【連載8回目】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI / New Album『Flora』 について聴く(8)
中西理 AMEFURASSHIの楽曲について『ももクロを聴け!』の著者である堀埜浩二さんに聴くという企画は3回目になりますが、新アルバム『Flora』について聴いていきたいということで今回のインタビューを開催することにしました。
(7から続く)
堀埜 今回中西さんが聴かれていて、この曲が好きだなとか、この曲がいいなと思っている曲はありますか?
中西 「Flowers of love」はけっこう好きなんだけれど、これはバラード的な曲なんで、めちゃくちゃ歌唱力が必要な曲だなと思うし、たぶんこういう曲をきっちり歌えるグループというのはあまりないんじゃないかと思わせるという意味ではアメフラならではの曲だと思います。
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堀埜 それでいて、しっかりアイドル感もありますからねえ。
中西 ただ、個人的には最近ちょっと「Desire」が気に入っています。前にもちょっと触れたんだけれど、単に曲名が同じというだけかもしれないけれど、中森明菜の「DESIRE」感を少しだけ感じる。
堀埜 ちょっと昭和っぽいメロディーで、ラテン風味も入ってというところは意外とAMEFURASSHIがやる曲としてはフレッシュかもしれません。
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中西 あと、これまでなかったこういう柔らかい曲もやるんだという意味では「HICCUP」もいいと思います。
堀埜 ちょっとバラード色のある曲だけどすごくファンシーな曲。この曲も目立ちますよね。
中西 特に市川優月のソフトなラップがいい。
聴取者 この曲は本人も凄い好きって言っていますね。
堀埜 ライブでは彼女がしっかりフューチャーされる曲になるでしょうね。この曲は。
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中西 ラップとしてはそれまでのHIPHOP系のラップとは違うような流れで、ももクロのラップにもそういうのがあるんだけれど、女性のラップとしてはひとつのフィールドというかジャンルを作りえるような歌い方だなと思いました。これはももクロとは違うけれど、ももクロも最近割とスローでメロウなラップ曲が最近よくあるように思う。
堀埜 一般的にはラップというとストリートのラップみたいなことを思う人がまだ多いかもしれないけれど、今のラップってもの凄い幅が広くなっていていろんな歌い方がある。ほぼ朗読に近いようなものもラップの中に入ってきたりする。そういう意味ではスウィートな曲でしっかりラップを聴かせるというのは難しいことなんです。それができるスキルもあって、個人個人のボーカルのいろんなところが「ここ好きだな」と楽しめる部分がたくさん出てきたりするのが、これだけカチッとまとまったアルバムやねんけれど、パートパートのところでは「見つけもの」という良さもしっかりと出てきている。そういうのはこれからも聴き続けたらまだまだ見つかりそうな気がします。
中西 そういう意味でもやはり振り付けを見てみたいですね。表題曲「Frora」にしても曲だけ聴いていると「Blow your Mind」なんかを思わせるようなところもあるんだけれど、振り付けが全然違えば全然違って感じそう。