下北沢通信

中西理の下北沢通信

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笑の内閣 オンライン演劇 「信長のリモート 武将通信録」シナリオ1「本能寺のzoom」(2回目)

笑の内閣 オンライン演劇 「信長のリモート 武将通信録」シナリオ1「本能寺のzoom」(2回目)

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笑の内閣「信長のリモート」
 「信長のリモート 武将通信録」シナリオ1「本能寺のzoom」は織田信長明智光秀によって本能寺に討たれた天正10年(1582年)において、もしネットがあり信長傘下の武将たちがZOOMで軍議をしていたらというSF的設定を取り入れたZOOM時代劇である。信長側を描いたシナリオ1「本能寺のzoom」と明智側を描くシナリオ2「麒麟がこぬ」 を2夜連続で上演。アーカイブが有料で7月6日まで観劇可能であることもあり、期限が切れる前にもう一度見ることにした。
 見直してみて思ったのはZOOM演劇であり、劇中これだけZOOMを駆使しながら、秀吉がやはりZOOMでは意思の疎通が困難な部分があるから、織田家では今後ZOOMをやめて、軍議は対面で行うと秀吉が史実通りに清洲会議を決定する幕切れである。史実でも清須会議では秀吉と柴田勝家の対立において、秀吉が滝川一益清須会議に馳せ参じるのが遅れてしまったのに乗じて、多数派工作に成功。後の秀吉の天下人になっていく、分岐点となっていくわけだが、これがコロナ禍で中止を余儀なくされている現在の演劇の状況とそれでも演劇をZOOM演劇では代替えできないんだという高間響の思いとが二重重ねになる見事な大団円であったと思う。

作・演出:高間響

バイオリン演奏:武田朗秀  ピアノ演奏:高間叔枝

映像テクニカル:淺越岳人(アガリスクエンターテインメント)  映像作成:竹崎博人

演出補佐:しんえな、中川ひなの  宣伝美術:脇田友(スピカ)

衣裳協力:時代衣裳おかむら  土佐弁翻訳:浜口真由美
制作:吉岡ちひろ(劇団なかゆび)、葛川友理(劇団トム論/気持ちのいいチョップ)

出演:

髭だるマン[笑の内閣](羽柴筑前守秀吉)

福地教光[バンタムクラスステージ](惟任(明智)日向守光秀)

大町浩之[拳士プロジェクト](織田上総介信長)

ラサール石井(柴田修理亮勝家)

神田真直[劇団なかゆび](惟住(丹羽)五郎左衛門長秀)
伊藤今人[ゲキバカ/梅棒](滝川左近将監一益)

中路輝[ゲキゲキ/劇団「劇団」](池田勝三郎恒興)

和泉聡一郎[劇団道草](矢部善七郎家定)

杉田一起(徳川三河守家康)
高瀬川すてら[劇団ZTON/Sword Works](お市

淺越岳人[アガリスクエンターテイメント](筒井陽舜房順慶)

三遊亭はらしょう(古田重然織部))

熊谷みずほ(帰蝶・エリカ様)
近藤珠理(帰蝶川口春奈

横山清正[気持ちのいいチョップ](北畠三介信意(織田信雄))

松田裕一郎(織田源吾長益(有楽斎))

松田琉太郎(三法師(織田秀信))

岡本昇也(吉田神祇大副兼兼見)
谷屋俊輔[ステージタイガー/焼酎亭](長岡兵部大輔藤孝(細川幽斎))

河合厚志[押ボタン制作](前田又左衛門利家)
田宮ヨシノリ(森武蔵守長可)

しんえな(森成利(蘭丸)・声の出演)

土肥嬌也(前田慶次郎利益)
三鬼春奈[gallop](ねね)

山下ダニエル弘之(ルイス・フロイス

池川タケキヨ[ニットキャップシアター](星野源

寺地ユイ[きまぐれポニーテール](語り・有働由美子

中川ひなの(紀行語り)

STORY

時は1582年6月1日深夜(現在の暦で6月20日)、織田家はzoomを活用して軍議を行っていた。その日も本能寺滞在中の織田信長丹波亀山城から出陣直前の明智光秀、北陸方面軍柴田勝家、関東方面軍滝川一益、四国方面軍丹羽長秀、中国方面軍羽柴秀吉の6人がzoomで軍議をする。秀吉への援軍に向かう光秀が早々と退出した以外は、いつものようにzoom軍議は進む。しかし、突如信長の画面の後ろに火の手が上がり謀反が起きたことがわかる。重臣たちは慌てて、逃げるように説得するが通信は途絶えてしまう。zoom軍議は、急遽その後の対応に変わる。一体、誰が信長を襲ったのか?信長は無事なのか?

THEATRE E9 KYOTOが立ち上げた仮想劇場《THEATRE E9 Air》上演作品。

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