下北沢通信

中西理の下北沢通信

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ももクロ高城れにとWACKの新鋭PARADISESが降臨。やついフェス2021 生中継【DAY2】@ニコニコ生放送

やついフェス2021 生中継【DAY2】@ニコニコ生放送

きょうはどこにも出かけることはなしに昼からパソコン前に待機。オンラインでやついフェスを鑑賞することにした。メインの目的は夜(18時40分~)の高城れにだが、その前に注目していたのが眉村ちあきのライブ。
これがとてつもなくよかった。歌がうまいということももちろんあるし、ほぼすべてがセルフプロデュースである楽曲もいいのだが、なによりも素晴らしいのが歌うことの楽しさに溢れていることだ。日本武道館での公演も実現し実力派アーティストして振舞うだけの実績はもう積んでいるのにいっさい偉ぶらないのがいいし、客前で歌うのも久々なのかもしれない。
初めてライブを見たのだが、この日の最大の発見はニガミ17才。ステージングには面白ろの要素も入っているが洗練された音楽性に驚かされた。

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WACKの新鋭グループPARADISES*1のライブもよかった。このグループは4月に新メンバーとしてキャ・ノン(元はつみつロケットの雨宮かのん)が加わり注目していたが、さすがにスターダストで何年かものアイドル経験があり、しかも3Bjunior、はつみつロケットと絶対的なセンターとして君臨し続けた人のアイドルとしてのオーラは凄まじいものがあるということを感じた。スタダでは歌唱、ダンスともに格別にうまい方ではなかったのにも関わらずはちロケのセンターはこの人でなくてはならなかったし、雨宮かのんの脱退後、はちロケが長くは存在できなかったのはこの人がいてのグループだったからではないかと思っている。

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少しづつ融け込んでおり、本人も楽しそうなのは嬉しく思っているのだが、実はこの人の本領は心に闇を抱えているんじゃないかと言われた自作曲*2の作詞にあるのではないかと思っている。そういう意味では本業と並行しての余技的な部分でしかそうした活動が生かされにくかったスタダと比べるとメンバーが作詞に参加することが通例化しているWACKではキャ・ノンの本来持つ才能が開花するチャンスは大きいのではないか。だから、それが今後出るアルバムであるのかどうかはまだ分からないが、一刻も早く彼女の手による新曲を聴いてみたい。*3
高城れにのライブは短縮版ではあるけれどそのままソロコンがどういう風にやられているか見せつける内容であった。
ソロ曲を順番に歌っていったのだが、この日の目玉はももクロの初期にカバー曲として歌っていた「最強パレパレード」のソロバージョン。この歌はももクロのダンス振付を担当してい石川ゆみが「涼宮ハルヒ」ライブなどの振付も担当していた縁で持ち曲の少なかったももクロがレパートリーとしていた楽曲。ももクロとしてはここしばらく披露していないのでいつが最後の披露だったかも定かでないほどのレア曲だが、高城れにがソロでやるのには適していたかもしれない。今となってみると伝説と言ってもいい場面だが、実はももクロはドイツの日本文化紹介イベントで初音ミクと共演してこの曲を披露したこともある*4高城れにはソロコンではももクロの中では一番、ボカロやアニソン、アイドル曲を披露する人*5で、ももクロではあまりやらなくなっていたこの曲をソロでやったのはいいアイデアだったのではないか。「Dancingれにちゃん」「じれったいな」*6「一緒に」「tail wind」とそのほかはほぼ自分のオリジナルソロ曲で、実はこの日の翌日の生誕祭生配信でソロアルバムの発売も発表された。ソロアルバムの発売ではあーりん(佐々木彩夏)に先を越された感があるが、よくも悪くもキャラクターソング満載のあーりんソロ曲と比べ、高城れにのソロ曲は曲として「いい曲」が多いと思う。

SENSUALITY(AKB48のユニット)
眉村ちあき
ナナランド(LINE LIVE
ニガミ17才
APPARE!(LINE LIVE
PARADISES
リルネード(LINE LIVE
やついフェス歌合戦
クマリデパート
高城れに

*1:paradises.jp

*2:雨宮かのん作詞、大森靖子作曲「chuchuプリン」。大森靖子によるセルフカバー。かのん(現キャ・ノン)の作詞の才能は大森をはじめとするミュージシャンに絶賛されていた。
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*3:PARADISESの楽曲聴いていて思いついたのだが、いろいろあって難しいかもしれないが、ぜひ今のうちにPARADISESとスタプラのアメフラっシの対バンライブがぜひ見てみたいという気分になってきた。WACKにおけるPARADISESとスタダにおけるアメフラっシの位置に同じようなものを感じ、今後継続的なライバル関係を築いていけそう。メジャーデビューしたらやりにくいがいまのうちなら現場の運営同士の調整でなんとかなるんじゃないか。楽曲的にもよいマッチングだと思う。

*4:
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*5:逆に言えば他のメンバーは個人ではそこまでそういうサブカル的なものには興味がないかもしれない。

*6:
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