ぱぷりか「柔らかく搖れる」@こまばアゴラ劇場
ぱぷりか「柔らかく搖れる」を観劇。広島に住む家族に起こる出来事を方言を駆使した群像会話劇として描いていく。作・演出は青年団演出部所属の福名理穂。作風としては2010年以降によくある若手作家の「非リアリズム」演劇とは異なり、岩松了や平田オリザらの群像会話劇の継承を感じさせる今見ると若干「古風」とも思える作風だが、物語のディティールを丁寧に構築していく作家としての才能は感じる。最近の劇団では宮崎方言の群像劇を上演している小松台東なども連想させるが、表面には出てこない暗示させるような表現の中から立ち現れる闇の存在は岩松了を思わせるようなところもある。斬新とはいえないが、実力は感じる。次の作品にも注目したくなる作家であったと思う。
作・演出:福名理穂
いつだって家の近くでは川の音がしていた
朝は爽やかに、夜は誘い込むような音が響き続ける孤独と、後悔と、温もりと、広島に住む家族の物語ぱぷりか
2014年ぱぷりかを旗揚げ、福名理穂が全作品の作・演出を務める。2018年MITAKA “Next” Selection 19thに選出され「きっぽ」を上演
2019年4月青年団演出部入団
出演
菊地 奈緒(elePHANTMoon)、用松 亮、堀 夏子(青年団)、ししど ともこ(カムヰヤッセン)、廣川 真菜美、矢野 昌幸、岩永 彩、深澤 しほ(ヌトミック)、桂川明日哥、関 彩葉スタッフ
舞台美術:泉真
音響:佐藤こうじ(Sugar Sound)
照明:南香織(LICHT-ER)
宣伝写真:矢野瑛彦
宣伝美術:関上麻衣子
舞台監督:岩谷ちなつ・黒澤多生
演出助手:鈴木のすり(京央惨事)
制作:大橋さつき(猫のホテル)
芸術総監督:平田オリザ
技術協力:中村真生(アゴラ企画)
制作協力:蜂巣もも(アゴラ企画)