【連載7回目】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI / New Album『Flora』 について聴く(7)
中西理 AMEFURASSHIの楽曲について『ももクロを聴け!』の著者である堀埜浩二さんに聴くという企画は3回目になりますが、新アルバム『Flora』 について聴いていきたいということで今回のインタビューを開催することにしました。
(6から続く)
堀埜 そもそもアメフラのおもろいのは曲だけを聴いていると路線としてはかなり大人の路線じゃないですか。ところが本人たちはいたってそういうのとは無縁な素朴な感じ、天然な感じの子ばかりなので、それはそれでたぶんアイドル的にはギャップの萌え感のようなものはあったりすると勝手に思っているのですが、これで色気を強調するような路線というのは必要もないでしょうけれどパフォーマンスの中ではそういうのを上手に出していきながらやるというのはしっかりと出せているのはいろんな期待感は高まります。
中西 Anna先生がだいたい振り付けをやるとは思うのだけれど、「Secret」とかもそれまでの感じとは違うような振り付けでしたが、KPOPなんかとは違う色気というか、大人の魅力に近づきつつある。
堀埜 Anna先生はかなり振り切ったダンスをする人なので、彼女が振り付けをやっていることによって、面白い部分がある。それはAnna先生が振り付けを担当したれにちゃん(高城れに)のソロコンを見てても思います。しおりん(玉井詩織)のソロコンもそうでしたが、先生がその周りのダンサーチームを引き連れてやっていることはアイドルが純粋に踊っているところといわゆるダンサーが踊っている違いをはっきりと知ることができる面白さがある。ただ、あーりんはもう本当に本格的なダンサーに近いけど、それを上手なコントラストでライブの時に使っているように思う。
Anna先生の振り付けはしおりんのライブを東京、大阪で2度見て感じたことなんですが、振り付けのネタが豊富なんですよね。いろんなコマを使いながら振り付けをやっていて、フォーメーションを組んだりするところがももクロの4人でやる時ともしおりんのソロコンの時とは違うというのを見る喜びというのしおりんのソロコンにはあった。
中西 ももクロもAnna先生が振り付けをしてはいるけれど、ももクロの振り付けに関しては石川ゆみがメンバーと一緒に確立した「ももクロの振り付け」というテイストがある。そして、新たな振り付けでもそれを踏襲している部分はある。それと比べてAMEFURASSHIへの振り付けはよりテクニカルというか、いわゆる既存のダンスの技術を盛り込んでいる感じで、同じ人が振り付けしてはいるけれど、ももクロの場合はそうしたテクニックが露わになるのをあえて避けているような気がします。
堀埜 ももクロの初期のダンスというのはもともとゆみ先生がやっていた時代は彼女らにまだ技術がなかったこともあり、ちょっと手話とかマイムの要素を取り入れたり、それとあまりアイドルがやらない動きを入れるとかもやっていたような気がします。もともとそういうのをやっていたのはPerfumeなんですが、彼女らはアイドル落ちみたいなのはやらずにスタイリッシュにやっていましたが、ももクロも初期の振り付けにはPerfumeっぽい振り付けとかがあったような気がします。
AMEFURASSHIは横一線に4人が並んで煽る時と、インストの時にバチバチにダンススキルを見せることがあるじゃないですか。そういう見せ方をするというのもスタダの中でもこのグループが一番がっちりとやりだしている。スタダは右左は別にしてとき宣(超ときめき宣伝部)とAMEFURASSHIが両翼に配して両方楽しめるのがありがたいなと思っています。
このアルバムの仕上がりで昔ももクロが「5th DIMENTION」でやっていたようなアルバムを最初から最後までやるようなライブというのはこのアルバムの場合は面白いことになると思います。
中西 そういう風にはやらないかもしれませんが、プロローグとかもあるので次のワンマンでたぶんこの曲順でやるんじゃないかと思っています*1