下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。

スターダストプラネットのコロナ後初の有観客ライブ アメフラっシ「RUN! RUN! LIVE! 2020」@日テレらんらんホール

アメフラっシ「RUN! RUN! LIVE! 2020」@日テレらんらんホール

f:id:simokitazawa:20200815055532j:plain
比較的感染者が少ない東北エリアを拠点とするいぎなり東北産などは観客をエリア限定とするなどの条件のもとディスタンスライブと評して、行った例もあったようだが、スターダストプラネット傘下のグループではコロナ禍でライブが中止となった後。初めての観客を入れてのライブとなった。
スタプラ内でも予定していた有観客ライブを中止にしたグループもあったのに「なぜアメフラっシはできるのか?」の声が上がっていたようだが、これは半野外ともいえるような使用法が可能になる会場となった日テレらんらんホールの特殊性によるところが大きかったかもしれない。
 客席の使い方は客と客の間を1席ずつ空けながら、1列ごとに客席、空席の場所を入れ替えるといういわゆる半分使いだが、通常時であれば1000人は入れられるはずの客席の後ろ半分はところどころ空いていて、観客も用心しながらの試行錯誤でスタートした様子がうかがえた。
 この日テレらんらんホールはステージ背後の扉が自動で開閉できる構造になっていて、換気に配慮して前半部は「メタモルフォーズ」「STATEMENT」「雑踏の中で」「Rain Makers!!」と連続でパフォーマンスを行った後は扉を完全に開け放って換気をしながらのMC。以下も数曲やっては換気を兼ねてのMCという換気に留意しながらの演出。観客に対しても、クラッピング(拍手)と身体所作によるライブへの参加が
となり、コールや声掛け、タオル曲でのタオル回しなども禁じられてのライブ参加となったが、それでも配信ではなく、目の前で生でやられるライブを生で見ることができるという快感はなにものにも代えがたいということを再認識させられた。
 アメフラっシのライブはももクロの周回ステージでは何度も生で見たことがあるのだけれど、歌、ダンスともに格段にレベルアップしていることが感じ取れた。

【Digest Movie】ワンマンライブ「RUN! RUN! LIVE! 2020」/ Concert「RUN! RUN! LIVE! 2020」

 特に愛来はこのグループのセンター・オブ・センターの役割を見事なまでに体現する完璧なパフォーマンスで、安定度の高さが群を抜いていた。小島はなの歌の成長も目を見張るものがあった。 
 「RUN! RUN! LIVE! 2020」の表題に合わせてのスターダストプロモーション所属グループの「走れ」曲のメドレー「ノンストップで走れ!!!!!!!」はこの日のライブの白眉であったかもしれない。ももクロの「走れ!」にインスパイアーされるかのようにスタダのアイドルグループは私立恵比寿中学の「もっと走れっ!!」、TEAM SHACHI(チームしゃちほこ)の「もーちょっと走れ!!!」、たこやきレインボーの「ちゃんと走れ!!!!!」などと「走れ曲」を歌い継いできた。そして、その伝統はアメフラっシっがこの日もライブの最後に歌った「明後日の方向へ走れ」にまで受け継がれている。
 そして、実はその伝統はスターダストプラネットのグループにとどまらず男性グループの「走れ!!!! 超特急」 (超特急)、「皿に走れ!!!! 」(DISH//)も受け継いでいた。
 今回のメドレーはその男性グループも含めた全楽曲のメドレーとなっていて、そこにはアメフラっシ運営の今回の有観客ライブを契機にスターダンスは次のステージに走り出すぞという強い決意が込められていたのではないかと思う。そして、メドレーに男性グループの曲も含めることが出来たことには女性にとってはかなり歌うことが難しい楽曲をアメフラっシなら歌いこなせるのではないかというアメフラっシを育成してきたチームの自信があればこそとも思う。

 とはいえ、この日のアメフラっシでもっともファンの記憶に残り、アイドルとしての底力を見せつけたのは浴衣に着替えてのアコースティックゾーンだろう。扉を開けて換気をしたままでは、大きな音を出せないこともあって、コロナ禍での苦渋の選択の側面もあったが、ここはあいらもえかでもおなじみの鈴木萌花愛来アコースティックギターの演奏でまず最初に二人で「差し出された手をあの時握ってたら運命変わってたかな?」を演奏。次の「Over the rainbow」もまず二人の演奏から始まり、セリフから市川優月、次のソロ部分から小島はなも加わって全員でのパフォーマンスとなった。
 これまでアメフラっシはグループメンバーの活動でありながら、あえらもえかと本体の活動を厳然と区別していた。あえらもえかはオリジナル曲もかなり多く持っており、アメフラっシ陣営からすればそれはフジTVNEXTのきくちP氏の領分との考えがあるのかもしれないけれど、もともとアメフラっシ自体変幻自在というコンセプトがあるのだから、将来的には合体させてしまうのがいいのではないかと考えていた*1
 この日はあくまでアメフラっシとしてのギター演奏で、あいらもえか曲をやることはなかったけれど、融合に向けて一歩前進したかもしれない。そして、その後に4人全員で今度はアメフラっシの前身である3Bjuniorの夏の定番曲だった 「夏花火センチメンタル」をやってくれたのもファンにとっては胸熱な出来事だったのではないだろうか。
アメフラっシはこれまでも解散した3Bjuniorの思いを受け継ぐとして、ことあるごとに3Bjuniorの楽曲を披露してきたが、今回はあいらもえかのギター演奏によるアコースティックバージョンとしてまったく新たな表現として蘇らせた。
 最後に蛇足のようだがひとつだけ課題を挙げておく。この日は無観客ライブでの演出からの継続として、彼女らのダンス力をより見せるようにハンドフリーマイクを使用した演出となったのだが、装置の設定がうまくいかなかったのか、前半部分で鈴木萌花の声をうまく拾わなくなることが多発して、本人もそれを何とかしようと手でマイクの場所を細かく修正したりと苦吟のパフォーマンスになってしまった。結局、調整はうまくいかずにパフォーマンスの途中からスタッフがハンドマイクを手渡しすることで何とか乗り切った*2が、パフォーマンスとしては本来やりたかったものが出来なかったのは確かだろう。
 MCの際に萌花が袖にはけたまま戻ってこなかったのはその間にスタッフの必死の調整が続いていたためとも思われ、その頑張りには敬服したいが、ももクロの大規模ライブではあまり起こらないような出来事だったことは間違いない。パフォーマンス自体は咄嗟の判断に即座に対応。ももクロの東京タワー下でPAが止まったことや雨の氣志團万博でマイクが次々と故障するなか、生きているマイクをメンバー間で手渡しで対応したような先輩グループのことも思い起こさせる場面でもあった。たたき上げならではの対応力の高さには感心したが、本来はあってはならない事故だったのではないだろうか。今後に向けてスタッフの考えてもらいたい出来事だった。


2020年8月15日(土)東京都 日テレらんらんホール
OPEN 15:00 / START 16:00
アメフラっシ
RUN! RUN! LIVE! 2020
日テレらんらんホール

SE
M1 メタモルフォーズ
M2 STATEMENT
M3 雑踏の中で
M4 Rain Makers!!
MC 自己紹介、アメフラ講座(以下、MCは換気)
M5 「ノンストップで走れ!!!!!!!」(走れ!メドレー)
もっと走れっ!! (私立恵比寿中学)
もーちょっと走れ!!! (TEAM SHACHI)
走れ!!!! 超特急 (超特急)
とりあえず走れ! (KAGAJO☆4S)
ちゃんと走れ!!!!! (たこやきレインボー)
皿に走れ!!!! (DISH//)
走れ! (ももいろクローバーZ)
MC
M6 ミクロコスモス・マクロコスモス
M7 轟音
M8 ハイ・カラー・ラッシュ
M9 フロムレター
M10 アダムスキーじいさん〜ハムとみかん〜
MC
(浴衣、換気のためアコースティック)
M11 差し出された手をあの時握ってたら運命変わってたかな?
M12 Over the rainbow
MC 記念撮影
M13 夏花火センチメンタル
EN1 バカップルになりたい!
MC
EN2 グロウアップ・マイ・ハート
EN3 明後日の方向へ走れ(Remix)
MC

【ライブ写真てんこ盛り♪】RUN! RUN! LIVE! 2020 感想戦SP<雨宿り中のアメフラっシゃべり♯14

【ライブ写真てんこ盛り♪】RUN! RUN! LIVE! 2020 感想戦SP<雨宿り中のアメフラっシゃべり♯14>

*1:あるいはあいらもえか自体は存続するが、ももクロにおけるももクロちゃんZのようにあいまいにお友達のグループということにする(笑)。

*2:振り返りの配信では汗でマイクがずれてしまい直すのに必死だったと萌花は明かしていたが、そうなるかもしれないことは当然事前に予期してスタッフが対策を講じておくべきだっただろう。