下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

平田オリザ「忠臣蔵」の裏で起こっていた大野九郎兵衛殺し描いたミステリ(犯人当て)。青年団第91回公演『忠臣蔵・OL編』(2回目)@アトリエ春風舎

青年団第91回公演『忠臣蔵・OL編』(2回目)@アトリエ春風舎(犯人当て「誰が大野九郎兵衛を殺したか」付き)

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忠臣蔵チラシ

simokitazawa.hatenablog.com
上記は「忠臣蔵」を下敷きにした京大ミステリ研OBによる犯人当て「誰が大野九郎兵衛を殺したか」 問題編である。「忠臣蔵・武士編」のレビューで「忠臣蔵」には鶴屋南北の「東海道四谷怪談」をはじめ数多くの派生作品が生まれてきたと書いた。平田オリザによる「忠臣蔵」もそうした1本だが、この犯人当てもやはりそうしたもののひとつ。
各藩から情報を探るために送られてきた忍びの者が荒れ寺のある城外で暗躍するなか、この「忠臣蔵」にも登場する「家老の大野さん」こと大野九郎兵衛が何者かの手によって殺されてしまう。「その犯人は誰なのか」という筋立てで、時系列で言えば場内で平田版「忠臣蔵」のような喧々諤々の議論がなされていたちょうど同じ時に赤穂城外では忍びの者たちによる丁々発止のやりとりが展開されていたのだと考えるとちょっと面白いので、ぜひ一度読んでみてほしい。私もひさしぶりに読み直してみたのだが、「忠臣蔵」を見終わってから読むと重なっている部分も多く、とっつきにくい印象がかなり軽減されていることに気が付いた。

平和ボケした赤穂浪士たちのもとに、突如届いたお家取り潰しの知らせ。
その時、彼らは何を思い、どのように決断したのか?
私たちに最も馴染み深い忠義話の討ち入り決断を、日本人の意思決定の過程から描いた、アウトローな『忠臣蔵』2バージョン

出演

忠臣蔵・武士編』
永井秀樹 大竹 直 海津 忠 尾﨑宇内 木村巴秋 西風生子 五十嵐勇

忠臣蔵・OL編』
根本江理 申 瑞季 田原礼子 髙橋智子 本田けい 西風生子 山中志歩

スタッフ

舞台美術:杉山 至 舞台監督:海津 忠
照明:井坂 浩 照明操作:西本 彩 伊藤侑貴 衣裳:正金 彩 中原明子
チラシイラスト:マタキサキコ 宣伝美術:太田裕子 制作:太田久美子 土居麻衣

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