MONO「京都11区」(2時〜)を伊丹アイホールで見た後、出社。土田英生は共同体における差別の問題を「燕のいる駅」など近作で描いてきたが、これもそういう系譜に連なる作品といえそうだ。舞台は近未来(?)の京都。ここで京都人以外を京都から排斥する条例が可決され、京都の周辺部では住民の立ち退きによる空洞化が進んでいる。そのうちの一軒。立ち退きを迫れた元喫茶店に立てこもって抵抗する人々がいたという筋立て。時代を近未来に取っているし、かなりデフォルメされてはいるが、これは明らかに土田の「京都論」であり、「日本論」だと思った。
『異邦人』として京都に暮らして、劇団活動を続けてきた土田英生が1年間の英国留学を前に京都に、そして日本に対して持っているアンヴィバレントな気持ちをすべてぶちまけたような作品で、同じく京都に住んだことががあり、京都が好きで嫌いでたまらない私としては京都に対する複雑な気持ちに共感するところ大であり、土田の勇気に快哉を叫びたい。でも、土田によるとこの作品、京都で生粋の京都人にけっこう受けがよかったらしい。そういうところが、あの町のなんともいやらしくも侮れないところなんだが(笑い)。
エジンバラで買い直してきたイアン・ランキン「STRIP JACK」を読み始める。
世界陸上2日目。男子1万メートル決勝、ケニア勢対エチオピア勢の対決となっている最近のこの種目の趨勢であり、ケニアがゲブレスラシエにどこまで対抗できるかに期待したのだが、エチオピアの圧勝。しかもゲブレスラシエを最後に圧倒的なスパートで破る若手の台頭とこの種目におけるエチオピアの優位を完全に印象づけた大会となった。しかし、レース的にはケニア勢がまったく振るわなかったのは残念だった。