主題歌に新曲*5が選ばれている。米津さんのエモさをあえて取っ払ってちょっとチルな感じでやっているようなラッパーです。私が積極的に聴くようなタイプの音楽ではないけれどこの人はいいですよ。

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中西  その次の「OiSa PARKGOLF REMIX」のPARKGOLFはASOBOiSMと一緒に「御祭sawagi」をやった人ですね。REMIXということはこの人もDJですか。
堀埜 メインはトラックメイカーですがDJもやっている人。だから立ち位置としてはTOFUBEATSとかと極めて近い活動をしているひとですね。

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中西 これはよく分からないんだけれどライブとかではこの人が出てきて一緒にやるということもありえそうですかね。
堀埜  まだ見えないと思っているのは12曲目のこれって何となくボーナストラックっぽい扱いの置き方になっていて、特別な場所でこのバージョンでライブをやる可能性というのはあるかもしれないと思っています。ただ、「OiSa」への期待感として「OiSa」のあのアレンジというのはけっこう耳なじみがあるじゃないですか。なので、このREMIXバージョンで歌うことによって、本来聴きたい「OiSa」が聴けなかったような不満が残るかもしれないので、このバージョンでやる時は2回やるんじゃないかと思っています。
中西 クラブ的な音楽のアレンジとかってけっこうアイドルファンとの相性がよくないところがあって、特に今はまだコールがない状態なので比較的問題がないけれど、こういう風にアレンジされると普通のコールができないので文句を言う人たちが出てくるんですね。たこ虹はそれで結局失敗して……。
堀埜  失敗したわけじゃないと思いますが、どう乗ったらいいのか分からなかったかもしれません。
中西 僕はけっこうこういうアレンジが好きだし、フロアとかも若いころには行っていたことがあったのでどんどんやってほしい。ばっしょーとAMEFURASSHIはDJを入れたライブをやってほしいです。
堀埜 できますよね、全然。
中西 いろんな意味でこの「九祭」はA&R、音楽プロデューサーの人の作品ということを強く感じます。
堀埜  ばっしょーとAMEFURASSHIはそういう意味でははっきりとした方向性を打ち出せているグループだと思います。
中西 きょうはお話ありがとうございました、チケットを確保したので11月26日の中野サンプラザのライブには行くつもりですが、その時に向けてよい予習ができたと思います。
(ここから先はやや付録的なももクロについての対話。カットしようかとも考えたが、貴重な機会なのであえて収録することにする) 
中西 ももクロはいまどういう力学でアルバムの内容などが決まっているのかよく分からない部分もあるのですが。
堀埜 ももクロはもう次元上昇しきっていますから、どんな曲を持ってきても自分たちの世界に塗り替えてしまうような力がある。
中西 じゅんじゅんも昔ほどわがままに「俺のアルバム」みたいなところもなくなってきていますよね。
堀埜 ももクロが歌えばももクロの楽曲になってしまう。そこがほかのアイドルグループと大きく違うところだと思います。そこまでのレベルに彼女らは達しているのでカバーがもうカバーじゃなくなってしまっている。だって「また逢う日まで」をカバーして全然違う意味とか感覚の曲に仕上げることって普通はできないですよ。
中西 「また逢う日まで」は夏ライブではやらなかったんだけれど。
堀埜 それは世界観が明らかに違いますからね。
中西 でもこの間「スナック愛輪」では歌いましたよ。ふたり(玉井詩織佐々木彩夏)でだけど。
堀埜 だからああいう時の曲になるんですね、きっと。本人たちのライブの中であれを最後にやるというのはアルバムツアーで最後かなとも思います。ももいろ歌合戦の時には歌うけれどももクリであれを歌うことはまあないかなと思っています。
中西 そうですね。一部の人に不評だった「昭和」というテーマを前面に押し出したライブがあれば歌うこともあるかもしれません。






■収録曲
01:OiSa (2021 ver.)(作詞作曲:渡邊 忍(ASPARAGUS))
02:わたし、恋始めたってよ!(作詞作曲:渡邊 忍)
03:YOIMIYA(作詞作曲:ケンモチヒデフミ水曜日のカンパネラ))
04:御祭sawagi(作詞:ASOBOiSM 作曲:PARKGOLF , ASOBOiSM)
05:さがしもの(作詞作曲:ケンモチヒデフミ
06:和・華・蘭(作詞:Daoko 作曲:GuruConnect , Daoko)
07:沸く星(作詞:没 a.k.a NGS(Dos Monos), uami 作曲:没 a.k.a NGS , uami)
08:Bright & Breezy(作詞:YonYon 作曲:YonYon , DÉ DÉ MOUSE)
09:南風音頭(作詞:村里 杏 , サトウ ショウゴ 作曲:サトウ ショウゴ)
10:禊 the MUSIC(作詞作曲:渡邊 忍)
11:虹ノ湊(作詞:Rin音 作曲:Rin音 , Taro Ishida)
12:OiSa PARKGOLF REMIX

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