下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

『しおこうじ玉井詩織×坂崎幸之助のお台場フォーク村NEXT ももクロと松本隆縛り忘年会』第103夜 @フジテレビNEXT

『しおこうじ玉井詩織×坂崎幸之助のお台場フォーク村NEXT ももクロ松本隆縛り忘年会』第103夜 @フジテレビNEXT

年末ジャンボゲスト 松本隆
ももいろクローバー
忘年会参加ミュージシャン 清塚信也/あんにゅ(コアラモード.)/中島愛/ブリーフ&トランクス
シークレットゲストミュージシャン 榊いずみ/久保田洋司/杉真理

しおこうじ(玉井詩織×坂崎幸之助)

生演奏
ダウンタウンしおこうじバンド
宗本康兵音楽監督(key)
加藤いづみ(cho)/佐藤大剛(gtr)/竹上良成(sax)/やまもとひかる(bass) 藤原佑介(drs)//小幡康裕(gtr/key)
篠崎恭一(mnp)

セットリスト
M01:ラプソディ・イン・ブルー (清塚信也ジョージ・ガーシュウィン)
M02:WE ARE BORN (清塚信也&へいへい/ももクロ)
M03:ROCK THE BOAT (しおこうじバンド/ももクロ)
M04:サンタさん -ZZver.- (ももクロももクロ)
M05:stay gold (ももクロももクロ)
M06:天国のでたらめ (坂崎村長/ももクロ)
M07:きみゆき (いづみ/ももクロ)
M08:白金の夜明け (山本ひかるももクロ)
M09:ももいろパンチ (中島愛ももクロ)
M10:ChaiMaxx (あんにゅ/ももクロ)
M11:あんた飛ばしすぎ!! (ももクロ中島愛&あんにゅ/ももクロ)
Go!Go! BANDGIRLZ
M12:泣いてもいいんだよ (BANDGIRLZ/ももクロ)
M13:乱れ髪 (坂崎村長/大滝詠一)
M14:君に、胸キュン。(コアラモード.YMO)
M15:タイムトラベル (やまもとひかる/原田真二)
M16:てぃーんず ぶるーす (榊いずみ原田真二)
M17:硝子の少年 (ブリーフ&トランクスKinKi Kids)
M18:赤い絆 (夏菜子/山口百恵)
M19:ジュ・テーム (れに/木之内みどり)
M20:サブウェイ特急 (しおりん/矢沢永吉)
M21:ハートをRock (あーりん/松田聖子)
M22:真冬の恋人たち (中島愛杉真理松田聖子)
M23:内心、Thank You (いづみ&久保田洋司The東南西北)
M24:外は白い雪の夜 (オールキャスト/吉田拓郎)
M25:ゆく春くる春 (オールキャスト/ももクロ)

 GO GO BAND GIRLZで初めてももクロ単独のバンド演奏(ドラムは坂崎村長がサポート)を見たのだが、夏菜子のピアノ演奏が予想したのより、かなり本格的なものだったのに驚いた。他のメンバーの演奏はともかく、夏菜子については伴奏としてコードを連打する程度だろうと甘く見ていたのだが、夏菜子はほとんど何の素養もないはずだが、相当猛練習したんだろうなと思った。終了後、「フェスの時の演奏のがよかった」と言っていたが、なかなかのものだったと思う。今回は「赤い絆 」(山口百恵)も歌ったが、これも山口百恵の歌い方とはまったく違ったが百恵ファンだった私から見てもかなりよかった。なんでも歌えるわけではないと思うが、他の歌も聞いてみたい。
 とはいえ、こうした素人バンドの演奏から清塚信也と宗本康平の超絶技巧の競演によるWE ARE BORNまで幅広いパフォーマンスを見せていくのがフォーク村ならではのことでFNS歌謡祭など地上波の音楽番組では出来ないことだと思う。ダウンタウンしおこうじバンドによる「ROCK THE BOAT 」(ボーカル・ギター:玉井詩織)も完成度高く、このままどこの音楽番組に出しても何の遜色もないレベル。玉井詩織は今回は矢沢永吉の「サブウェイ特急 」もよくて、MCが慣れて余裕ができてきたせいか、この番組の本筋の音楽面でもいかんなく実力を発揮しつつある。
 そういう中で今回はダウンタウンしおこうじバンドのメンバーとしてレギュラーになっているやまもとひかるがベース演奏をしながら2曲歌わえてもらっていたのが、嬉しかった。「白金の夜明け」「タイムトラベル」の2曲なのだが、オリジナル曲で配信デビューしたり、Youtubeに上げた映像などで歌もかなりうまいということは分かってはいたが、だからといって何でも歌えるわけではない、得意不得意はあるんだな、というのがはっきり分かった。だからこそ伸びしろを見込んでのチャンスをちゃんと与えられているという気がする。
 具体的にいうとポップな風味の生きる「タイムトラベル」は彼女に曲があっていて、キュートな魅力が発揮されていたのではないかと思う。

原田真二 タイムトラベル

 それと比較すると「白金の夜明け」はかなり厳しかった。音ははずさずに歌ってはいるのだけれど、現代的歌唱ともいえそうな彼女の歌い方だといかんせん声が細い。どうしても口先の技巧で歌っているように見えてしまい曲とミスマッチなのだ。逆にももクロメンバーの声はちゃんと腹から出ていて、歌いまわしに説得力がある。これは後半、コーラス的なユニゾンにメンバーが加わってきた時に一目瞭然で分かる。とはいえ、これはおそらくきくちPがそういうことを分かったうえで選曲しているもので、音楽偏差値の高いやまもとひかるの場合、本人が一番分かっているはずだ。こんな風にももクロメンバー(特にいまはいない元メンバーの有安杏果は代表)はこの番組で高いハードルを用意されて育てられてきたし、同じようなチャンスがいま若いやまもとひかるにも与えられつつあるのは嬉しいことだ。
 そういえば同じくしおこうじバンドレギュラーになりつつあった佐藤奏(ドラム)が今回ははずれていたので「あれれ。忙しくなっちゃったかな」と思ったが、3時間特番で22時の壁があり、今回は出演なしということになったみたいだ。早く大人になりたいと大いに悔しがっているブログをあげているようなので、次回を楽しみにしたい。
この回はゲストに中島愛が出演して、彼女は歌がうまいのだが、見ていて興味深かったのは佐々木彩夏(あーりん)と連続で歌った松田聖子のカバーであろう。中島が杉真理と一緒に歌った「真冬の恋人たち」は本当に生き写しと思えるぐらい本家の松田聖子にそっくりだった。歌唱力も技術も十分にあることを見せつけたのだが、あーりんの「ハートをRock」はまったくあーりんでしかなくて、松田聖子の曲だということはひょっとしたら指摘されないと分からなかったかもしれない。ところが、曲自体はきちんとアイドルの歌であり、まるで自分のオリジナル曲のように歌えてしまっているのはある意味凄いことではないのだろうか。振付もつけていて、ひょっとしたら松田聖子についていたもともとの振付をやっているのかもしれないのだが、見ていたらそれがいかにもあーりんらしい動きなので、これもあーりんオリジナルの動きとしか思えないのだ。アイドルあーりんの凄みだと思う。

松田聖子 ハートをRock 2007-2008 Count Down Live