構成・振付・演出:上海太郎 振付:室町瞳 舞台監督:久保克司
照明:大川貴啓 音楽:多久雅三 音響:Alain Nouveau
宣伝美術・絵:東學(一八八) 制作:松井雅人、石垣佐登子
パンフレット製作:たかはたひろこ 企画・製作:上海太郎カンパニー
出演:
上海太郎:女王
室町瞳 :アリス
早川亜希:ウサギ
大津宮潤一:帽子屋
坂本さやか、浦川舞奈、長崎奈央子、居丈高幸治、ことぶきつかさ、
The Dancircle K'variation:
富岡由佳、伊尾沙綾香、久世賀奈子、小原裕子、大江真由美、
立山美由紀、大塩由香、中村彩
soy(演奏)
酒井七瀬,駿田千佳
会場
伊丹市立演劇ホール<アイホール>
〒664-0846 兵庫県伊丹市伊丹2-4-1
TEL:072-782-2000,URL:http://www.aihall.com/
上海太郎の作品についてこれまでダンスパントマイムという風に表現することが多かったのだが、新カンパニーになって2回目の作品「不思議の国のアリス」はそういうのとは少し違う作風。生演奏、生歌が入っての音楽劇の要素が強く、特に室町瞳のソロ以降、後半に至るまでの部分マイムは要素としては出てくるけれど必ずしも主要な要素ともいいきれず「これはミュージカルだ」といっても否定しがたいようなところがある。
ただ、新カンパニーになって作風を変化させたのかといえば必ずしもそうではないようだ。中盤あたりにある鏡のイメージを多用した場面はダンスパントマイムとしてもこれまでになかった新機軸をかなりたっぷりと見せてはいるが、実は今回のメンバーではきちんとし形でマイム演技ができるのはこの特に出演している何人かだけで、今回のメンバー構成だとこれまでの上海太郎の代表作である「ダーウィンの見た悪夢」のおける「進化」の場面のようなダンスパントマイムによる群舞を作るというのはかなり無理があり、どんな風な方法論でなにが表現したいかではないくて、集めたメンバーでどんなことならできて、その範囲内で一番面白いものを作るにはどうしたらいいのかという逆算の発想で作られたのが今回の作品のように私には思われたのである。
表題はルイス・キャロルの小説「不思議の国のアリス」となっているが、この舞台は小説の物語をそのまま舞台化したものではない。今回の舞台の中核となっているミラーイメージの集団マイム場面をはじめ、「セイウチくんと大工さん」などいくつかの場面は続編にあたる「鏡の国のアリス」のモチーフを取り入れている。