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中西理の下北沢通信

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洋楽志向の極致に向かって スタプラフェスの前にAMEFURASSHIの新曲「Fly Out」と「Love is love」を紹介

AMEFURASSHIの新曲「Fly Out」と「Love is love」


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 1月1日に配信されたばかりの新曲が「Fly Out」。とはいえ、ライブでは昨年の「FALL IN LOVE TOUR」のファイナルですでに披露されており、同じく年末にMVが公開された「Love is love」とともにハイスキルなダンスパフォーマンスとも相まって新たなAMEFURASSHIの大きな武器となっていきそうな楽曲だ。「K-POPみたい」と言われることも多いのだが、どちらかというと韓流グループもその一部に位置付けられる欧米のポップミュージックの趨勢を意識した楽曲づくりが特徴といっていいだろう。そのために一部アイドルファンからはそっぽを向かれる結果にもなっているが、例えば作者が90年代ハウスミュージックを意識したとはっきりと言及しているが、これは米国でビヨンセの新曲「Break my Soul」にそうした方向性が見られるようにそのリバイバルが最新の流行となっているような動きをはっきりと意識したものだといえそうだ。

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今年の上半期のAMEFURASSHIの重点はひとつはスタダのほかのグループと一緒に参加するタイでの「JAPAN EXPO」ではないかと思う。日本ではスターダストプラネットの末妹的な存在として遇され、アイドルグループとみなされることも多いAMEFURASSHIだが、彼女らの最大の武器は歌とダンスの高度な技術であり、未完成を愛でるような傾向があるアイドルオタクに対してはそれがマイナスに働くことも多いなかで、海外なら横一線での評価が受けられる。過去の動員実績や活動実績が重視される日本のアイドルフェスの現場ではパフォーマンスとは見合わないような小さな会場に追いやられる傾向が強い現在の状況を打破するきっかけのひとつとしたいという思いがあるのではないか。
 実は今年は新年のNew Year Premium Party 2023で本来はまず新曲2曲を披露して、名刺代わりの一発をかましロケットスタートを切る予定だったと思われるが、愛来が体調不良で欠場となったことで新曲披露は断念。ますます次のチャンスであるスタプラフェスの場が重要になってきたからだ。それほど長い時間がとれるわけではないなかなので、なじみのある「MICHI」や「メタモルフォーゼ」をやるという選択肢もないではないが、前回のスタプラフェスではまだライブではほとんどやっていなかった「Drop Drop」をいきなり披露し、度肝を抜いたこともあり、「Fly Out」と「Love is love」をやってくれると信じている。
【連載1回目】「ももクロを聴け!」の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI「Drop」について聴く(1) - 中西理の下北沢通信