下北沢通信

中西理の下北沢通信

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令和座第8回公演 令和座設立5周年記念作品「∞」@東演パラータ

令和座第8回公演 令和座設立5周年記念作品「∞」@東演パラータ

令和座『∞』@東演パラータを観劇。この劇団の観劇は初めて。観劇したのは劇団から招待メールをいただいたのがきっかけだが、実は長年働いてきた会社を昨年末退職したため、観劇にかかる資金もそれまでのように捻出するのが困難な状況。特に未見の劇団について観劇が難しく、招待状を貰えるのは非常に有り難い。
 東演パラータの舞台に丹念に作り込まれた舞台装置=下に写真=で森か林の中の廃墟に突然出現した空間が設営されている。この舞台についてはそこに迷いこんでしまった男が周囲に潜んでいるが、その正体が定かでないものに遭遇する不穏な空気感に遭遇する冒頭部分が『これはなかなか』と思わせるほどスリリングで刺激的だった。
 ただ、残念に思ったのはこの場所にいろんな目的で次々と様々な人物が登場する中盤以降の展開はこの空間が何なのかについての謎か徐々に明らかになっていく、通常の物語的な文法に従って作られているところがあり、そういうものとしてのぞれなりの完成度の高さは感じたものの、それはどうしてもよく出来た芝居の範囲内に留まっていて、最初に感じたような「何だか分からないが怖い」というような空気感が薄れてしまったことだ。
これは勝手に見る側である私が勘違いした部分もあろうが、パンフか何かに自分たちの作品を「静かな会話劇」と評しており、それは平田オリザがとっくにやっているのではないかと思ったのが、ささやき声や暗闇から聴こえる音などが醸し出す音が生み出す恐怖などを体験して、そういうことなのかと早合点して興奮してしまったこともあり、その後の展開を少し残念に感じてしまったのだ。

2024.06.12 - / 東演パラータ

恐るべき劇空間を展開する令和座の第8回公演は、40年以上の歴史を持つ小劇場『東演パラータ』を拝借し、かつてない空間創造に挑む。

物語は日本の廃墟を舞台にし、現代日本の社会背景と人類共通の価値観《命》を絡ませ、《無限》をテーマに描く。

廃墟の地下に閉じ込められた男、廃墟に死に場所を求めてきた男、廃墟を蘇らせようとする男、廃墟を利用する男、廃墟に誘拐されてきた女、廃墟で優雅に生きる姉妹、そして8人目の謎の人物が出会うことにより奇妙奇天烈・摩訶不思議なる空前絶後の会話劇が誕生する。独自のワードセンスとトリッキーな構成が電光石火の如く感覚を狂わせる令和座の設立5周年記念作品。

令和座第8回公演「∞」
CAST
守谷直子
道下悠里
片岡奈央乃
飯沼誠治
中村拓未
新明雅巳
小原誠仁
おらんだ

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