下北沢通信

中西理の下北沢通信

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コロナ禍後初の声出し解禁にモノノフの歓喜が爆発 代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary@国立代々木競技場 第一体育館

代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary@国立代々木競技場 第一体育館



「代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary」ももクロの結成15周年記念公演ではあるが、本来の記念日である翌日(5月17日)に比べて、この日はコロナ禍後初のコール解禁の日というのが大きかったかもしれない。会場ではやっと声が出せるモノノフの歓喜が爆発した。
冒頭の「overture~ももいろクローバーZ参上!!~」からして我慢に我慢を強いられてきたモノノフのコール復活の喜びが溢れ出した。5年前の10周年記念公演では東京ドームの外側までその音が響き渡ったというovertureの大音声が本当に久々に国立代々木競技場でも鳴り響いた。

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 この日は最初の曲がいきなりももクロの代名詞ともいえる「行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-」。このところ百田夏菜子の腰の調子が万全ではないということもあって封印されていた「海老ぞりジャンプ」がひさしぶりに復活した。次の曲は「祝宴」収録の新しい自己紹介ソングでもある「ダンシングタンク♡」。すでに声出し解禁であったロックフェス「JAPAN JAM」では一度披露されたとはいえ、ワンマンライブでの声出し状況での披露は初めてのことで大いなる盛り上がりを見せた。
そして、新しい楽曲から今度は一転してCDデビュー曲でもあり、最初のシングル曲である「ピンキージョーンズ -ZZ ver.-」が披露されたが、この辺りは「うりゃおい」が連発される典型的なコール曲でもあり、コール解禁と15年の歴史と両方を勘案しての楽曲が続いた。
 あーりんの「はい、はい、はい」のあおりで始める「コノウタ」、「ピンキージョーンズ」の歌詞中に合わせての名前コールも本当に久しぶりに聴いたし、「スターダストセレナーデ」「走れ!」でのメンバーがマイクを客席に向けて、観客が歌うというのもいつ以来のことだったろうか。 
 ももクロの発足15周年を記念したライブではあるが、この日のセットリストを見ていくと「ももクロとモノノフが一緒に迎えた記念の日」という色合いが強く打ち出されていて、それゆえその絆の証でもあるコールがちょうどこの日に解禁されたことは周年の記念とほぼ同等のように重要な出来事。もちろん、最新アルバムの楽曲も「15年の歴史」の一環としては含まれているけれど、コロナ禍ではあまり披露されることのないレア曲も数多く入ったものとなっており、私も含め昔から応援してきたファンの満足度は高かったのではないだろうか。
 とはいえ最大のサプライズはアンコールで披露された「ヒカリミチ」ではないだろうか。この曲はももクロのメンバー4人が作詞した新曲で表題の「ヒカリミチ」はもちろんファンがライブ会場で振るサイリウムの光のことである。それを「道」としているのはもちろん有安杏果が卒業したすぐ後の東京ドームでの10周年記念ライブでファンの人の掲げるサイリウムのことを「私が迷ったときの導き手」として百田夏菜子が語ったからで、その言葉は今も生きていて、十五周年記念ソングとして事前に発表されていた「いちごいちえ」のMVでも最重要なモチーフとなっていた。

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 アンコールが始まる前には「いちごいちえ」1曲だけ歌って終わるだろうか、あるいはその前にもう1曲何かを歌うだろうかなどとぼんやりと考えたけれど、「ヒカリミチ」「いちごいちえ」と続けば締めはやはり当時のメンバーが自分で作詞いたあの曲だということは必然だった。終了後の感想戦でここで「あの空」を歌うべきかどうかについても議論になったが、「世界のももクロナンバー1」のコールも含めて、コール解禁日かつ15周年記念ライブで最後に歌う曲はこの曲しかないし、「10周年ライブ」の最後がやはりこの曲であのコールだったことを考えても、これほど相応しい曲はないと思った。
 モノノフの一部に特別のライブでのみ許される曲・コールをここでやるべきではないとの声も出ていたが、今のももクロにとってこの日以上に特別な日・特別なライブというのがいつあるのだろう。私が考えてもここで解禁しないならもうこれは新国立競技場ライブの発表の時か新国立競技場ライブの最後、あるいはこれは考えたくもないけれど解散ライブの最後しかないのではないか。そういう意味でもふさわしい場所にふさわしい曲・コールがなされたと思う。

2023年5月16日
SE. overture~ももいろクローバーZ参上!!~
01. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
02. ダンシングタンク♡
03. ピンキージョーンズ -ZZ ver.-
04. サラバ、愛しき悲しみたちよ
05. Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~
06. 吼えろ
07. stay gold
08. 労働讃歌
09. Z女戦争 -ZZ ver.-
10. 笑一笑 ~シャオイーシャオ!~
11. Nightmare Before Catharsis
12. CONTRADICTION
13. ワニとシャンプー
14. MYSTERION
15. キミとセカイ
16. コノウタ
17. ツヨクツヨク -ZZ ver.-
18. クローバーとダイヤモンド
19. スターダストセレナーデ
20. 走れ! -ZZ ver.-
<アンコール>
21. ヒカリミチ
22. いちごいちえ
23. あの空へ向かって

会場:国立代々木競技場 第一体育館
DAY1 2023年5月16日(火)
17:00開場 / 18:00開演 / (21:00終演予定)
DAY2 2023年5月17日(水)
17:30開場 / 18:30開演 / (21:30終演予定)

不織布マスク着用でのコール・声援が可能です★
※終演後は規制退場を実施させていただきます。