下北沢通信

中西理の下北沢通信

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明治座『ももクロ一座特別公演』@YouTube(ももクロライブ連続配信)

明治座ももクロ一座特別公演』@YouTubeももクロライブ連続配信)


ももクロ、くノ一姿で圧巻の殺陣シーン!敵役には飯塚高史…!?『明治座 ももクロ一座特別公演』公開ゲネプロ

ももいろクローバーZももクロ)は女性アイドルグループではあるけれど、その目指している方向性は他の女性アイドルグループとは大きく違う。それは目指すべき姿としてずっと以前からSMAP、嵐、そしてザ・ドリフターズという3つの集団を目標に掲げてきたことから分かるのではないかと思う。そして、そのひとつの結実といってもいいのが明治座の『ももクロ一座特別公演』といえるだろう。
明治座といってもピンと来ない人もいるかもしれないが、明治座新橋演舞場などと並ぶ商業演劇のメッカだ。この劇場でどういう公演が行われているのかということを紹介してみると例えば8月公演として予定されていたのが、残念ながら中止になったが『志村けん一座 第15回公演 志村魂』。ももクロが目標としていたドリフターズの一員で先日コロナで亡くなった志村けんによる座長芝居である。
 その外には今年は6月に『梅沢富美男劇団特別公演 研ナオコ芸能生活50周年』、8月・9月に『氷川きよし特別公演』、10月に『芸道45周年細川たかし特別公演 ダチョウ倶楽部一座旗揚げ公演』なども予定されている。
 昨年上演され今回配信された『ももクロ一座特別公演』もそういう種類の公演につらなることをあえて意図した舞台であった。二部構成で一部がコメディー色が強い時代劇、二部が歌謡ショーという構成もそういう伝統に繋がることを意識してのものだった。
 明治座の後に行われた大型ライブ「ももいろクリスマス」では今度はクレイジー・キャッツなどを意識した音楽バラエティーのフォーマットを意識した演出を取り入れてみせたが、このグループは昭和以来日本に面々と続く、芸能界の伝統と受け継ぐことを自負するような部分がある。
 毎年年末にかつての全盛期の紅白歌合戦のフォーマットを引き継ぐような趣向で開催している「ももいろ歌合戦」もその一環と考えることができるだろう。
 芝居自体の感想については観劇の際などの感想にも書いたので、今回はあえて第二部のライブについて書くことにする。ここでのライブは作りこまれた舞台公演で公演期間中に同じ演目を繰り返し演じるということのよさが生かされていて、きわめて完成度の高いものに仕上がっていたのではないかと思う。通常ももクロの大規模ライブはリハーサルはもちろん行うとしても本番一度のみの出たとこ勝負であることが多く、ライブにはもちろん生の良さはあるとしても、コンセプトライブなど演出的な趣向の強いライブについても熟成までの時間があまり取れないことが多い。全都道府県を回る青春ツアーはセットリストを固定して、パフォーマンスの完成度をあげていこうという趣旨で始まったはずだが、有安杏果の卒業による離脱で意味合いが変わってしまった。
 明治座の舞台はそれまでにコロナ禍が一段落していれば来年に行われる予定となっており、詳細はいっさい発表になってはいないが内容は今回のものとは異なる趣向のものに変化するとしても公演のフォーマット自体は前回の明治座公演を踏襲するのではないかと思う。そういう意味では次回は単なる歌謡ショーではない宝塚風レビューなど何らかのコンセプのあるライブを取り込むというのも考えられるのではないかと思う。
simokitazawa.hatenablog.com
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