下北沢通信

中西理の下北沢通信

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笑の内閣 助成金申請型ZOOM演劇「助成の大学」@配信

笑の内閣 助成金申請型ZOOM演劇「助成の大学」@配信

検閲官と劇作家が台本を直していく三谷幸喜の「笑の大学」の物語の設定を基にして、助成金の担当職員と劇団の制作担当者が助成金の申請書類を直していくという物語。実際の申請書類に基づいたあれこれがZOOM画面の共有機能により視聴者(観客)に示されて物語は展開するのだが、それだけでも芸術家向けの助成金の要項が複雑怪奇と言い表したくなるほど難しすぎて、そうした制度設計が利用者の妨げになっていることが揶揄されている。
実際の申請を目指そうという芸術家にとっては入門編になっているとも言えるのかもしれないが、部外者である私にとっては芝居を観終わった後でも何を意味しているのかが理解しかねる部分もあり、印象としてはこんな制度設計をした役所はどうかしているという感じだけは伝わってきた。コメディとしては笑いの密度はいつもの笑の内閣の作品と比べると低いのじゃないかとも思ったが、文化政策批判としてはそれなりに機能していたかもしれないと思った。

作・演出:高間響 出演:由良真介 髭だるマン

 現在、芸術家向けの助成金が出ていますが、その要項が難しすぎ、運用が混乱しています。その修正依頼は最早、コメディと言える展開になっています。私も、何度も修正依頼がきて、色々とツッコミを入れました。これを、検閲官と劇作家が台本を直していく三谷幸喜氏の名作「笑の大学」のストーリーをもとに、担当職員と演劇人が助成金要項を直していく脚本にすることで、助成金の問題点を炙り出す作品です。

 笑の内閣16年目で初めての劇団員だけの2人芝居に挑戦します。

【あらすじ】

 人口200万人弱の、関東圏ではない政令指定都市・助駒市は、その人口規模の割には芸術方面が強い都市ではあったが、その財政は逼迫し財政再建団体転落の恐れもあった。そんな中おきたcovid-19の流行に助駒市は文化芸術特別助成金を新設する。しかし、4月から助成課に配属された審査課長の柿坂は、芸術には全く興味のない財政規律派で、不要不急な芸術への助成金には反発を持ち、重箱の隅をつつくような審査で落としていた。そうとは知らずにやってきた、市内の小劇団の制作妻木との、申請書をめぐる攻防が始まる。

《配信日時・詳細》

2021年1月2日20:00~

料金:2,000円(ツイキャスプレミアムにて販売)

https://twitcasting.tv/hibiki_takama/shopcart/44217

アーカイブの視聴及び販売は2021年1月16日(土) 23:59 まで

笑の内閣 お正月配信アフター企画 3「助成の大学」 アフターアフタートーク - YouTube