下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

オンライン型劇場“THEATRE for ALL”(シアター フォー オール)

オンライン型劇場“THEATRE for ALL”(シアター フォー オール)

 チェルフィッチュの運営などを手掛けることで知られる株式会社precogが舞台芸術、映像芸術、メディアアートなどを対象とする配信プラットフォーム「オンライン型劇場“THEATRE for ALL”(シアター フォー オール)」を開設。2月5日サービスをスタートさせた。コロナによる劇場や美術館などの施設が相次ぎ閉鎖、配信による作品提供の可能性がクローズアップされていくなかで、こうした試みはきわめて意味合いが大きいと思う。舞台芸術などの配信は現在様々なプラットフォームに分散して行われているのが現状であり、Youtubeに代表されるような敷居の低いものは課金の方法が難しく、配信の容量や映像のクオリティーに課題があり、一方、ぴあやイープラスなどチケットセンターのStreamingはおそらく小規模な公演にとっては敷居が高い。さらに現在はどちらもキュレーションの機能はなく、劇場に例えると貸し小屋的な機能にとどまっている。
 precogによる新しいプラットフォームはスタートはこれまでprecogと関係した集団が主体となり限定的であってもチェルフィッチュの海外活動などでつちかってきたノウハウを活用し日本語字幕、音声ガイド、手話通訳、多言語対応などを施した動画配信サービスとして国際的な展開の可能性というメリットがあり、そうしたことに興味の強いアーティストはこのプラットフォームを利用することも増えてきそうだ。


theatreforall.net
theatreforall.net

株式会社precogは、文化庁の受託事業としてオンライン型劇場“THEATRE for ALL”(シアター フォー オール)のプログラム配信を、
本日、2月5日(金)より開始いたします。

“THEATRE for ALL”は、日本で初めて演劇・ダンス・映画・メディア芸術を対象に、
日本語字幕、音声ガイド、手話通訳、多言語対応などを施した動画配信サービスで、
オリジナル作品を含む映像作品約30作品、ラーニングプログラム約30本を配信します。

サウンドロゴは、音楽家の蓮沼執太氏が担当。
映像作品『True Colors FASHION』中での最終作品(記録映像)音楽も担当し、
「この世界には、様々な生があります。いま存在している、これから誕生する多種多様な営みに対して、少しでも寄り添えるように制作させていただきました。」
とコメントを寄せていただきました。
サウンドロゴは公式サイト トップページよりご覧いただけます。
※True Colors FASHION:https://theatreforall.net/movie/true-colors-fashion/

新型コロナウイルスで外出困難となった方、障害や疾患がある方、子ども、母語が日本語以外の方、
また、芸術に対して「難解さ」がバリアとなり馴染んでこられなかった方などに対して、開かれた劇場を目指してまいります。
本日より、「THEATRE for ALL LAB」のコミュティーメンバー募集も開始いたします。
福祉もアートも、ビジネスも。変化していく時代に、様々な形でアクセシビリティを考えるきっかけをつくります。

<配信作品 第三弾ラインナップ>

【映画】三好大輔/川内有緒 ドキュメンタリー映画「白い鳥」

【オンライン授業】佐藤雅彦 オンライン授業「映像とコミュニケーションデザイン

【ドキュメンタリー】Dance Base Yokohama「ダンスのアクセシビリティを考えるラボ〜視覚障害者と味わうダンス観賞篇〜」

【アニメーション】ウィスット ポンニミット「hesheit」

【舞台】ながめくらしつ ×Scale Laboratry「…の手触り〜こころの手触り〜」

【芸能】藤田善宏×益田市石見神楽神和会 青年部「SHOKI -鍾馗-」