下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

下書きプレビュー

simokitazawa.hatenablog.com
 ムニ「ことばにない」前編
 @駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2022/11/03-13 12ステージ)
 全自由 前半割引一般3500円 一般4000円 25歳以下3500円 18歳以下1000円
 当日券 各500円増
  @京都 THEATRE E9 KYOTO 11/26-28 4ステージ

 作・演出:宮崎玲奈
 空間設計:渡辺瑞帆[青年団] 舞台監督:黒澤多生[青年団] 
 照明:緒方稔記[黒猿] 照明操作:伊藤拓[青年団] 
 音響デザイン:SKANK/スカンク[Nibroll] 衣装:坊薗初菜[青年団]
 宣伝美術:江原未来 制作:河野遥[ヌトミック] 制作部:青柳糸、寺前柊斗、
 林美月、彦坂紗里奈、渡邉結衣
 演出部:安齋彩音、秋山実里、池田きくの、石井泉、伊勢広、大島康彰、加賀田玲、
 金指喜春[おんたま玉]、黒澤風太佐々木明音、笹田伶、関彩葉、高橋あずさ
 [終のすみか]、富髙有紗、筒井野瑛、冨岡英香、西出結、彭夏子、彦坂紗里奈、
 前田倫、山田朋佳、伊藤拓[青年団] 小道具協力:辻本直樹(Nichecraft)
 出演:
 藍島晴香   :塩田朝美(紗代の教え子、元演劇部、 かのこと仲が良い)
 ワタナベミノリ:野村ゆず(紗代の教え子 元演劇部、 現在も続けている)
 巻島みのり  :高倉かのこ( 紗代の教え子、 元演劇部、 レズビアン)
 浦田すみれ  :宮地美豬(紗代の教え子 元演劇部、ゆずと仲がいい)
 和田華子[青年団]:吉井花苗(かのこと付き合っている、レズビアン)、主治医

 石川朝日    :浅田春(朝美のパートナー)、美緒のバイト先の店長、ゆずの父
 黒澤多生[青年団]:山川雄也(山川紗代の一人息子)、かのこの塾の生徒、公民館の受付
 田島冴香[FUKAIPRODUCE 羽衣]:山川美由(紗代の姪、議員、美しさを大切にしている) 
         、ゆずの母

 古川路 (TeXi's):山川紗枝(紗代の姪、 美由の妹)
 南風盛もえ[青年団]:吉本野江(ゆずの演劇繋がりの友人)、記者
 藤家矢麻刀:安川陽(野江の学生時代の先輩、ワークショップを行う)、
      かのこの塾の塾長、記者

 立蔵葉子(声の出演)[青年団/梨茄子]:山川紗代(先生、 戯曲を残して死んだ。
  出てこない)

 2022/11/13(土)晴 5:00-9:23PM(98/休8/66/休7/83)最前方 客席満員(45人)
 客層:2世代、男性過半数
 客入れ:感染対策。手指消毒、検温。開場時20人ほど。椅子4列、クッション追加。
 長時間になるので助かり。上演と休憩時間についてアナウンス、軽食可とのこと
 だけど、マッハ速がいるのでは?。当日パンフ A4両面。物販。上演台本1000円。
 カーテンコール2回。

 舞台。床に不ぞろい/色とりどりのタイル。正面壁にも続き。ソファら場面毎、
 役者達が持ちこみ式。ドリンクカップも鞄から取り出し置き(なんか愉快)。
 お話。20代後半の元高校演劇部員達。それぞれに生活も、毎年作演出を持ち回りで
 演劇を続けている。とある日、恩赦が亡くなり、台本の草稿が遺志を汲んだ息子から
 彼女達の元へ上演を前提に送られる。そこには「わたしはことばそれ自体に
 なりたかった」「欲望は見えなくされているだけだ」と書かれ、ビアンであった
 ことが記されていて。

 レズビアンアイデンティティを中心に取り上げ、周囲とも閉塞感絶えず、私が私に
 なり辛い時代を活写。表現者たる演劇人達が主人公。2幕は丸ごと他者の言葉を
 聞き話すワークショップ場面とし、学んでもままならない現実を、残酷に突きつけて
 苦さ増し。会話主体、そんな人がそんな風にいる、登場人物に寄り添うけど、
 装わない様がいい。終始距離が近く、引き込まれて、同じ場にいるよう。
 言葉にならないこと、恐怖や恐れを「モンスター」で現してスパイシー。敵方
 (政治家)の心理にも当てはめて拡げ。終盤近くのハッピーミュージカル演出は
 ラ・ラ・ランドに心踊り/奈落落ちと痛い感。件のビアンカップルのこの先が
 気がかりでしょうがないねこ。後編上演の来年が早くくればいいのに。