下北沢通信

中西理の下北沢通信

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KARASアップデイトダンスNo.110「骨と空気」演出. 照明:勅使川原三郎@荻窪アパラタス

KARASアップデイトダンスNo.110「骨と空気」演出. 照明:勅使川原三郎荻窪アパラタス

骨と空気

KARASアップデイトダンスNo.110「骨と空気」演出. 照明:勅使川原三郎荻窪アパラタスを観劇。表題の「骨と空気」は「骨と空気の境界に漂う肉体表現の可能性を求めて、ことばという詩的宇宙を自在に踊りながら自らへのマニュフェストを書きつづった」という勅使川原自身が1990年代に刊行した著書から取られているもの。そのせいか、アパラタスで見る最近の作品とは少し違って、「Bones in Pages」など2000年代に勅使川原作品に感じた、空間を切り裂き、触れれば切り裂くような張りつめた空気感が感じられた。
最近の作品は「ハムレット」「白痴」などに代表されるような古典作品を下敷きにした演劇的要素の強い作品群と前作「ケイジの夢」もそうだったように音楽にインスパイアされた作品群という二つの系列が主流となっていて、それが交互に製作されてきた印象がある。
「骨と空気」はそのどちらでもない。音楽は以前はよく使われていたノイズ系の音が多く使われていて、それが張りつめた空気感のようなものを演出するひとつのアクセントとなっているが、そうしたハードエッジな音色の合間合間には緩やかな曲想のクラシック音楽も使用されており、音楽の変容に合わせて、勅使川原三郎と佐東利穂子の動きの質感もノイズに合わせた壊れた操り人形のような動き、痙攣するような動き、時に瞬間的に空間を切り裂くような速度感のある動きから、一転して緩やかなクラシック調の音楽に乗せたたゆたうような動きへと変容していく。
 さらに照明による空間の切り取りも音楽、身体と並ぶ、空間構成の重要な4要素となっているのも「骨と空気」の特徴である。もちろん、自らデザインした照明効果はいつでも勅使川原作品の武器のひとつではあるのだが、暗い中をレンブラント効果のように影の部分を強調する照明から、矩形の光により空間を切り取るような演出、全体として明るい照明でダンサーそれぞれの動きをくっきり見せていく場面があれば次には薄暗い中で見えるか見えないかのあわいのように黒い影のようにダンサーを見せていくなど、すべての要素に変化をつけていく演出が見事だった。

演出. 照明:勅使川原三郎
アーティスティックコラボレーター:佐東利穂子
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子

日程 2025年4月26日(土)ー5月5日(月) 
4月26日(土) 19:30開演
4月27日(日) 18:00開演
4月28日(月) 19:30開演
4月29日(火/祝) 16:00開演
4月30日(水) 休 演 日
5月 1日(木) 休 演 日
5月 2日(金) 19:30開演
5月 3日(土) 18:00開演
5月 4日(日) 16:00開演
5月 5日(月) 16:00開演

全8回公演

開演30分前より受付開始、客席開場は20分前

全席自由席