下北沢通信

中西理の下北沢通信

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新選組隊士の生き残りの評伝劇を 2・5次元系アクション演劇に 日本劇団協議会 日本の演劇人を育てるプロジェクト「中島鉄砲火薬店」@新国立劇場小ホール

日本劇団協議会 日本の演劇人を育てるプロジェクト「中島鉄砲火薬店」@新国立劇場小ホール

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「中島鉄砲火薬店」@新国立劇場小ホールを観劇。脚本・演出を手掛けている伊藤栄之進であったが、「ミュージカル『刀剣乱舞』」シリーズや舞台「幽☆遊☆白書」など2・5次元系の舞台で知られる作家・演出家だったようだ。
この作品は伊藤が御笠ノ忠次の名義で作・演出を手がけ、2012年に初演。中島登は新選組隊士(伍長)で、隊士としては比較的無名の人物。本作では彼に光を当て、箱館戦争終結後、残りの人生を浜松で送るさまを描いている。実在の人物に材を取りながら、主演の中島登に『仮面ライダー555』『侍戦隊シンケンジャー』などへの出演経験がありアクションを得意とする唐橋充をキャスティング。そのほかの配役にも「刀剣乱舞」シリーズなどの2・5次元演劇への出演経験が豊富な俳優が顔を揃え、この作品自体はアニメ原作があるわけではなく、2・5次元演劇とは言い難いが、特に後半部分ではアクロバティックな殺陣シーンを存分に見せるなど歴史劇というよりはアクション活劇に近いような作風に仕上がった。日本劇団協議会といえば新劇や小劇場演劇のイメージが強いが、そのプロデュース公演に当たる「日本の演劇人を育てるプロジェクト」にこういう作風の作品がラインナップされていることに特に商業系演劇における2・5次元系の舞台の台頭を反映したものと考えることができるのであろう

【脚本・演出】
伊藤栄之進

【出演】
唐橋充

小西成弥

田村心

大見拓土
松井勇歩

市橋恵
福永マリカ

飯野雅彦

栗原功平

高木トモユキ

松本寛也

【会場】
新国立劇場小劇場

【チケット料金】
前売 7,000円
当日 7,700円
学生 4,000円(高校生以下)
Z席 1,650円