下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

y/n「Q&Q」@アトリエ春風舎

y/n「Q&Q」@アトリエ春風舎


y/nの作品を見るのは初めて。「教育」が主題のレクチャーパフォーマンスということだが、私がこの集団に興味を持ったのは舞台作品そのものよりも

構成・演出:y/n(橋本清+山﨑健太)
今回のクリエーションは「教育」について考えるところからはじまりました。教育というテーマは東京芸術祭ファーム2022 Farm-Lab Exhibitionでのパフォーマンス試作発表『Education (in your language)』から引き継がれたものでもあります。このときは○×クイズとYES/NOクエスチョンの類似性を利用して、自明と思われる正解や規範の枠組みを揺さぶることを試みました。新作『Q&Q』はレクチャーパフォーマンスという、文字通りレクチャー形式のパフォーマンスです。パフォーマーが何事かを語り、観客がそれを聞く。このシンプルな(しかしいかにも「教育的」な)営みから生まれる関係性や、そこで暗に前提とされている規範を問い直すことからはじめたいと思っています。答えはまだここにはありません。


y/n
2019年結成。演出家・俳優の橋本清と批評家・ドラマトゥルクの山﨑健太によるユニット。リサーチとドキュメンタリー的手法に基づいて私的な領域の事柄を社会構造のなかで思考するパフォーマンス作品を発表している。ユニット名はyes/noクエスチョンに由来し、二項対立や矛盾、答えに達する以前の状態を意味する。これまでの作品に男性同性愛者のカミングアウトを扱った『カミングアウトレッスン』(2020)、セックスワーカーと俳優の仕事を扱った『セックス/ワーク/アート』(2021)、日本における手品の歴史を扱った『あなたのように騙されない』(2021)、東京芸術祭ファーム2022 Farm-Lab Exhibitionでの国際共同制作によるパフォーマンス試作発表『Education (in your language)』(2022)、日本とブラジルの移民に取材した『フロム高円寺、愛知、ブラジル』(2023)がある。


撮影:山端拓哉

出演
橋本清

スタッフ
音響・照明:櫻内憧海(お布団/青年団
空間デザイン:宮崎敦史(santas Inc.)
宣伝美術:岡部正裕(voids)
メインビジュアル:山端拓哉
制作:松本一歩(平泳ぎ本店)、半澤裕彦(青年団