振付=大橋可也
出演=垣内友香里、皆木正純、古舘奈津子、前田尚子、多田汐里、とまるながこ、山田歩
音楽=舩橋陽
「演劇計画2009」参加作品。前回公演「明晰の鎖」@京都アトリエ劇研がとてもよく、2008年のダンスベストアクトにも選んでいたということもあり、続編となるこの作品にも大きな期待をしていたのだが、どうも今回はうまく作品に入り込むことができなかった。どうしたんだろうと思い色々考えはしたがよく分からない。もともと、綱渡りのような非常に微妙な均衡のなかに危うく成立していた作品であるが今回と前回の印象が大きく異なるのは非常によかった前回作品のキャスト(江夏令奈、古舘奈津子、宮尾安紀乃、多田汐里)のうち2人が出演しておらず、それゆえ、ツアーとしてまだ前半でワークインプログレスに近い状態。今の段階ではアトリエ劇研で見たような完成度がないためかもしれないと思った。
今回の公演でひとりだけ際立って素晴らしいダンサーがいて、それは名前が分からないのだが、作品の前半ではほとんどずっと椅子に座ったままで動かず、後半になって立ち上がってからは舞台のセンター近くの位置にずっと立ちつくしている。これが誰であるかは分からずじまいなのだが、すべてのダンサーが彼女のように屹立できれば大化けするかもとのこの作品の潜在的なポテンシャルは強く感じた。