アップデイトダンスNo.100「素晴らしい日曜日」演出 照明 勅使川原三郎@カラスアパラタス B2ホール
表題からしてそうかなとも思ってはいたのだが、舞台終了後の勅使川原三郎の自作解説によれば小津安二郎の映画「素晴らしき日曜日」にインスパイアされた作品ということだったようだ。とはいえ、それを知らないで作品を見ればダンス作品自体は映画の物語をなぞったようなものではないゆえにそういうことは分からない。3人のパフォーマーもそれぞれ映画の登場人物を演じるというのではなくて、それぞれの身体言語である空気感を表現していく。私の目には最初の場面が雨の音からスタートしてことなどが影響してか、例えば「雨の風景」とか「木々がみずみずしく成長していくありさま」とかをメタファー的に演じているようにも感じられた。
最近の勅使川原三郎作品は前回上演された「ワルツ」のように音楽にインスパイアされたダンス表現、あるいは物語のある原作をダンス作品とした役を演じる要素の強い作品のどちらかであることが多かったが、この「素晴らしい日曜日」は明らかにそのどちらでもない新しい表現領域の模索のように感じられた。いつもの勅使川原三郎、佐東利穂子に加えてハビエル アラ サウコが加わったことでもそれまでとは違う空気感を纏う舞台に仕上がっていたのではないか。
演出 照明 勅使川原三郎
出演 勅使川原三郎 佐東利穂子 ハビエル アラ サウコ
〈劇場〉カラスアパラタス B2ホール
〈残りの公演日程〉2023年11月3日(金)ー12日(日) *全8回公演
11月 9日(木) 19:30
11月10日(金) 19:30
11月11日(土) 16:00
11月12日(日) 16:00
ご予約フォーム https://www.st-karas.com/reservation2/
主催:有限会社カラス 企画製作:KARAS
初演製作:愛知県芸術劇場
後援:スペイン大使館
photo by Akihito Abe